表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
いいなずけ無双~中身が小学生男子な学園一の美少女と始める同居生活が色々とおかしい~  作者: ひだまりのねこ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

150/155

第百五十話 禁書と封印


 椿姫の宣言で決闘は終わった。



 闘技場を包む歓声と熱狂。だが、ここで何が起きていたのか理解できたものはほとんどいないだろう。



「命さま……」

「椿姫、わかってる。今から御琴さんを助けに行こう」

「……はい」


「私も一緒に行きます」

「雪羽さん……助かります」


 一族の中で最も情報を持ち、事情に通じている雪羽さんならわかることがあるはず。



 御琴さんの本体が居る場所は神気を辿ることで行けるはず。


 椿姫と雪羽さんを抱きしめながら


 ――――転移――――!!



「ここは……」

「……驚きましたね。まさかこの場所だったとは」

「二人とも知っている場所なのですか?」


「ええ、昨日来たばかりの場所なのですよ、椿姫さま」



 転移してきた場所――――蒼空さんと霧野先輩を助け出した場所、あの黒崎が閉じ込められていた……あの別荘だった。


 



「……これは……酷い」


 御琴さんの身体はまるで銅像のようでもあり、岩のようでもあった。辛うじて人の形には見えるが……こんな状態で本当に生きているのか?



「この術式……これは白鷺家の秘術ではないのですか、雪羽?」


 さすが椿姫、見ただけでわかるものなのだろうか?


「……たしかに。白鷺流の結界術式の系統ですが……私は知らない術式ですね……命サマ、一度白鷺家へ行ってもらっても? もしかしたら何か資料が残っているかもしれません」

「もちろんです。すぐ行きましょう」



 ――――転移――――!!



 白鷺家に一旦戻り、凄まじいスピードで古い資料を調べ始める雪羽さん。


「どうでしたか、雪羽?」

「……駄目です。どこにも書いていないようですね」


「雪羽、この術式はおそらく雪音が密かに開発したオリジナルかもしれません。時を経て解除することを念頭に置いていたのなら、必ずどこかに書き残しているはずですが……」

「お祖母さまが? なるほど……となると、気は進みませんがアレを読むしかありませんね」


 仮面で表情はわからないけど、本当に嫌なのだろう。小さくため息をつく雪羽さん。


 ……アレってなんだろう?

  


「これが真さまとの甘い日々を綴ったとされている雪音さまのラブノートです」


 ラブノート……ある意味黒歴史ノート並みの破壊力だな。読む側にとって。しかも全36巻もあるのかよ……


「椿姫さま、読んでいただけませんか?」

「……嫌です」

「はぁ……仕方ありませんか」




「……はぁはぁ……あ、ありました……」 


 壮絶なダメージを受け続けても諦めなかった雪羽に拍手を送りたい。俺はすぐに挫折したからな……恐ろしい書だった。

 

「……くっ……なぜ私まで……」


 結局途中から椿姫も手伝わされて軽くないダメージを受けてしまっている。



「命サマ成分の補充を希望します」「命さま、私もお願いします」


 頑張った二人のお願いを断れるはずがないだろう?


「ナデギュットチューで」


 ……何それ? 


「頭をナデナデ、ぎゅっと抱きしめて、熱いキス、ですよ命サマ」

「ふえっ!? じゃ、じゃあ……私もそれで……」


 ナデギュットチュー二人前注文入りました~!! 頭の中でなぜか板前さんが叫んでいる。





 再び封印された場所へ戻る。


「まったく……黒津の連中、雑な仕事をするから実に厄介なことになっていますね……」


 結界の状態を調べて頭を抱える雪羽さん。


 中途半端に壊れた封印は不安定で非常に危険な状態なんだとか。


「大丈夫ですよ雪羽。私が一旦元の状態に戻します」


 覚醒してパワーアップした椿姫の巻き戻し能力なら、半年前の状態にも戻せる。


 封印は完全に元の状態に戻った。



「これなら……行けます」


 雪羽さんが慎重に封印を解除してゆくと、辛うじて人の形に見えていた塊が少しずつ殻を脱ぐように剥がれ落ちてゆく。


「二人とも気を付けてください……封印が解かれれば、闇が暴走する可能性があります」 


 椿姫の言葉に雪羽さんが後ろに下がる。ここからは俺の仕事だ。


「椿姫、御琴さんの闇は神気で浄化出来ないのか?」

「命さま……闇は魂レベルで癒着しているので、通常の浄化では治せないのです……時間が経てば経つほど融合が進み、下手に浄化すれば魂の消失……つまり命そのものが消えてしまうのです」


 ……魂との癒着か……どうすればいいんだ? 下手に消し飛ばせば、浄化は出来るかもしれないが、それでは御琴さんを殺してしまうことになる。



 ――――突然差し込む一筋の光――――



『命くん……貴方なら出来るわ……自分を信じなさい』


 ……今の声は……女神さま?


 そうだよな……俺は御琴さんに言ったじゃないか。助けてみせるって。



 出来る。闇は神気によって浄化できるんだ 細胞レベルで闇を浄化し、癒着によって崩壊した箇所を同時に神気によって再構築すれば良いはずだ。


 なんだろう……頭の中に流れ込んでくる記憶? 前世? いや……もっと昔……


 自然と言葉が紡がれる


 

 燃やせ闇を 祓え闇を すべてを浄化する原初の炎――――


 燃え上がれ俺の神気 絶対に助けるんだ 何があっても死なせたりはしない


  

『セイクリッドファイア――――カグツチ――――』





「お見事でした……命さま」

「信じられません……まさか……本当に成し遂げるなんて……」


 ふう……本気で疲れた。外科医のマンガとドラマ観ておいて良かったよ……神気はイメージ力に左右されるみたいだからな。でも……あの言葉は一体なんだったんだろう……?



 まあそれは良いんだけど……


「本当に助けられてしまいましたね……命」


「あの……御琴さんって男じゃなかったんですか!?」


 神々しい裸体がまぶしい……慌てて椿姫が羽織っていた上着を御琴さんにかける。


 ええ……どうなってんのこれ?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] せ、セイクリッドファイアカグツチ(;'∀') 前世以前にそんな技があったんだとするとちょっと驚きね(;'∀') 神代は英語圏だったのか(;'∀')
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ