350. ロランの宿屋での一幕
350. ロランの宿屋での一幕
リュリ村での一件を終え、オリビエとユリア、リディは夜遅くにロラン町に到着した。
リディ「急いで飛ばしてきたが、この時間になってしまったわね。
冒険者ギルドどころか、ほとんどの屋台やレストランがもう終わっている時間ね。
早く宿を探さないと。」
オリビエ「そうですね。」
リディ「この町には5件の宿屋があるので、順番にあたっていきましょう。」
3人は3件目に部屋に空きのある宿屋を見つけた。
リディ「実は荷馬車があるんだけれど、どこに停められるか教えてくれないかしら?」
宿屋の受付「それでしたら、宿屋の裏に空き地があるので、
そこに停めておいて大丈夫です。
荷物が盗まれない様、建屋内の鍵のあるところに停めることもできますが、
有料となります。」
リディ「じゃあ鍵のかかるところに停めるわ。いくら?」
リディは駐馬車料を聞き、お金を払う。
リディ「じゃあ、待ってて。馬車を停めてくる。」
オリビエとユリアはリディが荷馬車を停めてくるのを宿屋のロビーで待つ。
その間、宿屋の受付がお茶を入れて持ってきてくれる。
そのお茶をオリビエはゆっくりと口に運ぶ。
オリビエ「ん?このお茶?何の香だ?」
そのお茶からはフルーティーな香りがしていた。
宿屋の受付「それはアプリコットですね。
この町はアプリコットが名物で、
特に乾燥したアプリコットは、名産ですね。」
お茶を飲み終えると、リディが戻ってきた。
宿屋の受付「ではお部屋は3人部屋で、2Fの東側一番端の部屋になります。」
鍵を受け取り、3人は部屋に向かう。
リディ「おっ、ここの部屋ですね。」
リディは鍵を開け中に入る。
オリビエ「なかなかの広さと設備ですね。」
部屋には3台のベットと、クローゼット、テーブル、
トイレと水浴び用の桶もある。
リディ「私は水浴びをするけれど、あなたたちはどうしますか?」
オリビエ「私もするわ、一昨日、昨日とあれだけの先頭をして、
汗をかいているから。」
ユリア「戦闘?してたっけ?」
オリビエ「シーーーー。」
リディ「??」
リディが先に水浴びをすることになり、その後オリビエがすることとなった。
ユリアは、昨日体をふいたので十分、とのことで、そのまま寝た(ふり)をすることにした。
(アンドロイドなので、睡眠は実は必要が無い。)
リディが水浴びをしているころ、受付にいたおじさんがパンを持ってきてくれた。
宿屋の受付「今日夕食をとっていないそうで、少ないかもしれませんが、どうぞ。」
オリビエはパンをつまむ。
10分くらいして、リディが水浴びを終えて、ベットのある部屋に出てくる。
リディ「次はオリビエの番ね。」
オリビエ「じゃあ、水浴びしてくるわ。あっ、宿屋の好意で、
このパン、よかったら食べてください。ですって。」
リディ「これはありがたいわね、じゃあ、遠慮なく。」
リディはよほど疲れていたのか、パンを食べ終わり、ベットに横になると、
すぐに寝てしまった。
オリビエが水浴びを終え、出てくると、
オリビエ「2人とももう寝てしまったのね。」
オリビエもベットに入って寝る。




