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いいなずけ無双~中身が小学生男子な学園一の美少女と始める同居生活が色々とおかしい~  作者: ひだまりのねこ


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第百三十二話 結界バージョンアップ


「……二人とも食べ過ぎじゃないのか?」


「甘いモノは別腹だよお兄さま」

「そうそう、女の子は甘いモノで出来ているから」


 すあま……まあす……二人ともすでに相当食べまくっているのに、まだ食べるつもりなのか……?


 でもたしかに、いくら食べても不思議と大丈夫なんだよな……この砂糖。


 これでいくら食べても太らないとかだったらちょっとしたチート砂糖だけどそんなわけないし……


「ふふ、命さま。このお砂糖カロリーを浄化するからいくら食べても太りませんよ?」


 ……ガチでチート砂糖だった。なんだそのカロリーを浄化するっていう謎理論……



「カロリーゼロっ!? つ、椿姫さま、この砂糖お土産に持って帰ってもいいですか?」


 当然すあまとまあすが食いつく。


「ふふ、良いですよ。持っていけるだけどうぞ」


「言いましたね? よし、まあすこの袋に詰めるよ!!」

「よし、根こそぎいただきだな」


 ……二人ともその大きな麻袋は一体どこから? 椿姫さまも苦笑いしているじゃないか。


「……相変わらず甘いモノが好きなんですね……英梨花」


「え……何か言いました?」


「いいえ、独り言ですよ」


 なんだかとても嬉しそうな椿姫さま。


 良かったな。なぜかわからないけど、椿姫さまには笑っていて欲しい、心からそう思う。



 でも、これは良いことを聞いたかもしれない。


 俺の作るすあまにこの隠れ砂糖を使えば、美味しくなるし闇エネルギーも消費出来るしで、一石二鳥じゃないか!! 


「椿姫さま、あの……」

「…………」

「えっと……?」

「……椿姫」


 くっ……なんという圧……これが齢百を数えた人間の持つ覇気というやつなのか?


「……椿姫?」

「はい、なんですか命さま?」


 ……そしてなんという可憐さ。その笑顔のためなら死ねる……なぜかそう思ってしまう。


「ここで浄化した砂糖を俺の作るすあまの原料に使いたいんですけどどうでしょう?」

「この里で使う分さえ残してくだされば構いませんよ」


 よし、無限砂糖ゲット!! 闇エネルギーはいくらでもあるし、定期的に俺がまとめて浄化すれば原価無料で手に入るな。



「お兄さま、これって文字通り、すあまが世界を救うだよね?」

「さすがお兄さま、天才的なアイデアだ!!」


 ふふふ。それほどでもないが。



「命さま、浮かれるのは良いのですが、先に結界を何とかしなければ絵に描いた餅ですよ」


 そうだった……結界をバージョンアップしなければこの国が終わってしまうんだった……。


「でも実際のところどうすればいいのか……」


 とりあえず結界中心部に行ってみれば何かわかるかもしれない。


「私たちも行くよ」 

       

 すあまとまあすを連れて結界の中心部に立つ。


「……結界に神気を流してみる。二人ともしっかりつかまってろ」

「うん」

 

 神気を流すと結界の構造が頭の中に流れ込んでくる。まるで自分の身体の一部になったような不思議な感覚。


 同時に流れ込んでくるのは思念のようなもの。


 なるほど……こうしてみると結構ボロボロなのがよくわかる。劣化して破損している場所に神気を流すと修復されてゆくのがわかる。

 

 でも……これだと修復しているだけだ。


 女神さまはバージョンアップしろと言っていた。そうなると今の結界が持っている欠点というか、弱い部分を改善する必要があるということなのだろう。


 一番の問題点は、大きな負荷がかかったときに耐えきれずに破損や劣化してしまうということ。だから定期的に人柱という方法で補っているわけだが……。ただ丈夫で長持ちすれば良いというものでもない。簡単にメンテナンスが出来るようにしなければ問題の先送りになるだけだ。


 丈夫で疲労耐性に優れた構造……最低限の神気でも効果的に運用できる形……


「……ハニカム構造にしてみるか」


 いわゆるハチの巣状の構造。衝撃吸収に優れているから結界には最適だろう。


 イメージは完璧。こういう時俺の記憶能力は役に立つ。


 元の結界を覆うように新たな結界を展開する。


 これまでとは比較にならない量の神気が必要になる……集中しろ、俺!!

 

 

「お、お兄さま……大丈夫?」


「大丈夫だ。こんなのなんてことない」


 こうしている間にも絶え間なく流れ込んでくる結界に残る人々の想い……泣きそうになるけれど、泣いている場合じゃない。俺がやるべきことは泣くことでも同情することでもない。


「……ふう、一応形は出来たな」

  

 これだけでも相当強度は増したはずだ。でもまだ足りない。


「すあま、まあす、力を貸してくれるか?」


「何のために付いてきたと思ってるの」

「お兄さまと私が力を合わせれば不可能などない」


「いくぞ……神気解放……」


 限界まで神気を高める……神気だけじゃ足りないんだ……結界を構成するのは想いの力……誰かを守りたいという想い……誰一人死なせたくない……この世界を守りたいという祈り、そして願い。

 


「サンクチュアリ展開!! 頼むすあま!!」

「はい、お兄さま!!」


 すあまの空間能力の力が発動する。時間停止された結界が空間ごと固定される。


「まあす!!」

「任せて!!」


 まあすのお兄さま無双が発動。とんでもない力が流れ込んでくる。


 これならいける。


 そして仕上げは結界の自己修復機能だ。突然覚醒したこの力……もしかして椿姫さまの力の影響なのか? わずかな神気を結界に流すことで自動的に結界の時間が巻き戻り、形状記憶合金のように自己修復をすることが出来る。


 これならば半永久的に結界は維持できる。神気を持つものが途絶えない限り……


 たとえ俺がこの世から居なくなったとしても強く……永く……



「照らせ常世の闇を……未来永劫人の世が続く限り……結界バージョンアップ!!」

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― 新着の感想 ―
[一言] 最後のセリフ!!(゜Д゜;) ここにきてミコちんも中二病に(ォィ
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