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修学旅行編・路地裏告白

戦いのあと

京都の裏路地。

八ツ橋と鍋が転がる静寂の中、

エビ美と先輩だけが肩で息をしている。


エビ美(たこ焼き着ぐるみの中)

「……はぁ……はぁ……

先輩……ごめんなさい……

私、先輩の作戦……台無しにして……」


先輩(髪が血と汗でぐしゃぐしゃ)

「……馬鹿。

台無しなんかじゃねぇよ。

助かったのは俺だ……」


エビ美、思わず先輩の服をぎゅっと握る。


エビ美「……怖かった……

ずっと……誰かに捌かれるんじゃないかって……

誰も……私を……人間として見てくれなくて……

でも……先輩だけが……」


先輩、ゆっくりとエビ美の頬を両手で包む。


先輩「……俺だけだ。

俺だけは……

お前のこと、

エビでも食材でもなくて――

女の子だって、

ちゃんと思ってるから……」


エビ美の殻から、

ポロポロと涙がこぼれる。


エビ美「……私……

もっと先輩と一緒にいたい……

殻のことも、匂いのことも……

全部……先輩になら……

ぜんぶ見せたい……」


月明かりのキス

先輩「……言わせんな、バカ……」


そっと顔を寄せる。


エビ美は目を閉じて、

震える唇を少しだけ突き出す。


二人の距離が……

月明かりに照らされて……

ぴったりと……


チュッ……♡


鍋も包丁も転がる路地裏で、

血まみれ八ツ橋だらけの中で、

それでも二人のキスだけは

まるで春の潮風のように優しく甘かった――。


エビ美(心の声)

(……先輩……

私、もう逃げない……

ずっと一緒にいる……

ずっと……

先輩の味方でいるから……)



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