31.路面電車の試運転
<試運転参加メンバー>
シモーネ、イリーナ、オスマン交通営団長、ディアンヌ魔法導力研究所所長、ディディエ王子、
アリドラ軍務大臣、プレボー医療衛生大臣、ヒシーニ建設大臣、ホファー外政大臣、
トーステン財政大臣、ハーヴェ内政大臣、サヴァリアント情報局長、
なぜか、
クリスチーネコック長、カロン住宅営団長、トロティエ冒険者ギルド長
31.路面電車の試運転
ついにこの時が来た。
シモーネが教えてくれた。
ついに、路面電車の試作車両2両できたのだ。
これから馬車を飛ばして、製鉄工所改め、技術開発営団に赴く。
技術開発営団に到着すると、2両編成の車両が止まっている。
イリーナとオスマン交通営団長が迎える。
「早速試運転だ。」
私は試作列車に乗り込む。
本線に向かうポイントが切り替えられ、交通営団の運転士が力行レバーを1段にする。
ゆっくりと動き出す。
ちょうど通りを通っていた通行人が、驚いてこちらを見る。
今まで大きな乗り物というと、馬車と船のみであったが、1両12m、2両24m編成の赤に白帯の乗り物は、化け物の様な大きさに移る。
いったん製鉄工所前駅で停車する。
再度力行レバーをONにし、車庫前駅方面へ走り出す。
物珍しさに人が寄ってこないよう、ベルを鳴らしながら走る。
時速20km/hの速さである。
中央市場駅前を通過。
そしてすぐにポルカ橋東駅。ここから通りを往来する人は、歩道を歩くため、ポルカ橋を50㎞/hぐらいで走行。
先頭車はモータがあるため、加速は良い。
ブルツブルグ川を渡り終え、ポルカ橋西駅を通過。
ここから人が多くなるため、再度ベルを鳴らしながら、20㎞/hまで落とす。
その後、東下町駅、西学校駅を通過し、魔法導力研究所駅に停車する。
停車時に、ホームに止まりきらず、少し先頭車がはみ出してしまった。
駅での停車は難しい。今後乗務員訓練は必要だ。
ここで、ディアンヌ魔法導力研究所所長が後ろの車両のドアから乗り込む。
雷の魔石を供給してもらっているので、試乗メンバーに加える。
床下パネルを開き、雷の魔石が電力を供給しているところを見せる。
再度床下パネルを閉じ、出発。
西医療院駅を通過し、車庫前駅に停車。
一旦新しく新設された車庫に入り、運転手と我々は、反対の運転台に移動。
こちらの運転台の力行ノッチをONにする。
ポイントを通過し、車庫前駅に入線。
王城下医療学校設計事務所前駅方面に向けて走り出す。
路面電車の試運転をどこで知ってか、大勢の人が見に来ている。
そのため、ポルカ橋の上以外は全区間20km/hで運転する。
橋を渡り、市場前まで来ると、大勢の人だかりで、通りの歩道橋は人で埋め尽くされる。
今現在、発電・変電所は完成しておらず、車内のBランクの雷の魔石の電源で動かしている。
1つの魔石で1か月は運用に入れる電源を供給できるが、白金貨1千枚、(10億円位)。
早く発電所・変電所を稼働し、そこから電力を供給したい。
東デパート駅まで来たところで、線路上にまで人が飛び出し、一時試運転運転中止。
人を排除した後、運転再開。
ここから、勾配がきつくなる。
電車は20㎞/hの速度で登り続ける。
水道橋駅、東医療院駅を通過し、いよいよ王城下医療学校設計事務所前駅に入線する。
以下の城の面々がプラットホームで待っている。
ディディエ王子
アリドラ軍務大臣
プレボー医療衛生大臣
ヒシーニ建設大臣
ホファー外政大臣
トーステン財政大臣
ハーヴェ内政大臣
サヴァリアント情報局長
なぜか、
クリスチーネコック長
カロン住宅営団長
トロティエ冒険者ギルド長
も待っている。
再度、みんなで
王城下医療学校設計事務所前駅~車庫前駅間を往復。
ポルカ橋の上では最高速度の80㎞/hを出した。
このくらいの速度を出しても揺れないのである。
馬車でもこの様な速度は出せない。
みんな高速運転で声が出ない様子。
カロン住宅営団長に至っては、
「はあー。」を繰り返すばかり。
イリーナが、
「早く中間車や他の編成も作り、開業を急ぎます。」
とのこと。
そういって、製鉄工所前駅で降りて行った。
今日より、交通営団職員による試運転が始まる。
作者のうしねこです。
やっと、路面電車の試運転にこぎつけました。
この世界で、電車は初のこと。
電車の大きさに、町の人、驚いているようです。




