355. モントルー街に来ていたボルン帝国の高官
355. モントルー街に来ていたボルン帝国の高官
翌朝、ようやくリディ、ユリア、オリビエは街に入ることができた。
昨夜、交代で警備にあたったが、特に何事もなく、朝を迎えた。
リディ「昨晩、なんで門の閉鎖があったの?」
門の兵士「お偉いさんがこの街に来ていて、閉門する命令があったが、
誰が来ていたのか、わからない。」
リディ「そう、ありがとう。」
リディは荷馬車を進める。
リディ「門の兵士ぐらいでは、わからないか。」
荷馬車を5分ほど走らせ、この街の冒険者ギルドへ到着する。
リディはギルドの前へ止め、中に入り、荷下ろし場を確認する。
やがてリディが戻ってきた。
リディ「このギルドから少し離れたところに、ギルドで荷下ろし場の倉庫を手配しているらしい。
そこに持ってってくれって。」
リディは言われた場所に行く。
荷下ろし場は3階建ての建物で、1階が倉庫になっていた。
リディ「ここだ。2Fに行って、係を連れてくる。」
リディは建物横にある階段を登っていく。
5分くらいして、ギルドの係の女性と共に階段を下りてくる。
ギルドの係「荷物はこちらにおいてください。それと、そちらの荷物を帝都マルティニーのギルドへ運んでください。」
話を聞くと積み荷は黒い粉が入っている。
ギルドの係「荷物は鍛冶に使う鉄粉となります。全部で6つの樽があります。」
言われたとおり、この魔で運んできた荷物を下ろし、
鉄粉を荷台に積み込む。
ユリア「匂いが?」
ユリアはこの鉄粉?の匂いに疑問を持つ。
荷物を積み込み、証明書をもらい、ギルドを出発する。
ギルドを離れたところで、
ユリア「これは鉄粉じゃなくて、火薬だと思います。」
リディ「私もそう思った。この街に知り合いの鍛冶屋がいるので、ちょっと寄ろう。」
そうリディは言い、鍛冶屋に向かう。
鍛冶屋の前にリディは荷馬車を停め、中に入っていく。
すると、初老のドワーフが一緒に出てくる。
リディ「昔、伯爵だったころ、うちに武器や装備を下ろしてくれていたドワーフでね。」
ドワーフ「お初にお目にかかります。ジードと申します。」
ドワーフらしからぬ?紳士的な対応で挨拶をする。
リディ「そんなに驚くな。彼は特別で、とても紳士的なドワーフだ。」
ジード「ありがとうございます。」
リディは、目でジードに合図を送る。
ジード「準備はすぐできますので、とりあえず、この荷を中に運んでください。」
リディとユリア、オリビエは砂鉄の入った樽を奥に運んでいく。
代わりに、鋳造に使う砂を詰めた樽をジードとその部下は準備し、
その樽を代わりに詰め込む。
リディ「ジード、感謝する。ジードにはいつも助けられているな。」
ジード「奥様が困っているなら、いつでも私は協力します。」
リディは再び荷馬車を走らせる。
街の門のところまで来たとき、
兵士「とまれ!荷物を確かめさせてもらうぞ。
この街に密輸品が流れてきている情報があってな。調べさせてもらう。」
兵士は荷室に乗り込み、先ほど交換?下樽の中身を調べる。
兵士「これは何だ!」
リディ「鍛冶に使う砂ですが。」
ここで、ある人物が門の警備所から出てくる。
リディ「アナタは!」




