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第56話・千夜一夜物語 13

皆んなの靄が晴れる前。

「どや?クロちゃん」

皆んなの願い、皆んなの想い。全てを見せられた。

人はそれぞれ何かを感じ、考え、思い、判断し、行動し、そして夢を、願う。

それは俺も同じ。

本当に同じのだろうか。

「見せてくれてありがとうございます」

「お礼なんてええよ〜。この状況でお礼なんて少しズレてる気もするけど」

ニヤニヤともニコニコともとれる笑顔でジンさんは笑う。

「それで皆んなの願いを見てどう思った?君の願いは何や?」

どう・・・・いやそれは・・・思っちゃダメだ。違うだろ、そうじゃない。そうじゃないんだ。皆んな必死に生きている。今に幸せを

感じている。それに夢を、願いを思っている。そうじゃない!思う事が違う!俺はそうじゃない!

それは正しくない!正しいのは!!

「クロちゃん、願いって何やと思う?願いって夢やよね?綺麗な言葉やと思わん?夢。持っていたら凄いことのように感じるし持ってないと中身がない様に思われる。でもなクロちゃん、夢持ってない人なんていないんやで。誰でも持ってる。君でも持ってる」

夢なんてない。あるのは・・・。

「あるやろ、欲望って夢が」

ない。そんなものない。

「欲望も夢や。夢も欲望や。言い方の違い。何んも変わらん、綺麗に言うか汚く言うかの差や」

俺は何も考えないようにする。

「クロちゃん、良い人でいようとするなよ」

俺はそんな事思ってない!

「千夜一夜物語は本当の"夢"しか叶えへんで」

俺とジンさんの周りを囲んでいた白い靄が晴れていく。

皆んなが集まってくる。皆んな無事で良かった。

さぁ皆んな!皆んなで願いを叶えよう!

そんな偽りの言葉を頭の中で何回も何十回も叫んだ。


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