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いいなずけ無双~中身が小学生男子な学園一の美少女と始める同居生活が色々とおかしい~  作者: ひだまりのねこ


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第百十四話 絶望的な戦力差


「でも楓さん、なんで今になって会いに行く必要があるんですか?」


 学校を休むってことは、俺が会いに行くんだよな? 話の流れ的に。


 当主就任前の挨拶とか……なのかな?



「……黒津家が遷家をしようとしているって話したわよね? 残念だけど発議は間違いなく通るわ。それはもう止められない。でもね、東宮司、西宮司の当主だけにはその決定の拒否権があるのよ」

     

 え……そんな最悪な状況だったのか。でも拒否権があるなら……


「そういうことでしたか。それじゃあ椿姫さまに会って、拒否権を行使してもらえるようにお願いしに行くってことなんですね」


 いつ黒津家が発議してもおかしくないんだし、そう考えたら一刻の猶予もない。たしかに今やるべき最優先事項だ。


 うん……のんきに学校に行っている場合じゃなかった。



「うーん、まあ最悪そういう手もあるんだけどね~。私が考えているのはちょっと違うのよ~。もっと確実な方法」


 俺の考えをあっさり否定する雅先生。なんだろう……もっと確実な方法って?


 まさか……お願いするんじゃなくて、弱みを握って脅迫するとかじゃないよな? あ……それは黒津家のやり方だった。じゃあ一体……?



「あの……じゃあ俺は行って何をすれば良いんですか?」


「えっとね~、天津くんには椿姫さまを許嫁にしてもらおうかなって~」


 は……? 許嫁? 椿姫さまを? 聞き間違いじゃないよね?


 だって椿姫さま、俺が生まれた時にはもうすでに当主だったってことだよな? 仮に俺と同じように16歳で当主になったばかりだったとしても、最低でも32歳以上は確定だよな……?


 あ……でも桜花さんがいた件。見た目が若すぎるからついつい忘れがちだけど……そっか、だったら意外と40歳以下なら大丈夫な気がしてきたぞ。雅先生だって、そこまで無茶は言ってこないだろうし。


 

「あの……ちなみに椿姫さまはおいくつなんでしょうか?」


 女性に年齢を聞くのはタブーだけど、本人が居ないから良いよね?


「今年で104歳よ~」


「…………」


 ……いや、無理っす。多少上ならと思ってましたけど、14歳じゃなくて104歳!?


 母親どころか、俺のおばあちゃん世代よりもはるかに上ですよね!?


「ふふふ、大丈夫よ~、天津くんならきっと椿姫さまを魅了できると思うわよ~。駄目なら拒否権でもいいけどね~。明日の早朝、夜明け前にキアラが迎えに来るから、頑張ってね」


 いや……魅了できるとかそういう問題じゃなくて、俺が受け入れられないと思うんですけど……


 それに……えっ!? 雅先生は付いてきてくれないんですか? 俺、キアラ監督とはほぼ初対面みたいなもんなんですけど……? 


 なんだか色々不安要素しかない。行かないという選択肢が無い以上、行くしかないのはわかっているから余計に心配になってきた。



「なんだ不安そうだなみこちん。私も学校を休んで一緒に行ってやろうか?」


 え? 学校を休ませてしまうのは申し訳ないけれど、正直、撫子さんが一緒に来てくれるなら心強い。


「駄目よ~桜宮さん。椿姫さまには天津くんしか会えないわ。案内役のキアラ以外はね~」


「そうなのか? ならば仕方がないな。まあ、みこちんならなんとかなるだろう」


 ……撫子さんの謎の信頼感。


 たしかに当主になろうとしている人間がこんなことでびびってどうする。


 撫子さんの期待を裏切るような真似はしたくない。うん……とにかくすべては行ってから考えよう。




「よし、話も終わったようだし、みんなで風呂に入るか」


 撫子さんの一声で、みんなが風呂場へ移動を開始する。


 しまった……先の事より目の前のピンチを忘れていた。



 まずいぞ、今夜も新加入許嫁の戦力がヤバい。


 まずは姫奈先輩。


 日本のみならず、世界のサッカーファンが憧れるあのサッカー界のなでしこ。その健康的で輝くようなルックスはもちろんのこと、鍛え上げられ引き締まったスレンダーな肉体は、俺の素人ディフェンスを簡単に突破してくるはず。しかもだ、大勢で慣れていると言っていたからな。隠さずに堂々と見せつけてくる可能性もある。そうなれば、もはやキーパーの居ないPK戦のようなもの。戦う前から勝負は決まっているのかもしれない。


 そして零先輩も強力だ。


 誰が見ても認めざるを得ない圧倒的なお嬢様オーラ。そしてその清楚で整った顔に不釣り合いなほどのゴージャスボディ……姫奈先輩によると相当なモノをお持ちのようだし、まったく油断が出来ない。もちろん俺だって雅先生と霧野先輩に鍛えられてはいるけれども、未だに克服できていないんだよな……。恐ろしいのは、自分では身体を洗わないという徹底した良家の子女っぷり。下手をすれば、俺に洗いなさいと命令してくる可能性も捨てきれない。果たして俺は耐えられるのだろうか……いや無理だな。


 最後にソフィア。


 さすが世界一の美女大国と言われることもあるロシアン美人。もう異次元の破壊力だよ。葵のおかげで少しだけ耐性はあるけれど、葵の異国感とは方向性が違い過ぎるんだよな。葵はお人形系の可愛さだけど、ソフィアは格好いい大人の色気があるお姉さんって感じ。楓さんの外国人バージョンに近いのかな? それに加えて、どことなく漂う和風の奥ゆかしさも兼ね備えているんだから反則だよね。和洋良いとこどりの最強諜報員を相手に生き残れるだろうか? まさにミッションインポッシブル。



 ……ああ、これは駄目な気がしてきたぞ。


 どう考えても許容オーバー。


 しかも……相手をするのはこの三人だけじゃあないんだ。昨日完膚なきまでに撃沈させられたメンバーもそのまま健在だという現実。


 

 これはアレだな……一人でサッカーブラジル代表やフランス代表を相手に戦うようなものだな。


 はあ……これなら黒津家と戦っている方がよほど気が楽だよ。

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― 新着の感想 ―
[良い点] もはや黒津家の脅威は天津家のお風呂以下……。 まぁ物理的な攻撃なら時を止めて対応できるから、肌色の暴力の方が健康的な男子学生にはダメージが大きいのも納得です(笑)!
[一言] >「今年で104歳よ~」 ヤンジャンで連載中の『君の事が大大大大大好きな100人の彼女』登場のヤクおばーちゃんより上だと(゜Д゜;) そして強敵は身近に(;'∀') 血の量は大丈夫かねミコ…
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