賑やかな
誤字脱字と伝わりにくい個所が予想の5倍くらいあったのでまた頃合いを見て修正します。
終わりそうな感じ出てるけど普通に続きます。
「おはようさん。準備出来てるか?」
「おはようレオ。すぐに行くよ」
模擬魔法戦の翌日、いつものようにレオと合流し学校へ向かう。
アパートの階段を下り、大家の萌生さんからお弁当を受け取り通学路に着く。
昨日の激戦が嘘のような穏やかな朝だ。
憧れだった魔法を使ったバトルが体験できて非常に満足だったが、こんな何気ない日常もそれはそれでよし。
今日の授業の話や新作のゲームの話など取り留めのない会話をしていると、レオが思い出したかのように言った。
「そういや来月には林間学校があるらしいぜ。噂ではリゾート地で2泊3日のグランピングをするらしい」
「林間学校でリゾート地に行くの?」
「まだ噂だけどな」
碧水蒔高校はスケールが大きさだと十分にあり得るな。
それにしても学生の林間学校に金を掛けすぎではないだろうか。
林間学校なんて自然と触れ合ったりだとか、体を動かしたりするのが目的だろうに。
前の世界ではボロボロの施設に1泊2日でカレー作りがせいぜいだ。
いや、碧水蒔高校がおかしいだけでこの世界のほかの高校もそんな感じなのかもしれないな。
そんなどうでもいいことを考えながら登校していると、交差点を抜けてすぐに僕らの横に金ピカの高級車が止まった。
この意味の分からない高級志向はもしや。
「はっはっは!息災か?我がライバルたちよ!」
案の定、蒼天院君だった。
昨日の模擬魔法戦の後、何故か僕とレオは蒼天院君のライバルになっていた。
本人曰く、私を倒す実力を持ったものは須らくライバルという事らしい。
僕たちの実力を認められたという事は嬉しいが、今後このテンションに付きまとわれるのはちょっと勘弁してほしい。
従者のリンさんとともに車から降りてきた。
今日も改造されて十字架や鎖が無駄についている中二病全開の改造制服を身に纏っている。
「・・・おはよう、蒼天院君。凄い車だね」
「ライバルになったのだ、気軽に新と呼べ五十嵐 秀介よ!この車は純金で出来た最新最高級モデルだ。ワイパー一本で庶民の年収など軽く超えるぞ」
事故ったときの損失が恐ろしくてまともな人は乗れないよそんな車。
金銭感覚がバグっているとかそういう次元ではない。
隣にいたレオを見ると明らかに関わりたくないオーラが出が全開だ。
どうやら新君のことは苦手らしい。
「ん?どうした金剛 怜雄よ!朝から元気が無いのではないか?」
うわ見つかった、と言わんばかりの嫌そうな苦い表情をするレオ。
「どうやら、新様の御威光が眩しすぎて立ち眩みを起こしてしまったのでしょう」
リンさんが謎の理論でうんうんと一人で頷き納得していた。
この人は新君のことになると思考がおかしくなるな。
「なんと!私の威光がそこまで厖大になっていたとは・・・」
「間違いありません。私も日々大きくなる新様の御威光に目を奪われる毎日です」
断言しちゃったよ。
この人の視界どうなってるんだろう。
ブッブー!!
突然のクラクションの音にみんな振り返る。
黒塗りの高級車が新君の金ピカ高級車の後ろに止まっていた。
道幅が広い道路とはいえ、少し邪魔になってしまったらしい。
というか、この車は悠君のだよな?
そう思った矢先、黒服とともに悠君が降りてきた。
「おはよう。みんな集まって何をしてるの?」
「おお、我がライバル白雲 悠よ!偶然ではないか!なに、我の威光が抑えきれなくなってしまってな」
「? よくわからないけど大変だね」
昨日は激戦だったのに、悠君はいつも通りマイペースだ。
正直新君の勢いについていけるのは悠君くらいなものなのでこの場を引き受けてくれることは非常に助かる。
「白雲 悠よ。これで49勝49敗1分だな。昨日は負けてしまったが、お前の足がしっかりと動いているところを見て嬉しかったぞ。全力で戦うことはもう叶わぬと思っていたからな」
「・・・うん、僕も新君と全力で戦えて嬉しかったよ」
新君と悠君が物思いにふけっている。
この二人には、きっと僕たちよりも深いところで何かがあるんだろう。
過去に何があったのか分からないし、こちらから詮索することでもないだろう。
いつか話してくれるといいな。
そんな傍らで黒服とリンさんが睨み合っていた。
「趣味の悪い車が邪魔な位置に止まっていると思えば、案の定、蒼天院でしたか・・・。自尊心が強すぎて公共の道路と私有地の区別もつかなくなりましたか?」
「おやおや?何やら時代遅れの古臭い車だと思えば白雲の方たちではありませんか。この国の法律では交差点から5メートル以上離れた位置であれば駐車しても問題ないはずですが、ご存じ無いのですか?」
「マナーの問題だと言っているんですよ。このような交通量の多い時間帯に駐車することは通勤通学途中の方々に迷惑でしょう。それをやれ法律がどうとか、見当違いも甚だしい」
何やら従者たちがバチバチやっている。
御曹司たちは仲良く雑談をしているが、従者たちはそうではないらしい。
実は仲が良いのは新君と悠君だけで関係者はそうでもないのだろうか。
「せっかくだ、私も歩いて登校するとしよう。というわけだ、車は引き上げてくれ」
「僕も歩いて行くから。あ、護衛は大丈夫だよ」
その言葉に従者たちが恭しく頭を下げる。
ちなみに悠君は護衛を断っているが、必ず遥か後方に付き従っていることには気づいていない。
案の定、一度解散したかに見えた従者たちが後方から付いてきている。
財閥の御曹司だから仕方ないのだろうが、とてつもない過保護だ。
「さて皆の者、私に続け!」
なぜか新君が先頭に立ち仕切り始めた。
その後を皆でぞろぞろと続いていく。
「お、おはよう秀介。俺も一緒に行っていいか?ふふふ、友達と通学・・・!」
「いがちゃんおはよー!なにこの列~?あーしも混ぜてー。そうそう、昨日は大活躍だったねー♪」
途中でイケメン陰キャな影下君とギャル陽キャな埜上さんも加わった。
「昨日は猿堂様の援護があり勝利を掴めたのだよ!」
「蒼天院に一撃でやられた雑魚が何言ってんだよ!」
「そうだ!この犬塚が出ていれば氷なんざ溶かしてやったのによ!」
道の向かい側では猿堂、雉瀬、犬塚の3バカが相も変わらず罵り合いをしている。
(始めはファンタジーな冒険が無いことにガッカリしていたけど、こういうバカ騒ぎも悪くないな)
想像していた異世界と違ったけど、魔法があったから良しとするか。
そう思いながら、今日も賑やかな仲間たちと楽しく過ごしていく。
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