第10話『じゃ、今回のヒナちゃんねるはここまで。またねー!』
陽菜ちゃんはここまで起こった事など何も気にした様子もなく、ゲストに語り掛ける。
『そういえば。ゲームを作ろうと思った切っ掛けって何だったの?』
『アタシはあかりに誘われたから』
『あかりちゃんは?』
『私ですか? 私は、まぁ、夢を見たんですよ』
『夢?』
『そう。異世界の夢です。ちょうど陽菜さんが事故で入院された日ですかね。あの日、私もあの現場に居たんですが、何か不思議な力の感覚を受けまして。その日の夜から異世界の夢を見る様になったんです。そこでは私たち姉妹の様に仲の良い女の子たちが居て、幸せそうに暮らしていたんですけど、色々あって、お姉ちゃんが亡くなってしまうんですね。そして妹も後を追う様に亡くなってしまう。それが悲しくて、辛くて、お姉ちゃんに助けを求めたんです。そしたらお姉ちゃんが一緒に考えてくれたんです。どうすれば二人が幸せに生きられるか。あの時のお姉ちゃんは天使みたいで。いえ。天使そのものでした』
『なるほどねぇ。不思議な事もあるんだねぇ』
『それで二人で色々考えてたら、お姉ちゃんのお友達の美月さんっていう方が、二人でも答えが出ないなら世界中の人に聞いてみれば良いって言って、本を出す手伝いをしてくれたんです。それからゲームを作る手伝いもしてくれて。そして今に至るという感じですね』
『流石美月さん。フラっと現れてサッと解決してゆくなぁ』
『私が一番憧れているお姉さんです!』
『エ、ワタシハ』
『もー。お姉ちゃんは天使なんだから憧れとか良いのー。お姉ちゃんは可愛くて最強! それで全部だよ!』
『エェー』
【悲しいなぁ】
【しっかし、異世界の夢ねぇ。そんなモンあるんだなぁ】
【んな訳ねぇだろ。夢っていうのは寝ている時に頭の中の情報を整理してるだけなんだからさ。作家の見る夢は自分の頭の中にある物語を夢って形でまとめてるだけだよ】
【なるほどなぁ】
【だけと言いつつ結局才能があるって事では】
【それはそう】
【もしくは宣伝の為に、そういう風な夢を見たって言ってるのかもな。その方が子供にウケるだろ】
【嘘も方便って奴?】
【いや、それは微妙に意味が違うんじゃね?】
『う、嘘じゃない!! ……デス』
【ん?】
【ひかりちゃん?】
『あかりは、嘘、なんて、言う子じゃないので、本当に夢を視たんだと思います。異世界の、夢を』
【いや、だから、それは夢って形で見てるけど、別にどこかで本当に起こってる事じゃないんだって】
『そういう人も、居るんだと思います。でも、あかりは、本当なんです。私はそう、信じてます』
【まぁひかりちゃんが言うんなら】
【僕は初めから信じとったけどな!】
【ひかりちゃんの好感度を下げない様に必死な奴らが居るな。恥知らずどもめ……はい!! 俺も初めから信じてました!!】
【コイツ……】
【カスが多いな。まぁ、俺は最初から少しも疑ってなかったが?】
『別に私はさ。信じて貰えなくて良いよ。少なくとも愛理とか美月さんは信じてくれたし。陽菜さんも信じてくれてるし。何よりお姉ちゃんが信じてくれるからねー。んー! ぎゅー! ちゅっちゅ』
『もう! 離れなさい! あかり!』
【これは百合ですか?】
【百合というかラフレシアというか】
【てぇてぇだから問題ないぞ】
【大分曇ったフィルターがあるな】
【つまりひかりちゃんと結婚すると、あかりちゃんも付いてくるって訳か! 得やん!】
【二人に近づくなゴミ!】
【花は見て鑑賞するもんだ。摘んでんじゃねぇ!】
『気持ち悪いコメントしてんな! 死ね!! お姉ちゃんを見るな! 死ね!!』
【一番辛辣なのゲストさんで笑う】
【人のチャンネルでよう暴れるゲストやな】
【コメントで出てきた時と同じで笑う】
『あかり! 人にそんな酷い事言っちゃ駄目でしょ!』
『うぇーん。ごめんねぇお姉ちゃん。えーん。グスグス』
『あ、いや、泣かないで。お姉ちゃん言い過ぎたね』
【うーん。これは駄目姉】
【こうやって甘やかされていくんだなぁって】
『おい。今お姉ちゃんの事バカにした奴、全員見つけ出して生まれてきた事後悔させてやるから』
『あかり!』
『うえぇーん』
【お姉ちゃんアンチコメントは見逃さない妹の鑑】
【ひかりちゃんアンチ掲示板とか行ったら全員燃やされそう】
【確かに】
『ひかりちゃんアンチ掲示板? ってあれだよね? 前に調べた奴。ね。あかり』
『そうだね。あのくだらない所ね。所詮お姉ちゃんに何一つ勝てない無能な豚共が鳴いてただけの養豚場だったわ』
【もう行ってて笑った】
【まぁ名前見るだけで敵だって分かるし】
【陽菜ちゃんほどじゃないけどひかりちゃんも結構アンチ居るからなぁ。大半は嫉妬だろうが】
【何か活動している人の批判をする人間なんて殆どは何も為せない人間だぞ。何も出来ないから相手を下げようと必死なんだよ】
【まぁ活動出来る奴は活動するしな。あかりちゃんもせっせと姉妹愛と姉の素晴らしさを世界中に広めてる訳だし】
【それはまたベクトルが違う様な?】
【しかしそう考えると、やはり知名度とアンチの数は一緒に増えていくんだろうな】
【それはそう】
【知名度が高くなってもアンチが少ないのは大野と立花くらいなモンだ】
【佐々木……】
【佐々木は非モテを裏切ったので】
【紗理奈ちゃんみたいな可愛い子と結婚したから恨んでるって奴多いぞ】
【別に佐々木と結婚しなかったからって、非モテ君は選ばれないぞ。別のイケメンの所に行くだけだぞ】
【そしたらアンチも大移動するんじゃね?】
【イナゴか何かなの?】
【別に紗理奈ちゃんって芸能人でも何でもないし、佐々木が居なかったら誰も知らなかっただろ。お門違いなんだよな。行動できない奴の僻みって感じ】
【急所に一撃!】
【必殺技というのはな。必ず殺す技と書いて、必殺技なのだ】
【そう考えると立花って凄いよな。大野はなんていうか。本人が天然っぽい所もあるし、言うほどモテんし許されてる感あるけど、立花とかモテモテじゃん?】
【許されるとか、お前は何様なのかと】
【引きこもりのニート様だぞ】
【無敵の人でしたか】
【負けも知らないから無敗の人でもあるぞ】
【それは戦ってないだけでは?】
【それくらいにしておけ名探偵。それ以上は死体を増やすだけだぜ】
【くっそ格好いい風なダサいセリフ吐いてんの笑う】
『なんか話題に出てるけどさ。お兄ちゃんのアンチが少ないのって、比べる事も出来ないからじゃないの? ほら、愛理ちゃんとかあかりちゃんもアンチ少なそうじゃん?』
『それ言うんなら陽菜さんも結構超越してる感じだったと思うケド。それにアタシらも結構アンチ多いよ? 偶然ヒットしただけーとか。こんなの誰でも作れるーとか』
『お姉ちゃんだって、唯一無二です』
『そっかー。じゃあ違う理由なのかな』
【いや、まぁ正直ちゃんと理解されてないだけだと思うけどね。ゲスト二人は今回の配信で化け物具合が公開されたし、多分アンチも減ってくよ。残るのは感情だけで騒いでる奴くらいじゃね? まぁお三方は才能ブチ抜けてるし最終的には感情アンチしか残らん】
『おい。三人って誰省いた。言ってみろ。私以外だったら分かってんだろうな?』
【ひ、ひえ。四人でした。ごめんなさい】
『今日からアンタの家に、ネズミの死骸毎日投げ込むから。黒死病に感染した奴。苦しんで死ね』
【強火オタク過ぎる】
【もう細菌テロの予告してるやん】
【アホの発言により立ち入り禁止区域出来そう】
『あ、あかり! 駄目だよ! ごめんなさい! 全部冗談なので! 今日はあかりの事、夜の間監視してるので!』
『別に監視してても良いけどさ。私の方がお姉ちゃんより運動神経良いから、サッと逃げ出して燃やしに行くね』
『もう! あかり! 今日は寝てる間ずっと捕まえてるからね』
『うん。そうだね。ぎゅって抱きしめておいた方が良いよ……ぐへへ』
【うーん。この狂妹】
【もうそろそろ何かの犯罪で引っ張れるだろ】
『ま。姉妹仲も良くて安心という事で、そろそろ今日の配信は終わるかな』
【これで終わるのか】
【まぁ、いつもそんな感じだし。また機会があればゲストとして来るでしょ】
『最後に何かある?』
『お。じゃあ。新しく出るゲーム是非是非買ってねー』
『今回は追加のシナリオもある。本当は嫌だったけど、コトネちゃんと結ばれるエンディングも作った』
【は!!!!????】
【マジで!!!】
【予約!! 予約だ!!!】
【前作の無限周回勢も遂に救われるのか】
【虚無を探してた連中な】
【朗報過ぎる! てかもう呟きアプリで話題になり始めてるな】
『あー。それと、今回のゲームが売れてお金出来たら、新しいタイプのゲーム作るから。先生なんて言ってたっけ』
『フルダイブVRMMORPG。でしょ』
『あぁ、それそれ。てな訳で金クレー。よろしくー。技術的には確立してるからさ。後は金問題だけって感じ』
【え】
【フルダイブって、あの漫画とか小説とかで書かれてるアレ?】
【マジで実現したんか!?】
【リアルで遊べる!!? 時代はここまで来たのか!!】
【終わり間近にとんでもない情報をポンポン投げてくるな!】
【時代が、変わる!!】
【俺はんな未来の話より、コトネちゃんルートの発掘に全力出すぞ!】
【てかコトネちゃん攻略したら実質妹のマリエル様はどうなるんや?】
【原作者見ればわかるだろ】
【そうでしたね……】
【ハッピーエンドなら何でも良い!!】
『てな訳で、新作ゲーム。よろしくぅー』
『お姉ちゃんもよろしく』
『じゃ、今回のヒナちゃんねるはここまで。またねー!』




