62. 樹脂の開発と黒色火薬の原料生成
<新規生成物>
アセチルセルロース、ニトロセルロース、硝酸、硫酸、一酸化窒素、
二酸化窒素、無水酢酸、アセトアルデヒド、アセチルセルロースのペレット
62. 樹脂の開発と黒色火薬の原料生成
最近医療学校に来ることが多い。
石鹸もそうなのだが、新しい化学材料による製品の開発をお願いするためだ。
イスナルドも協力はしてくれる。
今日はプラスチックについて相談に来た。
「熱で溶かして自由自在に形状が作れる樹脂、アセチルセルロースの試作をしてくれないか?」
ナイロンやアクリルなど、主に石油が原料であるが、この国には石油がない。
(ナイロンは石炭からもできなくはないが、まずは工程の少ない)
まずはニトロセルロースを得るため、セルロースを硫酸と硝酸を使い、混酸処理をする。
硫酸はなめし革を作るときの工程で使われるものであり、すでにある。
硝酸を作り出す。
最初にアンモニアを酸化させる。
そのため、800度近い温度が必要になるのだが、火の魔石を使い、一酸化窒素を生成させる。
それをさらに酸化させて二酸化窒素にし、水の中に溶かす。
硝酸ができたら、硫酸と混ぜ、ニトロセルロースを作り出す。
これをクスノキのチップを水蒸気蒸留し、水蒸気を冷却する。
出てきた白い結晶を集め、ニトロセルロースと化学反応を起こさせると、セルロイドができる。
これは大変燃えやすいという欠点があるため、無水酢酸でアセチルセルロースを作り出す。
アセトアルデヒドの酸化によって脱水素する現象を利用し、無水酢酸を生成。
セルロースと無水酢酸を合成させる。
この過程を踏むことにより、アセチルセルロースのペレット(固形の粒)を作り出す。
このアセチルセルロースのペレットを金型に入れ、90度位の温度をかければ成型できるが、
温度特性をあげたい場合は、ガラスの繊維を入れる。
「この過程を量産化し、アセチルセルロースのペレットを大量生産できないか?」
「製造設備はともかく、工程が多いですね。技術開発営団と協力して考えます。」
とのこと。
?!硝石って、ここで生成された硝酸と、石鹸の時作った水酸化ナトリウム、
膨らし粉で作れないか?
「ディアンヌを呼び、硝酸と水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムを合成させて
硝酸ナトリウム(硝石)を作れるか試したい。」
後日、イスナルドとディアンヌ、私で硝酸ナトリウムが生成されることを確認。
この硝石を使い、イオウと木炭を混合させ、黒色火薬を生成した。
作者のうしねこです。
プラスチックの一種、アセチルセルロースと、黒色火薬ができました。
この世界のこの時代で、化学材料の入手に苦労している様です。




