白銀の少女
私の名前はシリウス=リオネール、ラインロット騎士学校に通っている。
小さい頃に家を魔物に襲われ両親を亡くし、私は生きる為に家の倉庫にあった剣を手に取り、その魔物を殺した、6歳の時の話だ。
その後も私は剣を振るい続けた、生きる為に、ただただ生きる為に、そうやって私はここまで一人で生きてきた。
小さい頃から剣を振るってきたお陰か、私は学校の中では群を抜いた実力を持っていた、周りの生徒は憧れの眼差しを向ける人もいたが、嫉妬の眼差しを向ける人の方が多かった。
大人達は憧れや嫉妬ではなく、私に期待の眼差しを向けた、シリウスは天才だ、必ず王国騎士団のエースになる、そんな事を毎日の様に言われた。
私はそれが本当に嫌で嫌でしょうがなかった。
天才?一人で生きる為には強くなるしか無かった。
王国騎士団のエース?そんなの死ぬ程興味無い。
過酷な日々を送ってきたせいか、私は生きてる意味が感じられなかった、夢や野望は無い、朧げで曖昧な将来の展望すら無かった、要はやりたい事が何も無いのだ、小さい欲求はあるが、衝動的な欲求は無い、私はそんな人間だ。
卒業が近づいてきた頃、大人達が勝手に進めていた、私の王国騎士団入りを断った。
大人達は綺麗事を並べて説得してきた、君なら必ず高い地位に付ける、君の将来は約束されている、そんな事を額に汗をかきながら何度も繰り返し話してきた。
それでも私は拒否した、すると大人達は、ふざけるなだの、甘い事を言うなだの、と口を揃えて怒鳴ってきた、私はそのまま大人達を無視し続けて、卒業の日を迎えた。
学校を去る私の前に、一人の少女が姿を見せた。
カノン=フェネーゼ、私と似た様な境遇を持ち、唯一、友人と呼べる存在だ。
カノンはこの先どうするのと聞いてきた、表情を見るに本気で心配をしているのだろう。
私は、世界中を旅すると答えた、するとカノンは現実的な質問をした、お金はどうするの?とか一人で生きていけるの?とか。
私はカノンに見栄を張った、そんな物どうとでもなる、と。
これ以上話してもカノンは私を引き止めようすると思う、だから私はそれ以上は話さず、カノンに背を向け歩き出した。
カノンは最後に世界を旅する目的はあるのと聞いてきた、寂しそうな顔をしていたから私は最後にこう答えた。
「目的は何も無いよ、まずは世界樹に行ってみるつもり、拠点を作ったら住所を教えるよ、それと一生の別れじゃ無いから、また会えるよ」
私はカノンに微笑んだ。
カノンはそれを聞くと、いつでも帰ってきて良いからねと、笑顔で手を振って見送ってくれた。
しばらく歩いて振り返ると、カノンの姿が見えなくなる程離れていた、カノンと別れるのは寂しいけど、私は自由に生きて、自由に死ぬ、そう心に決めて放浪の旅に出た。
白銀の少女と呼ばれた天才魔剣士は、この日から流浪の白騎士と呼ばれる様になった。