魔法練習2
無敵な夜
魔法の合同練習をする日になった。
悠君も行きたがっていたが予定が合わず、結局レオ、埜上さん、猿堂、雉瀬、犬塚と僕の計6人で河川敷に集まった。
昼過ぎにみんな集まり練習を開始した。
「まあ、やることって言ったら各々で魔法を放つだけなんだけどね」
魔法を的に向かって放つ人。川に向かって放つ人。ひたすら集中している人。
みんな思い思いに練習をしていて、集まった意味があるのかは微妙だ。
「でもみんなでやるの、あーしは楽しいよ!ほかの人の魔法を見るのも勉強になるしー」
埜上さんは楽しそうだ。
僕は休憩がてら埜上さんと雑談をしていた。
「そういえば前にも思ったんだけど、いがちゃんの水魔法ってなんでぬるぬるするの?特別なやり方とかあったり?」
「・・・っ。ほら、土魔法でも砂だったり石だったりでちょっと違うでしょ?そういう感じかな?」
「そーなんだー?」
ごめん、本当は土魔法が混じってるんだ。
でもそれが公になると世界初の複数発現者として僕はモルモットになる可能性が高いから、本当のことは言えないんだ・・・
この話題は命に係るので何か違う話にしないと。
「あ、そういえば埜上さんは水魔法が凄い器用だよね」
「だっしょ!威力は出ないけど、器用さなら負けないっしょ!」
ちょっと強引な話題のすり替えだったが乗ってきてくれた。
実際埜上さんの水魔法はかなり器用で、今も蛇のようにうねうねと空中をうごめいている。
そして埜上さんの水魔法が僕のほっぺたをつついてきた。
「えへへ、びっくりした?」
いたずらな笑みを浮かべる埜上さんはとてもかわいく、ついドキッとしてしまった。
・・・僕も次は自由に動かせるように練習してみようかな。
「しねええええええええ!!!」
突然わき腹に衝撃が走った。
「ぐふっ・・・!な、なんだ・・・!」
猿堂達3バカが憤怒の形相でこちら近づいてきた
「いやーすまんすまん、的と間違えて空気砲をそっちに撃っちまったわー」
「・・・猿堂、お前、今、死ねっていってなかったか?」
「空耳だろ。そんなことより、お前もこっちで的当て練習しようぜー?・・・もちろん的になるのはお前だがなあああ!」
「危ねえ!猿堂てめえやる気かおい!」
「お前こそ、10組に舞い降りたギャル天使の埜上さんと抜け駆けかとかいい度胸だよなあ!」
「・・・なにやってんだお前ら」
あきれ顔でレオが近づいてきた。
「止めるな金剛!あんなラブコメみたいな雰囲気を出しやがったんだ!こいつには神の裁きが必要なんだ!」
「そうだ!磔にされてしかるべきだ!」
「末代まで祟りを!」
「オーケーいいだろう3バカども!実力の違いを見せてやろう!」
このバカどもは一回わからせないとダメだ!
一触即発の空気が漂う。
その傍らで考え込んでいたレオが話し始めた。
「じゃあ好きなだけやろうぜ。ただし、"模擬魔法戦"のルールに乗っ取ってな」
プライドを賭けた戦いが始まる。




