第3話:ラブホでお造り!?」
エビ美と鰤崎先輩は、ファミレスでの短い平和を経て――
再び先輩の理性が尽きかけ、
「もう誰にも邪魔されない場所で二人きりになろう…」
と、先輩の甘い声に負けて連れてこられたのは――
某ラブホテル『海の幸スイート』
エビ美「……ここって……もしかしなくても……ラブホ……!?」
先輩「安心しろ、誰もいない……誰にも邪魔されない……お前と俺だけだ……」
(しかし腹は減っている)
エビ美((嬉しいけど怖い! 愛されたいのに調理されたくない!!))
部屋に入ったら異変
エビ美「えっ……え……ちょっと……先輩……」
鰤崎先輩「……どうした?」
エビ美「……お風呂場から……包丁の音がするんですけど……」
シャキッ シャキッ シャキッ……!
先輩「……まさか……!」
バスルームから登場
「お待ちしておりました、伊勢エビ様……♡」
タオルを頭に巻いた板前が、包丁を輝かせながら浴室からヌルッと出てきた。
板前A「わたくし、百食会・隠密板前の**鮪田 刺身郎**と申します……。
今日こそ、お造りにさせていただきます……! 今度こそ!」
エビ美「キャーーー!! なんでホテルの風呂に板前が潜んでるのーーー!? 」
先輩「クソッ! また百食会か……! ここは俺のエビ美だ! 誰にも食わせん!!」
ホテルベッドの上で格闘
刺身郎「おとなしく横になってください……三枚おろしにして差し上げます……♡」
エビ美「私、エビだから三枚おろしじゃないですよーーーッ!!」
先輩「エビ美、逃げろッ!!」
エビ美「えっ、先輩は!?」
先輩「お前を守るためなら……俺が先に一口だけ……!」
エビ美「先輩までーーーッ!!」
ラブホに響く悲鳴
ベッドの上でイチャイチャするはずが――
気づけばエビ美の両側には、包丁とフォークを構えた二人の男。
彼氏(未満)か板前か。
愛されるのか、調理されるのか。
ホテルの非常ベルが鳴り響く中、エビ美の青春は今日も逃げ場なし――!!