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Himeyuri ―魔法嫌いの元学園最強と、幼馴染の約束から始まる魔法学園譚ー  作者: 小鳥遊 千夜
第三章 演劇部再建編 

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第99想 魔法が使えなくても、正義は撃てる


 翌日。昼休みが終わりに近づいた校舎裏。


 人通りの少ないその場所で、怯えた声が響いていた。


「や、やめてください……!」


 壁際に追い詰められているのは、気弱そうな一年の男子生徒。

 その前に立つのは、制服を着崩した不良二人だった。


「は?俺らにぶつかって置いて、タダで済むと思ってんのか?」

「治療費寄こせよ。」


 肩を掴まれ、男子生徒の身体が揺れる。


 ――その時。


「……ちょっと」


 鋭く、よく通る声が割って入った。


 不良たちが振り返ると、そこに立っていたのは

 長い金髪ツインテールを揺らした少女――真条聖妓だった。


 腕を組み、真っ直ぐに睨みつける。


「二対一で脅迫?随分と卑怯なことしてるわね」


「あぁ?なんだ、この女」


「その子から手を離しなさい」

 聖妓は一歩前に出る。


「今すぐ。――正義の名のもとに」


 不良の一人が鼻で笑った。


「正義? ウケるんだけど」


「おい、コイツ知ってんぞ。確か魔法も使えないヤツだろ?」


「ギャハハ…マジかよ。魔法が使えないヤツに何が出来るってんだよ」


 その言葉に、聖妓の目が細くなる。


「……魔法が使えないからって舐めないでよね!」


 腰に下げていた短銃――

≪クロス・ライトニング≫を抜き放つ。


「なっ、銃――!?」


「安心しなさい。致命傷は与えない」


 次の瞬間。


 ――バチンッ!!


 乾いた音と同時に、青白い雷光が走る。

 放たれたのは魔法ではない、雷属性の魔力を内蔵した非殺傷弾。


 不良の足元を正確に撃ち抜き、地面に雷が弾けた。


「うわっ!?」

「ちっ……!」


 怯んだ一瞬を逃さず、聖妓は距離を詰める。


「正義っていうのはね」


 回転するように身を(ひるがえ)し、

 銃のグリップで顎を打ち上げる。


「弱い者を踏みつけることじゃない!」


 もう一人が殴りかかろうとした瞬間、

 聖妓は足元に小型の円盤を投げた。


 ――パァンッ!


 閃光と衝撃。

 スタングレネードのような効果で、不良は目を押さえて倒れ込む。


「ぐあっ……目が……!」


 聖妓は銃口を下げ、冷たく言い放った。


「次は先生でも呼ぶわよ。

「それとも……もう一回、“正義”を教えてあげようか?」


 不良たちは舌打ちしながら後ずさる。


「チッ……覚えてろよ」

「クソ女……!」


 逃げ去っていく背中を見送り、

 聖妓はようやく銃を下ろした。


「……大丈夫?」

 男子生徒に振り返る。


「は、はい……!」

「ありがとうございます……!」


「礼はいらないわ」

 聖妓はそっぽを向く。


「悪いことをする人間が許せないだけ」


 そう言って立ち去ろうとした、その時。


 物陰から、一部始終を見ていた燈也が静かに呟く。


「……相変わらずだな」


 魔法に頼らず、

 道具と覚悟で悪に立ち向かう少女。


 その背中には、

 確かに“正義”の名が相応しかった。







次回予告 『第100想 弱きを踏み潰す者は、正義を許さない』


真条聖妓の“正義”により退けられた不良たち。

しかし、屈辱は終わりではなかった。


傷ついたプライドは、

より凶悪な存在を呼び寄せる――。


「女一人にやられた?

 ……面白ぇじゃねぇか」


不良たちのボスが動き、

聖妓に迫る報復の影。


魔法なき正義は、

暴力の連鎖を止められるのか。




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