第58話・千夜一夜物語 15
揺らいでしまった。
駆け寄ってきた皆んな。
バイコさん、アーズさん、アラジンさん、バイオさん。
皆んな心配そう顔で俺を見る。
何でそんな顔で見るんだよ・・・。偽物でも・・・・もうダメじゃないか。
俺はもう・・・・・もう・・・・・・。
「怪我はありませんか!?マスター!」
「すまねぇ!傍に居れなくて!」
「ご主人様―!ご主人様―!」
「天使・・・・無事で良かった・・・・」
4人は俺を抱きしめた。
昨日の夜を思い出す。このぬくもりは偽物じゃない。
しかし・・・・ちょっと暑い!
「少し離れて・・・」
「嫌です!」
「嫌だ!!」
「無理!」
「お断りします!」
こういう時は本当に意見が合う4人だ。
俺達がワーキャーやってる間、シンドバットさん達といえば。
「シンドバット様!!!!」
「よくぞ御無事で!」
「ごめんなんさい!シンドバット様!」
アリババさん、カシムさん、モルジアナさんがシンドバットさんに膝まづく。
「大丈夫だよぉ問題ないぃ。皆んなも無事で良かったぁ」
「前とは違い、昔を思い出すような話を見せられていました。王にある殺人犯を捕まえてこないと自分が死刑と言われる大臣。殺人犯が自首してきてもその話を聞くと犯人を許し原因の元になった者を捕まえてこないと死刑なると再び告げられる大臣という感じの・・・・」
「自分も兄と同じですね。内容は違いますが」
「俺も内容は違うけどそんな感じだったです!」
「私もだよぉ。・・・前との違いは何か意図があるんだろうねぇ。あそこにいる見慣れない人の仕業かなぁ」
シンドバットさんはジンさんを見据える。
「ご名答・・・・流石七つの海の覇者や。ワイの意図も感づいてるやろ」
「シンドバット様・・・・奴が・・・・」
カシムさんが聞く。
「うん、魔力の感じ、大きさからして魔神ジンだろうねぇ。不思議な服も着てるしぃ」
「では奴を倒せば!」
「アリババ、少し待ってぇ。話してみたいぃ」
シンドバットさんがジンさんに近づく。
「君が魔神ジン?」
「そうや。初めましてシンドバット君」
「願いを叶えてもらいに来たんだけどぉ」
「その為には条件がある」
「条件とは?」
「その前にあっちのクロちゃん達のイチャイチャどうにかしてんか」
ジンさんが俺達の方を指さす。
俺はまだ4人に抱きつかれていた。
「カシムークロちゃん達連れてきてぇ」
「はい!」
カシムさんがこっちに近づいてくる。
「クロちゃん様、御無事で」
「はい、カシムさん達も大丈夫でしたか?」
「はい。我々皆無事です」
「チッ生きてたのかよ」
こらこらアーズさん!
「残念ながら怪我一つなく。貴方達も無事だ」
「こ・こ・で・殺・し・て・や・る・よ~」
「お、やるか!ボクも手伝うぞ!」
「俺もやってやろう」
「やめて!3人共!」
「「「はい」」」
「流石クロちゃん様。・・・・シンドバット様がお待ちです。来ていただけますか?」
「はい・・・・」
「天使・・・・大丈夫ですか?」
「大丈夫・・・・です」
俺達はシンドバットさんと合流してジンさんと再び話す。




