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318.私の正体

ついに国王の正体を話してしまうのでしょうか。

318.私の正体


「私は…」


この世界に転生してきて何度も言うべきかどうか迷ってきたが…

国王は今ここにいるメンバーの顔を一度見回す。


やはり、自分の素性を言うことは非常にはばかられる。


やはり悩む。数十秒の沈黙の後、判断する。


そして決心する。


「どうやら私はロイド博士の最初の実験台だった様だ。」


デルフィン国王「というと?」


「ロイド博士の時空を超えて転生させる初の実験台だったということだ。


私は、いや、ローレント国王の中の意識の者といったほうが正しいかな。

私は700年以上前の別の惑星で亡くなりかけていた者だ。


別の惑星と言っても、この世界とは非常に近似するところのある世界だ。


私はある国の地域の代表として『知事というまつりごと』を担う役目だった。

一国の国王、というわけではないが、この国に導入された選挙によって、

代表に選ばれ、多くの仲間とともに、市民に使える仕事をしてきた。


私が今まで提唱してきた技術や仕組みはその世界に根付いたもので、

当たり前に使われていたものだ。」


デルフィン国王「…」


「ある日、公務中に意識が亡くなり、気づいたら全く知らない世界におり、

あの大地震直後の、イルンの、ローレント国王となっていた。」


タチアナ女王「ローレント国王はもう、…いないのですか?」


「…、正直わからない。」


デルフィン国王「もし、この世界にそなたが、転生されなかったら、亡くなっていたというのか?」


「今冷静に考えると、あの症状は脳梗塞を起こしていたのだと思う。

だとすると、あの状況でほぼ助かっていないだろう。」


ディディエ「父は…もういない。…ということですよね。」


「…」


重い空気が周囲を覆う。

自分自身この後なんと話せばいいのか、思いつかなくなっていた。

無言が続く。


すると、アリシア女王が話し始める。


アリシア「あなたは知事と呼べばいいのかしら?」


「もう前世の話で、知事ではないが、呼び名は知事でも構わない。」


アリシア「では元知事と呼ぶことにしましょう。

もし元知事に悪気があり、ロイド博士のような何かの陰謀を持っている場合、

リール国をここまで国民のためになる様な発展をさせないと思うの。

確かに何かを周りに広げようとして、周りが見えなくなったり、

父親として、ディディエ王子に伝えることがギクシャクして、

無骨なものにっているのかもしれないが、私は、失礼、不器用ながらも必死に周りに伝え、

いい意味で巻き込もうとして、最後に国、そして国民の発展と幸せを願う行動は、

十分元知事を信じられる、と思うの。」


ディディエ「私もわかっていました。父ではない、でも父がどこかにいなくなった、

ということを信じたくなくて、今までの様に中途半端に過ごしてきて、

これからも父に確認する勇気がなかった、と思います。

でも、不器用ながらも元知事と似たようなところがあり、

ここで父ではないとはっきりしたものの…時間が受け入れてくれると…思います。」


デルフィン国王「いろいろな技術改革によって、

あの大地震からもともと存在した我々の国以上に発展させる手腕は隣国の国王として、

恐怖に感じるものはあるが、アリシアそして、ディディエが言うことには、私も賛成だ。」


タチアナ女王「そうですわね。我々の国にも惜しみなく技術や知識を広めてくれて、

国を豊かにしようとしてくれている。不器用だけれど、気持ちは伝わりました。

もちろんいい意味でですわよ。」


その後、各々が「元知事」である私国王に対し、思っていることを打ち明けてくれたが、

みんなが同じような気持ちでいることは伝わった。


それからここにいるもの以外、私が転生者であることを話すのはやめようという事になった。


そして、私の転生に関する議題の他に、今後どのようにこの宇宙船やロイド博士をしていくか、

という話をすることになった。


作者のうしねこです。


国王は、いや元知事は不器用という認識は皆同じの様です。

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