第107想 部活動設立選抜レース、開幕――夢を掴むのは誰だ(2)
『続いて――。魔法鉄道同好会!第1走者、中野 直道!』
列車の走行音が響く。
快速特急《龍雲》が、ぴたりと停止する。
「勝利への道!ヨシ!」
直道が拳を握り、列車のコントロールを確認する。
『魔導レールによる移動が得意なチームです。特に直線は安定した走りが期待できますよ。』
『続いて――フィギュア愛好会! 第1走者、岡部リンスケ!』
ロケットブースターが火花を散らす。
「ロマン全振り!俺の演技を見ろ!」
リンスケが拳を突き上げる。
『ブースターを利用した、瞬発力、加速力が売りのチームです。』
『続いて――アイドルクラブ! 第1走者、有栖川アリス!』
装飾だらけのホウキで、笑顔を振りまく。
「魅せる走りと光の演出! 行くわよー!」
アリスが元気に手を振る。
「うおー!アリスちゃーん!」
物凄い歓声が会場を包む。
『魅せる走りと演出で男子生徒人気No.1のチームです。』
『続いて――ゲームクラブ!第1走者、上沢マサシ!』
魔導バイクに跨り、視線はすでにコース上。
「妨害とトラップはお手の物。行くぞ!」
マサシがハンドルを握り締める。
『トラップと卓越した操縦技術を持つチームです。』
『続いて――魔導料理研究会!第1走者、秋山丸美!』
魔導バギーカーが地面を軋ませる。
「沢山食べて元気全快だよ!」
丸美がグリップを握り、笑みを浮かべる。
『スピードよりも支援と回復が得意なチームです。』
『続いて――魔法陸上部!第1走者、風切ユウト!』
風を切りながら登場する。
「純粋なスピード勝負、見せてやるぜ!」
ユウトが拳を握り、走る姿勢を取る。
『高い身体能力を生かした機動力で今回有力候補の一つです。』
『続いて――召喚獣研究会!第1走者、ミリア!』
小型飛行召喚獣が羽ばたく。
「地形無視で攻めるよ!」
ミリアが微笑み、召喚獣の指示を飛ばす。
『召喚獣との連携、特に空中戦では他のチームの追従を許さない圧巻の強さです。』
『続いて――魔導工学クラブ!第1走者、東雲ハル!』
試作型ブーストシューズが唸る。
「成功と事故は紙一重、行くぞ!」
ハルが笑みを浮かべ、ブーストを最大出力にする。
『ガジェットを使い、ハマれば最強。の面白いチームです。』
『続いて――占星術研究会!第1走者、夜見ルナ!』
静かに星図をなぞる。
「未来予測による安定型……見せてあげる」
ルナが静かに微笑む。
『安定感抜群、戦略型のチームです。』
『続いて――魔法小説部!第1走者、黒瀬ユウト!』
「これは……俺が主人公になる物語だ!」
黒瀬が胸を張り、挑戦的に前を見る。
『小説の主人公のような謎の強さを見せる未知数のチームです。』
『続いて――魔法芸術部!第1走者、白藤ユイ!』
色彩幻影がコースを覆う。
「これで視覚を惑わせる……行くぞ!」
ユイが指をひらりと動かすと、幻想的な光の渦が広がる。
『幻影、攪乱魔法の使い手、芸術家チームです。どんな芸術を見せてくれるのか?楽しみですね。』
『続いて――魔法研究会!第1走者、ドロテア!』
怪しい薬瓶が揺れる。
「性能至上主義、妥協はしない!」
ドロテアが目を細め、薬の魔力を集中させる。
『ハイリスクハイリターンが大好きな危ないチームです。』
『第14チームは魔法山岳部!第1走者、峰岸タクミ!』
悪路対応装備が光る。
「環境無視で突っ走る、俺に任せろ!」
タクミが険しい表情で前方を見据える。
『サバイバル最強。どんな難しい地形でも安定した強さを誇るチームです。』
14のチームがスタートの合図を待ち、
観客も息を呑む。
「うわ……人、めっちゃ多いですね……」
小松翔太が落ち着かない様子で周囲を見回す。
「あれだけ部費三倍って言われりゃね」
相沢恒 一が苦笑しつつも、どこか緊張した面持ちでゴーグルを直す。
「注目されてるってことよ」
真条聖妓は腕を組み、正面のコースから視線を逸らさない。
「負けるわけにはいかない」
その声は硬いが、芯はぶれていなかった。
「ま、気負いすぎんな」
少し離れたところで、燈也が肩を回す。
「今日は“完璧”じゃなくていい」
「やることをやれば、結果はついてくる」
「……アンタが言うと説得力あるわね。」
聖妓はちらりと横目で見る。
「フッ…一緒に頑張ろうぜ。」
燈也は軽く笑った。
「当然よ」
聖妓は即答する。
「これは――私たちのレースなんだから」
次回予告 『第108想 幕が開く、勝利への疾走――部活動設立選抜レース、開演!!』
部活動設立を懸けたレースが開幕!
総勢15チームが火花を散らす激戦の中、
果たして主催者チームに勝利し、念願の部活設立を叶えられるのか――!?




