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46. 試作電気自動車試乗と雷の魔石の特性

<新技術>

雷の魔石による電気自動車、速度と雷の魔石残量メータ、雷の魔石充電機器、渋滞?

46. 試作電気自動車試乗と雷の魔石の特性


発電所視察の翌日、イリーナが試作した電気自動車で城までやってきた。


王子と内政大臣、シモーネが試作自動車もこの自動車を見に来た。


車の仕様は以下の通り。


ミニバンタイプ、6人乗り+荷室

マニュアルシフト

最高速度160km/h

電動ステアリング

モータ熱による暖房

前後、室内、方向指示器ライト

等々


早速運転してみる。


城を出て、王城下医療学校設計事務所前駅のT字路を町方向に曲がり、坂を下っていく。


「馬車に比べて速いですね。」と王子。

「加速が違う。」と内政大臣。

「ばねと油のダンパを使ったサスペンションを使っているので、揺れないですわ。」とシモーネ。


王城下医療学校設計事務所前駅の政府庁舎高層ビルの整地が始まったようだ。


「あの整地の広さを見ると、かなりの大きさの建物になりそうですね。」と王子。

「ここは緩やかな高台で、24階からの景色は最高だと思うが。」と内政大臣。


水路を超え、東デパート、製鉄工所の前を通り、市場の東西街道と南北街道の交差点を通過、

ポルカ橋を渡り、魔法導力研究所まで試運転する。


町の中は渋滞しており、30㎞/h位のスピードしか出せない。


王子「先ほどは快調に走っていたのに、前後の荷馬車等が多く、速度が出せませんね。」

内政大臣「何だろう、このイライラする感じは。」

「これは渋滞というものですね。交通量が多く、遅い馬車がいる。そうすると、速度が落ちたり、止まったりする。」

と私。

はじめて皆、渋滞を体験したようだ。


この様な状態ではあるが、橋では60km/h位出せる。


シモーネ「気持ちいいですわ。」

初夏の風が、窓全開の試作車の中に入ってくる。

川の上なので、風通しが良い。


川の対岸に渡り終わり、また渋滞。


車の速度メータは、20km/hまで落ちる。

工事中の建物の前に止まっている荷馬車をよける。

渋滞の原因はこれが原因のようだ。


さて、この様な車の速度を表示しているメータではあるが、

メータ類の原理として、速度メータは、

タイヤの横のパワートレインのタイヤ車軸にホールセンサという部品がついていて、

磁石が近づくと一瞬電流がONになる部品をつけ、回転数が速くなると、時間当たりのONになる回数が増える、

この回数をメータに出し、速度を表示させるという技術を使っている。


また、あとどのくらい走れるか、というメータについて、雷の魔石の電圧を測っていて、

電気が消費されると少しづつ下がってくる。


日本ではリチウムポリマーバッテリー等、充放電を繰り返すと、

充電できる電池容量が下がってくるが、

(携帯電話などで、充放電を繰り返すと、バッテリーの持ちが悪くなってくるあの現象。)

雷の魔石電池は1000回充放電を繰り返しても、そのようなことはない。

優秀なバッテリーである。


この様な電圧の変化をアナログメータに出力している。


路面電車も雷の魔石で走行しているとき、同じ原理。


この車、アクセルは抵抗値の違う4回路の雷の魔石からモータへの電源供給回路につながっており、

加速が4段階で変わる。


ブレーキは、これらの回路とは異なり、モータで発電された電気を雷の魔石に返す回路と、

モータが発電した電気を抵抗で消費する2系統の回路で成り立っている。


雷の魔石の電気容量がいっぱいになると、電気が流れなくなる性質があり、

ブレーキが利かなくなる。

そのため、その状態を検出して、抵抗器のほうへ電流を流し、ブレーキをかける。


そのような機構がこの車には、搭載されている。


魔法導力研究所に着くと、早速ディアンヌに会う。


「素晴らしいものをお見せします。」


雷の魔石の新充電設備を見せてくれるとのこと。


今までは魔導士が再詠唱して魔力から充電し、コストパフォーマンスが悪かったが、

新しくできた水力発電所からの20000Vの交流電圧を2000Vの直流にした上で、

雷の魔石に流す。


一瞬充電をやめ、テスターで出力電圧を測ることにより、充電度が分かる。


魔導士の詠唱ではCランクの雷の魔石満充電に2日かかっていたが、

この装置を利用すると1時間ほどでできる。


「今まで魔力の残量を確認しながら8名の魔導士が交代でCランクの雷の魔石を充電していたのですが、

ほとんどこの装置を使うと、手がかからないです。」

と、ディアンヌが言う。


これで、雷の魔石のコスパが改善されればと思う。


その後、ディアンヌが車の助手席に加わり、西の砦まで試運転を体験した。


「すごいです。速いです。」

町の郊外になり、80km/h位まで速度が出せる。


初夏の新緑の畑の中を試作車は快走する。


王子「最高です。」

内政大臣「これは早く量産させて、国内に復旧させなければ。国の街道網の整備を急ぎます。」

シモーネ「鉄製鉄工所に量産設備を作りますわ。」

ディアンヌ「雷の魔石、充電設備も併せて、量産設備を急いで準備します。」


外からの強い初夏の風で、ディアンヌの長い耳は揺れ、黄金色の髪はすごいことになっていた。


作者のうしねこです。

ようやく試作者ができました。馬車から電気自動車に代わる、歴史的な日になったと思います。

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