表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/85

魔法練習5

模擬魔法戦の練習試合。

次は1回戦の第2試合、猿堂(えんどう)犬塚(いぬづか)の勝負だ。


犬塚(いぬづか)が火魔法を使うため、ステージを河原近くの砂利(じゃり)の多い場所に移した。


巻き込まれると危ないので埜上(のがみ)さんと雉瀬(きじせ)と一緒に離れて見学することにした。


猿堂(えんどう)犬塚(いぬづか)が前に出る。


「Cランクの犬塚(いぬづか)なんて相手にならんだろ。棄権するなら今だぞ?」

「運が良くてBランクに滑り込んだお前と、当時寝不足だった俺に差があると思ってるなんて滑稽(こっけい)だな」


そういえば犬塚(いぬづか)は深夜アニメの見過ぎで試験当日は寝不足って言ってたな。

なら試験の時よりはいい動きをしてくれるんだろう。


しかし猿堂(えんどう)犬塚(いぬづか)か。

一応試験の時に少ししか見てないから、実力がわからないな。


「なあ雉瀬(きじせ)。お前ら付き合い長いんだろ。二人ってどんな感じなんだ?」

「簡単に言うと猿堂えんどうは風魔法の使い手で平均的な能力を持ってるな。犬塚(いぬづか)は火魔法の使い手で高い魔法威力が特徴だな。威力だけならクラスで3番目だな」

「オールラウンダーとパワータイプの戦いって感じか」


ただランクに差がある以上は猿堂(えんどう)が有利ってところかな。



レオが審判として前に出る。

「先に言っておくが猿堂(えんどう)は体内の魔素が切れそうになったらすぐ棄権しろよ。火魔法相手に魔素が切れたら丸焦げだからな」



体内の魔素には魔法に対する抵抗力を上げる効果がある。

これにより僕たちは魔法を安全に発現させたり防いだりすることができる。

って学校の授業で言ってたっけ。



「あんな手持ち花火程度の火力どうってことないぜ。それよりも犬塚(いぬづか)が俺の風魔法で転んでひざを擦りむいて泣かないかを心配してやってくれ」

「お前の扇風機みてえな風力で転ぶわけねえだろ猿が!」

「「あぁ!?」」


しょうもない煽り合いだが、これはこれでお互い気合十分ってことだろう。



他人の試合を見るのは初めてだからちょっとワクワクするな。

転移前の世界に魔法がなかったから当たり前だけど、魔法を使ったバトルはアニメや漫画でしか見たことない。

それが生で見られるとなると期待せざるを得ない。


あきれながらもレオが試合の合図をするために二人の間に入る。


「それじゃあ、用意は良いな?3、2、1、・・・始め!」


「うおらああああああ!」

「いくぜええええええ!」


開始の合図とともにお互いに雄叫びを上げた。


そしてお互いに距離を取った。


「・・・ん?これはどういう意図だ?」


お互いにらみ合ったまま一定の距離を取りつつジリジリと間合いを測っている。


「どうした猿堂(えんどう)!ビビってんのかー?」

「お前こそ、とっとと攻撃してきたらどうだー?」


そう言いながらもお互い相手の様子を伺っている。


そうこうしているうちに、魔法を1発も撃たないまま1分が経過した。


「んー?ねえねえ、何であの二人は魔法撃たないの?」

埜上(のがみ)さんが首をかしげていた。


「・・・俺は付き合いが長いからわかるが、多分こういうことだろう」

雉瀬(きじせ)が話し始める。


猿堂(えんどう)犬塚(いぬづか)の魔法を手持ち花火なんて言っていたが、実際は一撃でやれる威力は持っている。だから安易に魔法を撃てない。逆に犬塚(いぬづか)としては魔法の発生スピードが遅いから一発目を外したらカウンターで負ける可能性がある」

「つまり初っ端から均衡状態ができたってことか・・・?」


お互いが最善を尽くしている結果だからしょうがないとはいえ、なんて見ごたえがないんだ。


「あ、あれはなんだ!?」

猿堂(えんどう)が明後日の方向を指さす。

「ふん!その手には乗るか!?」

犬塚(いぬづか)は微動だにせず視線を動かさない。


均衡状態が続きとうとうトラッシュトークに出てきた。

なんか見苦しくなってきたな。



魔法を一度も撃たないまま3分たった。


「お前の見ている深夜アニメの最後の展開はーーー!」

「・・・っ!騙されるか、お前が『まほぱい』を見てるわけがない!」


俺は何を見せられているんだ。

いたずらに時間だけが経過し、もはやどっちが先に集中力を切らすかの戦いになっている。


さすがにもう飽きてきたぞ。

座り込んでいた審判のレオに話しかける。


「レオー?あれなんとかならない?見るに堪えないんだけど」

「確かに、これ以上やっても進展はなさそうだな」


レオも飽きてたのだろう。

あくび混じりの声で立ち上がる。


レオが白々しい声で言った。


「あーーー!あっちでシュウが埜上(のがみ)にエロいいたずらしてるぞー!」


「「何だとおおおお!!!」」


二人がこっちを見るが、もちろんいたずらなどしていない。

埜上(のがみ)さんも「?」って顔をしている。


「「・・・はっ!隙ありいいいい!!!」」


二人が同時に正気に戻り、お互いに隙を晒まくったまま同時に魔法を放った。


お互いの魔法が反発し、爆風となり二人が吹き飛ばされる。



・・・それはそれは見事な相打ちで戦いが終わった。


初めて見る魔法の戦いにワクワクしてた気持ちを返してほしい。


「・・・勝負はドローだな。じゃあ二人とも敗退として、シードの俺とシュウで決勝戦やるかー」

「・・・そうだね。とっととやろうか」


なんとも言えない気持ちのまま決勝をやることになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ