魔法演習試験1
牛歩戦術が好きです
「シュウー起きろー」
「おはようレオ。もう起きてるよ」
「おはようさん。二日連続で早起きなんて本当に珍しいな」
「全く、あまり見くびらないでほしいね」
本当は魔法演習が楽しみで早く目が覚めてしまっただけだけど。
「そうだ、これ渡しておく」
ピンク色の風呂敷に包まれた何かを手渡してきた。
「これはお弁当?まさかレオが僕のために作ってくれたの?」
「んなわけあるか気色悪い!大家さんが俺たちの分を作ってくれたんだよ。後で礼をしておけよ」
萌生さん、相変わらずめちゃめちゃ甘やかしてくれる。
世話焼き性なのだろうか?
凄いありがたいが、見た目がロリっ子だから少し複雑な気分になる。
レオからお弁当を受け取り学校に向かう。
春の日差しが心地よい通学路を歩く。
まだ見慣れぬ土地ではあるのだが、建物や行き交う学生やサラリーマン風の人たちの光景が元の世界と変わりがない。
魔法学校に通うのだから、ほうきで空を飛ぶ人間や駅のホームで壁に吸い込まれる人間なんかがいてくれたらテンションがもっとあがるのに。
校門前に着いたとき、丁度白雲財閥の黒塗り高級車が止まった。
今日は一台だけみたいだ。
中から坊ちゃんヘアーの男の子が降りてきた。
「おはよう秀介。偶然だね」
「おはよう悠君。今日は一台だけなんだね」
「あはは・・・昨日の見てたんだ。毎回3台も来たら迷惑だから止めさせたんだ。今日から護衛もいないから気にしなくて大丈夫だよ」
「・・・そうだね。気にしないことにするよ」
苦笑いで言う悠君の遥か後方で黒服2人組がこちらの様子を伺っているのは伝えないでおこう。
3人で談笑しつつ教室を目指して歩き出した。
「金剛君だっけ?これからよろしくね。そういえば昨日も秀介と一緒にいたね」
「レオでいいぜ。住んでるアパートがたまたま一緒で入学するちょっと前からの付き合いなんだ」
「まぁゲームばっかりしてるだけどね」
「ゲーム・・・。あの、もしよければ今度二人のアパートに遊びに行ってもいいかな?」
「ああ良いぜ。年中暇してるからいつでもこい。ゲーム相手が増えるのは歓迎だ」
結構性格が正反対な二人だけど意外に仲良くやっていけそうだ。
今日は魔法演習があるので雑談の話題は自然とその話になる。
「そういえば二人の魔法は何が発現しているの?」
「僕は風だよ。魔素が発見されてからすぐに魔法の練習を始めたから結構自信あるんだ」
「俺は土だな。同じく、割と早くから練習はしていたから自信はあるな」
となると2か月前から始めた僕と同じクラスになる可能性は低いか。
知り合いがいた方が気が楽だったけどこればっかりはしょうがない。
「秀介はどうなの?」
「僕は水だよ。始めたのは2か月前だからあまり自身はないな。何故かぬるぬるするし・・・」
「ぬるぬる?よくわかんないけど頑張ろうね」
財閥の御曹司でもぬるぬるする水魔法には心当たりがないらしい。
僕の水魔法は一体何なんだろう。
話をしていたら教室に着いていた。
クラスメイトに挨拶をして席に座る。
ホームルームが始まると刺島先生からさっそく魔法演習の内容について話があった。
待ちに待った魔法演習が始まる。




