お昼休み
「蒼天院 新君。 蒼天院財閥の御曹司で子供の頃から何かにつけて勝負を仕掛けてくるんだ」
昼休みにレオと悠君の3人でお弁当を食べつつ、さっきの乱入者についての話を聞いた。
「やっぱり財閥同士だとそういう因縁とかあるの?」
「別に財閥同士だからって何かあるわけじゃないよ。なんでライバル視してくるのかは僕も良くわからないんだ」
漆塗りの弁当箱を持ちながら最高級のステーキを食べる白雲財閥の御曹司は困り顔をしていた。
「なら別に仲が悪いわけじゃないんだね」
「・・・うん、そうだね」
何かを考えるように目を瞑る。
悠君はたまに感情を隠すような仕草をするときがある。
何故かはわからないが、思うところがあるのだろうか。
レオがお弁当を搔っ込み一息ついて喋りだした。
「まあいいじゃねえか。向こうがやる気ならこっちも本気で潰せるんだ。消極的なやつなんかよりよっぽど楽しみだぜ、俺は」
「だね。僕もやる気がない相手よりよっぽど楽しみだよ」
「・・・うん、そうだね。試験では負けちゃったから僕も頑張らないと!」
そう言いながら金箔がのった水ようかんを食べる悠君は、少し元気になった気がした。
・・・次はちょっとお弁当交換してもらおうかなー。
三人ともお弁当を食べ終え、話は自然と模擬魔法戦の話になる。
「僕とレオと悠君は確定として、残りの2枠は誰になるんだろうね?」
「順当に行けば猿堂だったが、この前の練習試合ではいいとこなしだったからな。むしろ雉瀬の方が可能性がありそうだったな」
「それは僕も同意だね。猿堂と犬塚の戦いは・・・戦いって言っていいのかも怪しかったからね」
散々待たされた挙句、お互い隙を晒しまくって相打ちだったからなあ・・・。
ちゃんと戦ってた分、雉瀬をどうしても評価してしまう。
そういえば、と言った感じで悠君が話始めた。
「影下君は出場する気はあるのかな?せっかくBランクなんだし、出てほしいけど」
「うーんどうなんだろうね。一度も話したことないからわからないや」
というか彼が誰かと話しているところを見たことがない。
知っていることと言えばいつも腕を組んで寝ているということと、イケメンだということくらいだ。
その寡黙さとイケメン具合がマッチして密かにファンがいるらしい。
「試験の時に少し見たが魔法は普通だったな。だが体内の魔素保有量が学年一位だったんだろ?魔法に対する防御と身体強化はできるやつは戦力としてほしいところだ」
「でもいつも寝てるし、あまりやる気がないんじゃないかな?」
3人で考え込んでいると、ふと視線を感じた。
視線の感じた先を見ると、当の影下君が腕を組んで寝ていた。
あれ、気のせいか?
今こっちを見ていた気が。
「こればっかりは本人次第だし、強制させるもんでもないからしょうがねえな。猿堂と雉瀬に頑張ってもらおうぜ」
「そうだね。ちょっと残念だけど・・・ん?」
「どうしたシュウ?」
「いや、視線が」
二人は気づいていないみたいだけど、影下君やっぱりこっちを見ている。
というか、睨んでる気がする。
な、なんだろう。
勝手に俺の話をしてんじゃねえ的な感じなのかな?
その時、影下君がこちらを見ながら唐突に席を立った。
怖いんだけど!
やっぱり話をされていたのが不快だったのかな?
キーンコーンカーンコーン。
昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴る。
「まあメンバーが決まるまでは個人で練習するしかねえな。できれば早めにチーム練習したいけどな」
「チーム練習するときは教えてね。予定は合わせるから」
そう言いながらレオと悠君が席に戻った。
恐る恐る影下君を見ると、腕を組んで寝ていた。
何だったんだ・・・
何も言ってこないのはそれはそれで怖いんだけども。
結局、放課後になっても影下君から話かけられることはなかった。
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