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364. ガルトンの家

364. ガルトンの家


4人は酒屋で仕入れた紫芋の蒸留酒とサラミを手土産に、職人街にある、

ガルトンの家の近くまで来ていた。


リディ「…。リギルド、代わりに応対してくれる?」


リギルド「わかったよ。訪ねた途端、いきなりドアを閉められる場合があるからね。」


リディ「…。」


4人は4階建ての長屋の一角にあるガルトンの家のドア前まで来たところで、

リギルドがドアをノックする。」


5回くらいノックしたところで、家の中から階段を下りてくる音が聞こえる。

やがて階段の音がしなくなり中から声が聞こえてくる。


ガルトン?「誰だ。」


リギルド「ガルトンさん、久しぶり。リギルドです。」


ガルトン?「おお、リギルドか。久しぶりだな。よし、ちょっと待っていろ。ドアを開けるから。」


その様な声が聞こえた後、ドアのロックが外れ、ドアが開く。


ガルトン「おお、リギルド坊ちゃん、久しぶりだな。

ささ、中に入って。」


その時、ガルトンの目がリギルトやユリア、オリビエの後ろに、隠れるように立っていたリディに目が留まった。


ガルトン「なんじゃ、おねしょ婆もいるのか。」


リディ「おねしょ婆とは女性に対して失礼な。このおしゃべりドワーフ!」


2人はけんか腰になったため、リギルドが間に入って説得する。


リギルド「今日は喧嘩しに来たんじゃないから。この国の危機につながる話で相談に来たんだから。」

少し小声で話す。


ガルトン「この国の危機?」


リギルド「わわ、声が大きい。中で話すから。」


ガルトン「ふん、わかったわ。」


リギルド「その前に2人を紹介させて。

こちらはデモニアの冒険者ギルドから来たオリビエさんとユリアさん。」


オリビエ「よろしく。」


ユリア「ユリアと言います。」


ガルトン「おお、いきなり悪かったな。

それにしても、鎖国中の我が国に国外のギルドから2名も来るとは。

ゆっくりと聞かせてくれい。」


オリビエ「わかりましたわ。」


ガルトンは2階の居間へ案内すると共に、金属製のコップに冷たい紅茶?を注ぐ。


ガルトン「爺の1人暮らしでな、これくらいしかできん。」


リギルド「ありがとうございます。これは手土産です。」


そう言って、紫芋の蒸留酒とつまみのサラミを渡す。


ガルトン「おお、わしの好みを覚えておいてくれたのか。

この酒とサラミの組み合わせは最高だ。」


リギルド「ガルトンさんにはお世話になっていたからねえ。」


ガルトン「そんなことないわ。

リーデハルト家からは、質のいい酒を回してもらっていたからな。」


リギルド「ところで、今日ガルトンさんを訪ねた目的なんですが、

ロカルノ主宰が生きており、マルティニー城の地下の研究室で、

デモニア連合国を攻撃しようとしているという話があるんだ。


イルンのギルドにその確認の依頼が出され、

オリビアとユリアはこの依頼を受けたという状況なんだ。」


ガルトン「攻撃兵器と言うと、あのオーパーツ開発がらみか?」


オリビエ「オーパーツ?」


ガルトン「そうだ。この世界の技術では作れない兵器をどこからか入手し開発している、

そういう話だ。」


ユリア「それは真実ですね。」


ユリアはそう言って、ロボットのコンソール端末を出す。


ガルトン「そ、それは?」


ユリア「人が乗れる大きなロボッ…ゴーレムの外部操縦投資です。」


ユリアは端末を起動し、ガルトンに見せる。


ガルトンは端末を眺めた後、


ガルトン「で、わしにどうしろと?」


ユリア「マルティニー城の地下につながる、下水道の地図をいただけないかと。」


ガルトン「地図なんて無いわい、わしが案内する。

そのオーパーツの兵器、本当なら…わしも見てみたい。」


リディ「地下水路は危険だから、地図を描いてもらえば十分だ。」


ガルトンはその様な提案をするリディを一瞥して、


ガルトン「あそこにはトラップがあるのだ。

わしがその方法を知っている。」


オリビエは、リディはガルトンと一緒に探索に出るのが嫌なんだろう、と思う。

リディの周りからそのようなオーラが出ている様に思えたからだ。


リギルド「母さん、せっかくの好意なんだから…。」


リディは1分ほど考えた結果、


リディ「わかったわよ、もう。一緒に行くことを許可するわよ。」


ガルトン「相変わらずじゃな。おねしょ婆は。」


リディ「だから嫌なのよ。その呼び名はやめて。」


その後の話し合いで、ガルトン、リディ、オリビエ、ユリアの4人で、

城の地下への探索に行くことになり、

リギルドは町の宿屋に、残ることにした。

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