第8話『やっぱり……! このゲーム。あかりが作ったゲームなんだ』
心霊配信がトラブルにより途中中断された事で、呟きアプリでは大騒ぎだったが、あの影の正体が立花光佑であることが明かされ、皆無事だと発信された。
そして、それから落ち着いた頃に事情を話す配信が行われ、まぁまぁ炎上したが、何事もなく普通に配信を行っているのだった。
もはや慣れた物である。
『いやー。機材トラブルなのに、ぎゃいぎゃい騒ぎすぎだよ』
【まぁ、それだけ大きなチャンネルになってきたって事だろ】
【見てる人が多いとそれだけ良かれ悪かれ注目されるしな】
【当分は大人しくしておいた方が良いんじゃね?】
『しょうがない。そうするかー。じゃー。今回はゲームでもする?』
【また動物園を呼ぶつもりか!?】
【何の解決にもなって無くて笑う】
『もうロボットはやらないよ。荒れるし』
【せやな】
【なら何やるかー】
【陽菜ちゃん! 陽菜ちゃん! なら、今度2が出るから、異界冒険譚1やって!】
『異界冒険譚ー? ほいほい。調べてみますかー。ん。すぐヒットした。これかな?』
【そうそうソレソレ】
【あー。これかぁ。なんか前にアニメ化してたよな】
【最後バットエンドで終わるクソアニメじゃん】
【エンディングだけでクソ呼ばわりする頭よわよわ君が居ると聞いて】
【いや、バットエンドに拒否反応示す人は一定数居るだろ】
【拒否反応とクソ呼ばわりはまた違うんだわ。それ言うんなら、クソ呼ばわりに拒否反応示す奴が居るってのも分かんねぇかな】
【アホの相手してもしょうがないだろ】
『このゲーム大丈夫? 話題出した瞬間荒れ始めたけど』
【アニメと原作は色々と論争あるけど、ゲームは大丈夫。神ゲーやぞ】
【そもそも原作とアニメで救われなかった子たちをゲームで救うってのがコンセプトだから。まぁ救済措置って感じ】
【なお難易度】
【仕方ない。王様が悪い】
【いや、王様も何か事情があったんじゃねぇの?】
【事情があろうがなかろうが、内外に敵を作り過ぎなんだよ。ただでさえ面倒な情勢なのに、戦いばっかり起こすから】
【物資が限られた世界じゃあ、奪う方が楽だし確実だからね。仕方ないね】
『ふんふん。なるほどね。じゃあひかりちゃーん!!』
『はいはい。なぁに? 陽菜ちゃん』
『今からゲームやろう。ひかりちゃんがプレイヤーね。私、実況解説やるから』
『えぇー!? 私、ゲームは殆どやった事ないですけど!?』
『じゃあちょうど良いじゃん。はいはい。座って座って』
【プレイヤーはひかりちゃんか】
【なら結構攻略出来そうじゃない? 選択ミスらなそう】
『えーっと何々? このゲームは悲劇の少女コトネと、彼女を姉の様に慕うマリエルという少女を救うための物語である。だって』
『……コトネ、マリエル?』
『どうしたの。ひかりちゃん』
『あー。いえ。何か聞いたことがあるなぁ。と思って』
【アニメ化もしてたし。原作小説も結構有名になったし。それでじゃない?】
『確かに、そうですね』
『じゃ、まずはキャラクターを作るよ。名前と……えっと、好きな果物?』
【始まったな】
【さて、ひかりちゃんはどうなるか】
『えーっと、名前は古宮ひかり、と、果物はえーっとみかんですかね』
『好きな場所、好きな時間、好きな人、嫌いな人。っとここら辺はモザイク掛けとくねー』
『はい。はい。はい』
【なんで隠すの!?】
【当たり前だろ】
【ストーカーがいる世の中ですから】
『次がー。妹は居るか? だって』
【えらくピンポイントな質問が出てきたな】
【まぁ、ランダム生成だし。こういう質問もあるんじゃない?】
【脳内でも可かどうか気になるな】
【可な訳ねぇだろ】
『えっと、居ますと』
『んー。妹の名前だって。口に出しちゃ駄目だよ。ひかりちゃん』
『は、はひ』
【ひかりちゃんの妹かぁ】
【夢広がるな】
【広げるのは構わんが、会えないからな?】
【くっ!】
『お。ひかりちゃんの精霊が決まったってさ。これで質問って終わるのかな?』
【終わり】
【結構短かったな】
【俺、この設定で三十分くらい掛かったけど】
【優柔不断すぎだろ】
『えーっとひかりちゃんの契約精霊は……まず水!』
【水。まぁまぁ珍しい奴来たな】
【これは割と良いぞ。使いやすいし】
『それと光、闇、土』
【ん?】
【待て待て待て】
『風、火だってさ。良かったね。六つ? もあるよ』
【おかしいだろ!!】
【え? なに、これ? バグ?】
『なに? どうしたのみんな?』
【いや、本来精霊契約は多くても二つしかつかないハズなんだよ。ゲーム攻略してって、レベルとか上げたら、増えていく感じなんだけど、ひかりちゃんは既に六つも契約してるからおかしな状況になってるって訳】
【なんか質問の回答の仕方で、偶然開発者用のデータに入ったとかじゃないの?】
【どんな偶然だよ】
『開発者……? もしかして! 陽菜ちゃん。このゲームを作った人って分かりますか?』
『え? うん。分かるけど……これ』
【なんやなんや】
【ずっと様子がおかしかったけど、ひかりちゃん何か知ってるのか?】
【何かって、なんだよ】
【それが分かれば苦労はしません】
『やっぱり……! このゲーム。あかりが作ったゲームなんだ』
【あかり?】
【イズ誰】
【あかりって、あれじゃね? シナリオ、というか原作者のAKARI。本名は古宮あかりだっけ】
【ん?】
【古宮?】
【いや、まさか。そんなことある?】
【やぁやぁ。噂を聞いて来たよ! お姉ちゃん。ようやく私たちのゲームやってくれたんだね!?】
【お姉ちゃん!!?】
【古宮って、ひかりちゃんの妹があかりちゃんって事ぉ!?】
『本当に、これ、あかりが作ったゲームなんだ』
【そうだよ。お姉ちゃんってば忙しい。忙しいって言って全然ゲームやってくれないし。本も読んでくれないからさ。私、悲しかったよ】
『それは……ごめんね?』
【ううん。良いよ。そのゲーム。お姉ちゃんがやるときは超簡単に遊べるようになってるから、全部端から端までやって感想聞かせてね?】
『いや、これ、配信でやってるだけだから』
【必ずやって、感想聞かせてね? アニメも見てね? 本も読んでね? 新作も買ってね?】
『だから』
【やってね!!!?】
『……分かったよ』
【よろしくぅー】
『なかなか元気な妹さんだね』
『あ、ごめんなさい。陽菜ちゃん。プライベートな話、ここでしちゃって』
『良いよ良いよ。気にしないで。それに見てる人も、多分それどころじゃ無いから』
【今のアカウント、マジで古宮あかりじゃん!!】
【って事はマジで二人は姉妹なのか!】
【才能あり過ぎ姉妹】
【姉妹仲も結構良いのかもしれないぞ】
【あ。お姉ちゃんは私がお願いしたらお風呂で体洗ってくれるし、一緒に寝てくれるゾ。羨ましいか?】
【羨ましいです!!!】
【くっ、俺もひかりちゃんみたいなお姉ちゃんが欲しい人生だった】
【あかりさん! お姉さんを僕に下さい!】
【渡す訳ねぇだろ!! 死ね!!】
【ひぇ】
【こわ】
【これは、大分きてますねぇ】
【ガチ勢じゃったか】
『あかり! 酷い言葉使わないの!』
【ごめんなさい。お姉ちゃん。きゃるるん】
【うーん。この妹】
【大分ヤバイのが出てきたな】




