第4話 奇妙な現象
はじめまして!
小説投稿始めました。みゅーずと申します。
異世界冒険ファンタジー×音楽の新ジャンルを開拓したいです。
私と同じく音楽好き、冒険ファンタジー好きな皆様、ぜひ序章だけでも読んでみてください!
エリアスとリリスは、湖のほとりに立っていた。
長老の話を思い出しながら、湖の周囲を慎重に調査していた。
この湖は、サファイア湖と呼ばれている。湖面は澄んだ青色をしており、晴れた日には湖サファイアのように輝く。風が吹くとさざ波が立ち、その音が穏やかに響く。村から歩いて15分ほどの位置にあり、湖の周囲は緑豊かな森林が広がっている。
今日も青く澄み渡り静寂に包まれているように見えたが、どこか不穏な雰囲気が漂っていた。
護衛の兵士たちも警戒を強めていた。
「長老が言っていた奇妙な現象…本当にここで起こるのかしら。」
リリスは不安げに湖面を見つめた。
「気をつけて、リリス。何が起こるかわからない。」
一行は湖の周辺を歩き回り手がかりを探したが、なかなか有力な情報を見つけられなかった。
「エリアス、ここには何もないかもしれないわ…」
リリスはため息をついた。
「いや、諦めるにはまだ早い。あっちも探してみよう。」
「エリアス、この水、本当にきれいね。少しだけすくってみてもいい?」
リリスが湖面に手を伸ばしたその瞬間、湖の中央で水面が突然揺れ動き、不気味な波紋が広がった。
「エリアス様、リリス様、あれを見てください!」
護衛隊長のカイルが叫んだ。
湖の水が渦を巻き、黒い影が次第に形を成していく。それはまるで生き物のように動き出し、エリアスたちに向かって迫ってきた。
「これが長老の言っていた奇妙な現象か…!」
黒い影は音もなく近づき、その姿が明らかになった。巨大な怪物のような形をしており、赤い目が不気味に輝いていた。その口からは不協和音が響き渡り、周囲の空気が不気味に震えた。
怪物は咆哮を上げると、影のエネルギーを集め始めた。そのエネルギーは黒い光として怪物の前に集まり、次の瞬間、エリアスたちに向かって影の球体が放たれた。
「危ない!」
とっさに目の前に現れた光のバリアが、怪物の攻撃を防いだ。リリスの防御魔法陣だ。
影の球体は光に当たり、爆発音とともに闇の炎が空中に広がった。
エリアスは冷静にバイオリンを構えると、素早く弓を滑らせた。美しい旋律が湖全体に響き渡り、黒い影に向かって放たれた。その音色は力強く、黒い影を包み込み、力を弱めた。
そして、リリスは強化魔法でエリアスの演奏の力を強め、二人の力が一つになって闇と対峙した。
「エリアス、もう少しだわ!」
リリスが叫んだ。
その瞬間、怪物が再び影のエネルギーを集め始めた。今度はさらに大きな影の球体が形成され、エリアスたちに向けて放たれた。
「護衛団、二人を守るんだ!」
リーダーが声を上げた。
護衛の兵士たちは盾を構え、防御陣形を張って黒い影に立ち向かった。空中に大きな魔方陣が現れ、怪物の攻撃を退けた。
「これでどうだ!」
エリアスは力強くバイオリンの弓を滑らせた。
その瞬間、光の音符が影を切り裂き、強力な光が黒い影をのみ込んで消し去った。
湖は再び静寂を取り戻した。
「…一体何だったんだ、あの怪物は…」
カイルは剣を納めながら疑問を口にした。
「闇の勢力の影響じゃないかしら。」
リリスは疲れた表情で答えた。
「その可能性が高いな。今のような怪物が各地にも生まれているとしたら、なるべく早く対処しなければ。」
エリアスは真剣な表情で答えた。
怪物を退けた後も、一行は湖の調査を続けた。しかし、手がかりを見つけるのは容易ではなかった。
「こんなに広い湖で手掛かりを見つけるのは本当に難しいわね…」
リリスは焦燥感を隠せなかった。
「焦らずに、もう少し探してみよう。何か見落としているかもしれない。」
「そうね、エリアス。あっちの方はまだ調べていなかったわ。見に行ってみましょう。」
一行は、リリスが指差した方向に向かって歩き出した。
「見て、エリアス。あそこに何かあるわ。」
リリスが指差した先には、古びた小さな石碑がたたずんでいた。