368.深夜の城の地下を進む
368.深夜の城の地下を進む
ユリア「では行きましょう。」
オリビエ「ちょっと待って、中の様子を確認して。」
オリビエは隙間から中の様子を確認する。
隙間から風が流れ込んでいるかどうかも確認を行っている。
しばらくして、
オリビエ「問題ないわね。」
オリビエはゆっくりと人が通れるまで扉を開ける。
中はいわゆる食料庫で、干し肉や乾燥サラミ、小麦粉などが貯蔵されている。
部屋には、今は言ってきた扉と、もう一つ扉がある。
ユリアが、部屋の中でランプをつけようとした行動をオリビエは制す。
オリビエ「この光が、あそこのドアの鍵穴から漏れたら気づかれる場合がある。
向こうの部屋の様子を鍵穴から様子を確認が必要。だから今ランプをつけちゃダメ。」
リディ「それとガントン、サラミを盗み食いするな。」
ガントンは、紐につるされた乾燥サラミを1つ拝借しようとしていた手が止まる。
リディ「食料の在庫に几帳面な料理人もいるからな。」
ガントン「…わかった…。」
隣の部屋につながる鍵穴を確認していたオリビエが、
オリビエ「問題ない、物音を立てずに行こう。」
そういうと、ゆっくりと扉を開けていく。
隙間からオリビエは部屋の様子を確認すると、
オリビエ「調理室には、今は誰もいない。」
台所は広く20畳ほどある。
釜戸やオーブン、食材や料理を置くテーブルや、包丁などの調理器具が置かれた棚がある。
庫の台所には1つの大きな扉と、もう1つの小さな扉、計2つある。
ガントン「城の廊下は大きい扉の方じゃな。小さい扉は、まき等の燃料を置いてある部屋じゃ。
その話を聞くと、オリビエは大きい扉の鍵穴を先程と同じ様に確認する。
オリビエ「廊下は松明が灯っているな。人の気配はない。」
ガントン「屋中はこの先の牢の警備所の交代人員と松明の管理人が通るだけで、人の通行はほとんどないはずじゃ。」
オリビエ「ちょっと静かにしていてください。」
オリビエはエルフ特有の長い耳で足音を確認する。
ガントン「右に行った3つ目のドアじゃ。清掃道具がある倉庫は。」
オリビエはそう確認すると、ゆっくりと台所のドアを開け、清掃道具がある倉庫のドアに鍵がかかっていないこと、部屋の中を確認しに行く。
そして戻ってくる。
オリビエ「大丈夫です。床は石のタイルで足音が出ます。そのため、とにかく足音が出ない様に、ゆっくりと歩いてください。私が先導します。ついてきてください。」
そういうと、オリビエは台所の扉を開ける。ユリア、リディ、ガントンはオリビエの後をゆっくりとついて行く。
全員が清掃道具がある倉庫に入るとオリビエは倉庫のドアを閉める。
ドアを閉め終わった後、ガントンが頭上にある通気ダクトの入口を指さし、
ガントン「あそこだ。」
と言う。
オリビエは換気扇のふたを外し、中を確認する。
オリビエ「何とかかがめば通れますね。」
ガントン「この桶、足場にするといい。」
ガントンはそう言い、清掃用の水をためておく、大きな桶をひっくり返し、
通気口の下に持ってくる。
オリビエ「では、私が最後に行きますから、ガントンさん、すみませんが先頭で道案内をお願いします。」
ガントン「わかった。」
そういうとガントンは器用に通気口の中に上がっていく。
ガントン「城の整備をしていたからな。これぐらい簡単じゃ。」
ユリア「では次、私が行きます。」
ユリアはそう言うと、通気口に上がっていく。
リディ「じゃ、次は私ね。」
リディも器用に通気口の中に入る。
オリビエ「最後は私です。では、」
オリビエはそう言い、
足場の桶の取っ手と通気口のふたにひもを通し、桶のひもを部屋の隅になるモップ掛けの金具に引っ掛ける。
そのひもを握ったまま通気口の中に入る。
オリビエは換気扇の中に入ると、紐を引き、桶を通気口の下から移動させる。
そして、通気口のふたを手繰り寄せ、内側からフタをする。
そして、通気口に侵入した形跡を隠す。
オリビエ「ガントン、では進んでください。」




