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第2話:逃げて恋して、捕まって!?

エビ美の今日の放課後の予定は、

「憧れの鰤崎先輩と念願の放課後デート」

――の、はずだった。


しかし現実は。


「エビ美……止まれ……! その尻尾、ちょっと味見させろ……!」

「イヤですーーーッ!!」


繁華街のど真ん中を、制服のまま全力疾走するエビ美と、その10メートル後ろを本気で追う鰤崎先輩(包丁はしまった)。


追いつめたのは、鰤崎先輩の理性と空腹の限界だった。


エビ美心の声

(せっかくの初デートなのに!

 どうしてこうなるの!?

 先輩とプリクラ撮って、クレープ半分こして、

 ラブホ……じゃなくてファミレスでお喋りする予定だったのに――!)


クレープ屋前にて

息を切らして振り返ると、鰤崎先輩はガラガラの息でエビ美を見つめていた。


「……ハァ……エビ美……お前が好きだ……愛してる……」

「先輩……(きゅん……)」


――一瞬、恋する乙女の顔。


しかし先輩の腹が、

ぐぅぅぅぅぅぅ…


鳴った。


「ついでに食べたい……」

「台無しィーーー!!」


ファミレス避難

なんとか先輩を連れて、近くのファミレスに駆け込むエビ美。


「ほらっ! 先輩! 私じゃなくて、メニュー食べてください! ほら!!」

「……お前が奢ってくれるのか……優しいな……」

「身代わりにケーキ10個でも食べてください! ほら、フォーク!!」


鰤崎先輩、泣きそうな顔でショートケーキを頬張る。


「……うまい……でも……エビ美の方が……(モグモグ)」

「もうやだこの人ーーー!!!」


つかの間の平和

先輩の胃袋が満たされると、途端にイケメンに戻る。


「ごめんな……俺、本当にお前が好きなんだ……だから……お前を……誰にも食わせない……!」

「(……ん? なんか今、恋愛としては正解のセリフだけど、私の場合だと意味怖ッ!?)」


まとめ

ぷりぷりの伊勢海老JKと、

空腹と性欲で理性ギリギリのイケメン寿司屋跡取りの、

世界一危険な逃亡デートは、

今日も日本のどこかで続いている――。



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