01 プロローグ
初投稿です、少しでも楽しんでいただけると幸いです。
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ふと目を覚ますと上下左右360°が真っ白な空間に立っていた。
暑さも寒さも何も感じない不思議な空間、いったいどこにいるのだろうかとあたりを見渡していたところ、何もない空間にひどく陽気な声が聞こえてきた。
「あ~ テステス マイクテストOK 聞こえているかな~?聞こえていたら返事して~」
俺は返事をしようとしたがなぜか声が出なかった、仕方なく右手を挙げて軽く振ってみた。
「おっ? 聞こえているみたいだね 感心感心 君は今どこにいるんだろう、この声は誰なんだろうって思っているよね? まあ率直に言っちゃうと君 死んじゃったんだよね」
こいつ今なんて言った? すごく軽いノリで死んだとか言ったよな? 俺が嘘だろうと思い、狼狽えていると声の主がまた話し出した。
「そう死んじゃったの 死んじゃったから暑さも寒さも感じないし、声も出なくなっちゃったみたいだね。 ここは所謂あの世とこの世の境目といったところで、今話している声。 すなわち私は君たちが言う神様みたいなものだね」
声の主は自らを神だと名乗った。
俺は先ほどまで自分がしていたことを思い出そうとした。確か某歴史シミュレーションゲームを寝るまでやっていて、明日は仕事だから早く寝ようと布団に入ったはず。
別に病気を患って寝たきりだったわけでもない、至って健康だったはずだ。
「やっぱ混乱するよね~分かるよ~人間誰だってそうなるはずさ、まあ君は本来今死ぬべき人間ではなかったんだけども、こちらの手違いで死んでしまったっていう形なんだよね ごめんね」
おいおい冗談じゃない、こちとらまだ結婚だってしてないし現世に未練たらたらなんだ、何とか元の世界に戻してくれないかと思っていると自称神がまた話し出した。
「こちらの不手際で申し訳ないんだけど、一度現世から離れてしまった魂は再び同じ体には入ることはできなくてね。 でも輪廻転生の輪に戻すことはできる。 本来はランダムなんだけど年代と場所くらいは選ばせてあげるよ、まあ私への信仰が届いていればの話だけど。 どうする転生する?しない? しなかったらこのまま君の意識は消えてしまうけど」
神というのは本当にわがままだ。実質選択肢なんて1つしかないものだろうに…この世に未練があるなら転生するしかないだろうに。
どうせ転生するんだったら戦国時代がいい、某歴史シミュレーションゲームを何作品もプレイしているぐらい俺は戦国時代が好きだ。
武将では特に信長が好きだった。伝記を幼いころに見てから虜になった。出身地が近い郷土の英雄。調べれば調べるほど魅力的な人間だった。
俺がそう思っていると神が話し始めた。
「OK! 戦国時代ね!その辺から信仰が届いてるから飛ばしてみるよ いっくよ~」
ちょっと待て早すぎると思ったが真っ白な景色がさらに光始めていた、どうやらもう転生が始まっているようだった。
「最後になっちゃったけど私は 日の神 これから先もう会うことはないだろうけど、君に一つ加護を授けよう 第二の人生楽しんでいってらっしゃい」
最後まで陽気な神様だった 加護とは何のことだろう、そう考えていると俺の意識は失われた…