61. 石鹸を作る
<新規技術>
石鹸、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カルシウム
61. 石鹸を作る
ある日、医療学校に行き、イスナルド医療学校長と話をしたとき、
公衆衛生の改善が話題に上った。
病気になってから治療をするのではなく、病気になる前に対策が打てないか、
ということだった。
まずは予防ということで予防接種があるが、病原体の効力を弱くし、保つ技術がまだない。
(ワクチンを作る技術がまだない。)
ということで、ほかに何か良い方法はないか?と考える。
この世界に来ての不満は、石鹸がないことであり、
(入浴習慣もなかった)
これらを作ってみようということになった。
メンバーは私とイスナルドと、シモーネ。
まず、石鹸の作り方の原理はこうだ。
➀40度前後の苛性ソーダ水を作る
➁40度前後に油(菜種油)を温める。
➂苛性ソーダ水を少しずつ入れ、よく混ぜる。
➃40度を保ち、とろみができるまでかきまぜる。
➄型に流し込み、1日から2日保管し、固まったところで型から出す。
苛性ソーダ、NaOH、水酸化ナトリウム、
どっかで手に入らないか?
日本だと薬局で売られており(ただし劇薬なので、証明書が必要。)、
台所周りの油を溶かすとき等に使用する。
水酸化カルシウム(いわゆる消石灰)と炭酸ナトリウムを混ぜて加熱すればいいのだが。
消石灰は、数十年前の日本の学校の運動会で、校庭に白線を引くために使われていたアレ。
今は無くなったらしいが。
石灰石を砕いたものを炉で焼き、水を加えたもので、これはここの世界でも入手できるな。
あとは、炭酸ナトリウムだが、あっこれはラーメンを作った時、パンの膨らし粉として売られていた。
材料はそろった。
早速、石鹸づくりにとりかかる。
炭酸ナトリウムがたまたま無く、
パンの膨らし粉を城のキッチンから拝借するとき、もれなくクリスチーネがついてきた。
「いつも油料理の後片付けで、ギトギトが取れず困っているのよ。」
とのこと。
まず、膨らし粉(炭酸ナトリウム)と消石灰(水酸化カルシウム)を水に入れ、よく攪拌し、混ぜてから熱する。
そうすると入れ物の下に白いもの(炭酸カルシウム)が沈殿する。
液体のほうが目的の水酸化ナトリウムで、水分を蒸発させると、苛性ソーダの固形物ができる。
海水を電気分解してもできるが、ここは内陸国である。
この方法で苛性ソーダを作るとして、あとは、➀~➄のやり方である。
「油と苛性ソーダ水を混ぜ始めて、2時間位経ちましたが、とろみができてきましたよ。」
とイスナルドが言う。
あとは型に入れて、しばらく置けば出来上がり。
シモーネに「量産できないか?」と聞いてみる。
検討するとのこと。
ところで、苛性ソーダが台所の油汚れを落とすと聞いて、
石鹸とともにクリスチーネが興味津々に聞いていた。
後日、城のキッチンの油汚れを落とすために、
ここ医療学校で生成された苛性ソーダが使われたとのこと。
作者のうしねこです。
石鹸が今までなかったので、作りだした様です。
ポイントは水酸化カルシウムと炭酸ナトリウムから、炭酸カルシウムと水酸化ナトリウムを取り出し、
水酸化ナトリウムの固形物を生成するところですね。




