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楽音伝説  作者: みゅーず
第一章
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第3話 エルウッド村

はじめまして!


小説投稿始めました。みゅーずと申します。

異世界冒険ファンタジー×音楽の新ジャンルを開拓したいです。


私と同じく音楽好き、冒険ファンタジー好きな皆様、ぜひ序章だけでも読んでみてください!

城の地下図書庫で調べた古文書には、旅の手がかりとなる楽音の守護者の一人であるセレナーデ・ヴァイオリンの出生地についての記述があった。


「セレナーデ・ヴァイオリンの生まれた場所は、湖のほとりにある小さな村だって。」


「これは、おそらくエルウッド村のことだと思うよ」


二人は王子からの支援を受け、護衛の兵士たちと共に旅を始めた。


メロディアシティを出発すると、街の喧騒から解放され、広大な草原と遠くの山々が広がっていた。青い空と黄金色の草原が一面に広がる景色は、エリアスとリリスの心を穏やかにしてくれた。


「見て、リリス。この景色。」


「本当に美しいわ。」


リリスも同意した。


しかし、進んでいくと、ところどころ闇の勢力が残した爪痕が散見された。焼け焦げた木々や、破壊された建物の跡が見受けられる。


「ここも闇の勢力の襲撃を受けたんだね…」


エリアスは眉をひそめながらつぶやき、闇の勢力に立ち向かう決意を再確認した。


二人は草原を進みながら、音楽と魔法の話を交わしていた。


「最近、また新しい旋律を思いついたんだ。聴いてくれる?」


エリアスはヴァイオリンを取り出し、優雅な旋律を奏で始めた。彼の指が弦を軽やかに動き、音楽が風に乗って広がった。


「すごいわ、エリアス。この旋律は心を癒す力があるみたい。」


リリスは感嘆の声を上げた。そして、魔法の杖を取り出し、旋律に合わせて補助魔法を使い、美しい光の演出を加えた。光の粒子が舞い上がり、二人の周囲を輝かせた。


「音楽と魔法が一緒になると、こんなに素晴らしいものになるんだね。」


エリアスは満足そうに微笑んだ。


旅の道中は、二人の絆を深める貴重な時間でもあった。


一行が進むうちに、やがて山の麓が見えてきた。村はその山脈の中枢にあるという。


山道は険しく、足元に注意を払いながら慎重に進む必要があった。風が強く吹き、木々がざわめく音が不気味に響いた。


「この山を越えれば、村が見えてくるはずだ。」


エリアスは地図を確認しながら言った。


「何があるか分からないわ。気をつけて進みましょう。」


リリスは真剣な表情で応えた。


山道は細く、時折足場が崩れる場所もあった。風が強く吹き、霧がかかって視界が悪くなることもあった。兵士たちは、隊列を組んで周囲を警戒しながら注意深く進んだ。


ようやく湖のほとりにある小さな村が見えてきた。


村は緑豊かで、静かな雰囲気に包まれていた。入り口には古びた木製の門が立っており、花で装飾されたリースがかけられていた。


門の前には、見張りの門番が立っていた。エリアスはその門番に歩み寄り、胸のブローチを見せながら尋ねた。


「すみません、私はエリアスと申します。この村の長老の家を訪ねたいのですが、どちらにありますか?」


「ようこそエリアス様。長老の家は村の外れにございます。まっすぐこの道を進んで広場を越えたところの、大きな樹の下にある石造りの家です。」


「ありがとうございます。」


エリアスはお礼を言い、門をくぐった。


門をくぐると、石畳の道が村の中心へと続いていた。

両側には可愛らしい家々が立ち並び、その庭には色とりどりの花が咲き誇っていた。


「なんて美しい村なの…まるで絵本の中みたい。」


リリスは感嘆の声を上げた。


「確かに、こんなに穏やかで美しい場所があるなんてね。」


村の中央には大きな広場があり、子供たちが遊び回り、笑い声が響いていた。その一角には古びた噴水があり、周りにはベンチが置かれ、村人たちが談笑しながらくつろいでいた。


エリアスとリリスは、広場を通り過ぎ、村の外れにある古びた石造りの家の前までやってきた。そばには大きな樹が立ち、その下には古い木製のベンチがあった。


家の扉をノックすると、白髪の老人がゆっくりと出てきた。


彼は深い智慧を湛えた瞳で二人を見つめ、穏やかな微笑みを浮かべた。


「エリアス様、リリス様、ようこそ我らがエルウッド村へ。」


長老は静かに挨拶した。


「長老様、私たちはセレナーデ・ヴァイオリンの封印の地を探しにやってまいりました。伝説の旋律を封印したという場所について、何か手掛かりがあれば教えていただきたいのです。」


エリアスが尋ねた。


「封印の場所については私らも存じ上げません。ただ、セレナーデはたしかにこの村で生まれ育ちました。彼女の感性は、ここで磨かれたものです。彼女はよく湖に遊びに行っていましたので、もしかしたらそちらに手がかりがあるかもしれません。しかし…」


「しかし?」


「はい。闇の勢力が襲ってきてから、湖では奇妙なことが起こるようになってしまいました。」


長老は静かに語った。


「奇妙なこと?」


「そうです。湖の水が不気味に揺れ、幻影が現れることがあります。村人たちも恐れて近づかなくなりました。しかし、あなたたちならばどうにかして手掛かりを見つけることができるかもしれません。」


長老は信頼の眼差しを向けて言った。


「ありがとうございます、長老様。すぐに湖に向かい、調査してみます。」


「おお、よろしくお願い致します。エリアス様。」


長老は優しく微笑み、一行を見送った。

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