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剣神vs世界蛇

「クソったれぇ……この卑怯者ぉぉ!」

「ふふふ」



神装を纏い接戦かと思いきや始まったのは舌戦。

Aクラスのガトルは既に涙目である。

どう見てもネイルの圧勝である。



「おーいガトル……いいからもう闘えよ」

「そうよガー君の頭じゃどうやったって勝てる人いないんだからぁ普通にやりなさいなぁ」


「くー……わかったよ。んじゃいくぞぉぉぉ!」


心が折れてくじけそうな激励をうけてガトルが動る。

世界蛇(ヨルムンガンド)の牙を宿す豪腕がネイルを捻り潰さんとする。


「うっらぁぁああ!」

「ぐっ、重たいね……」


その一撃をネイルは両手に出現させた至光の聖剣(クラウ・ソラス)煌堕の魔剣(カラドボルグ)を交差させて受け止めた。


しかしその圧に押されネイルは体制を崩してしまう。

その隙を見逃さんとばかりにガトルは両の拳の連打を間髪無く浴びせる。


「オラオラどうした、お前は口と顔だけかぁ!?」


「……そっちの口は駄目もいいところだけど、これはちょっとキツイかな」


「一言余計……なんだっっよ!」


ガトルの大きく振りかぶった一撃を受けきれず後ろに吹き飛んでしまったネイル。そこに間合いを詰めて更なる一撃を喰らわそうとする。

しかしネイルもやられてばかりではない。



「僕も口だけじゃないのを証明しないとね」


拳に応酬する様に双剣を相手の拳に合わせ連撃を防ぎつつも攻めに転じていくネイル。次第に手数は増えていき逆にガトルは追い詰められ、一旦間合いを取るために後方へ下がった。


「ハッ、口だけじゃなさそうだな。口じゃ俺の負け、顔は互角で……」



「それはねーなガトル」

「ガー君の目が腐ってないかお姉ちゃん心配だよぉ?」

「すまんガトル、それには私も賛同出来ん」



闘っている味方の精神を容赦なく削るAクラス。

観客席も憐れみの視線が送られている。



「うっせーうっせー! ったく酷い奴等だよ……」


「ふふっ、仲良いクラスだね」


「まぁな。負け犬(ライル)は嫌いだが他の奴等の仲は良いぜ」


「僕達のクラスみたいだね。……それに君も僕達Eクラスのことは決して馬鹿にしなかったね」


「ったりめーだ。お前らを見れば努力してんのが目に見えて分かるじゃん。そんな奴等を馬鹿にしてどうすんだっつーの。それにお前らがC組の奴等をコテンパンにしてるのを見てんのに何を馬鹿にする必要があるんだ?」


「ふふふ、君達とは仲良く出来そうだね。でも……」

「今は真剣勝負だよなぁ! 本気で行くぜぇ!」


再び剣と拳での応酬が始まる。お互い削り合いながらも、しかし笑みを浮かべながら好敵手と楽しそうに攻守を繰り広げる。


「いやぁこいつは楽しいぜぇ!やっぱり本気で打ち合うのは気持ち良いじゃん!」

「だけどそろそろ……雌雄を決しようか?」

「同感だ! 疲れてきたし一気に行くぜぇ!」


更に拳の連打を繰り出すガトルに対してそれに応じる様にネイルも双剣を振るう。

拮抗する中で動きを見せたのはガトルだった。

繰り出していた拳から突如小さな牙が発射された。

避けることで一瞬反応が送れたネイルをガトルは見逃さない。


「隙を見せたな! 喰らえ、毒蛇の咆哮(ポイゾナスグレイブ)!」


右手と左手を重ねて一つの蛇の顎にするとそこから紫色の霧が放出され辺りを包んでいった。

霧を吸い込んだネイルは顔色は土気色になり膝をついてしまう。


「ぐっ……これ、は、がはっ……」


「どうだ毒蛇の咆哮(ポイゾナスグレイブ)の味は?苦しいか?だけど勝負に卑怯もクソもねぇじゃんよ。わりいけど決めさせてもらうぜ!デカくなって伸びろぉ!」


ガトルの神装の腕の部分は巨大な蛇の頭に変形し、そのまま天高く伸びていき、施設の頂点に達した。それは世界を見下ろす巨大な蛇のように。


「ちっ、ここじゃ高さはこんなもんか。でもコイツは当たったら痛いぜぇ? 喰らいやがれ崩壊蛇鞭撃(ミドガルズエンド)ぉぉ!!」



巨大な蛇を模した鞭は膝をついたネイル目掛けて振り落とされていく。その落下速度は目で追いつかないほどだ。


「まずい、よけろネイル!」


雷音の声も虚しく、蛇鞭は落とされた。

衝撃と共に粉塵が舞い上がる。その衝撃で舞台の上は激しく揺れ動き、振動が終わる頃にはひび割れていた。


「はぁ、はぁ……どうだ……毒で弱らせてからの必殺の使っての必殺の一撃……コイツが俺の切り札だ。

本当はSクラスの奴に使う予定だったんだけどな……オマエが強かったのが運の尽きってやつじゃん」


巨大な鞭が小さくなりガトルの元に戻った時、彼の視界に映ったのは粉々に割れた舞台()()

肝心のネイルの姿はみえなかった。



「何だと!? どこにいった!?」



ガトルは首を左右に振り動かすがネイルの姿はない。


「上だ!ガトル避けろ!」


舞台の外から見ていたルーフェはネイルの居場所に気づいていた。


「上だって!?」


ガトルがすぐさま視界を上へと上げると、そこには双剣を構えながら落下するネイルの姿があった。


「残念だったね。これで終わりだよ」


「ちっ!だがまだだ! っ!? なんっ……だ…… 動かね……!?」


「僕の右目……パロールの魔眼を発動させた。

それを見た物をほんの少しだけ動きを止めることが出来るんだ。そして……それだけ有れば僕には充分さ」



滑空してきたネイルはその勢いのままガトルに近づき持っていた双剣で身動きが取れないガトルを十字に斬り裂いた。



「ぐっ……うぅなんで、毒が、効いてないんだよ?」


「色々教えてもらったから僕も教えるよ。僕の守護(ガディ)には浄化能力があってね。銀の腕を通して毒を浄化したんだ」


「沢山色々持ちやがって……反則じゃねぇ……か」


ガトルは気を失いその場に前のめりに倒れた。

そして神装も解除される。



「勝負に卑怯もクソもないだろ?敢えて言うなら僕の方が卑怯だったってことさ」



ガトルが立ち上がらないのを見て審判は勝ち名乗りを上げた。


「勝者、Eクラスネイル選手!」


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