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308.エラー番号:ED1284A4B21

なぜ転送機が使えなくなっているのかというと…

308.エラー番号:ED1284A4B21


3人に自分の正体を話した後、転送機のコンソールの通信記録を解析し、

主に7人の者がここの端末にアクセスしていることが分かった。


ただ、IDとPWがわかるのは、最後にここの端末をアクセスしたもので、

アドミン権限ではなく現段階では、すべての情報にアクセスできない。


一応、このIDとPWをメモに控える。


「ここの端末からこのIDでほかの端末にアクセスできないかな?」


リア「???」


共有サーバのフォルダを開こうとすると、案の定、いくつかのファイルについてはアクセスできない。


「まあ、開けるファイルだけでも見てみるか。」


サーバには、驚くことに遠隔でここの転送機を動かすシステムが導入されていた。

遠隔起動のための通信ログを見ると、なんと昨日まで外部の端末から、

遠隔で転送機を動かそうとした記録が残っている。


「ん?このIDだと、いくつかのサーバのファイルは開けないが、遠隔でアクセスした端末のIDとPWはわかるな。」


よく調べると、遠隔で転送機を起動しようとしているが、

エラーのため、起動できないといった状況になっている様だ。


「どうやら、1週間前仲間割れをした後、ここの転送機を使ったものが、戻ろうとしてアクセスを試みようとしているが、

エラーでリジェクトされて、戻れない、そのような状況の様だ。」


相変わらず3人はポカーンとして聞いているが、

『戻れない』というフレーズを聞き、いくつか質問が飛んでくる。


アリドラ「個々の装置のことはわかりませんが、犯人が今起こっている転送機のエラーで戻れないということで?」


「そうだ。」


ディアンヌ「もしここの転送機を直してしまったら、ここを使ていた犯人は戻ってくるということですか?」


「今は断定できないが、そうだと思う。」


リア「国王、この後どうするんですか?」


「通信を試みて、遠隔転送機起動プログラムを動かそうとしている、と思うんだ。

我々がここの端末にアクセスしている、ここを使用していた犯人は今の段階で知らない

(遠隔の端末からは通信記録が見れない)と思うんだ。

一応、アクセスログは消しておくが。理由は、このIDはそこで殺されているものが使っていたIDかもしれない。

それが今ほかの端末に通信を行っていたら、第3者の関与がわかって警戒してしまうかもしれない。


かといって、遠隔でアクセスしようとしているもののIDの権限をなくすことはできるが、

これも、今第3者がアクセスしているということがばれてしまう。


エラーはしばらくこのままにし、良い方法を考える。


そうだ、遠隔転送プログラムをダミーのプログラムに置き換え、

ダミーのプログラムからエラーが出続けるようにすればいいんだ。」


リア「どういうこと?」


「遠隔転送機を起動しようとしているものは、影武者が対応すればよいということ。

本物は、我々がエラーを直せないか、解析を行う。」


そう言い、先程遠隔で通信を試みていたものと、そのほかの6名のIDがダミーのソフトにアクセスしようとすると、

エラーを返す様に設定する。


「アドミンでアクセスされないことを祈る。」


リア「アドミン?」


「いや、何でもない。」


さて、これでゆっくりと遠隔転送プログラムのエラーの原因を解析してみよう。


「エラー番号:ED1284A4B21は何のエラーかな?」


アクセスできる端末から、エラーの説明ファイルを探してみる。


「あった。」


説明の文章は英語であるので、読める。

10分くらい目を通して、ようやく原因が分かった。


原因はスーパー転送機で転送されたものに、遺伝子の未登録エラーがあったようだ。

そして、その部分の遺伝子が再現されず、ほかの遺伝子に一時的に置き換わったようだ。


前世流にいえば、プリンター写真を印刷したが、1種類のインクが足りなくなり、

エラーを起こした、ということらしい。


ということは、インクの補充、つまり、転送地点に生成されるのに足りなくなった細胞物質の充填を行えば良い、

のだと思う。


国王は、説明をする。

「この転送機、転送地点に人体を構成する物質を転送し、組み立て、転送元の人体物質は分解する原理で転送できるらしいが、

1週間前、その人体を構成する物質のうちの一部が無くなり、代替物質でフェール再生されたらしい。」


ディアンヌ「ということは、ここの転送機を使ったものは、転送前と異なる構成をしているということですか?」


「そうなる。でも、できるだけ近似した構造で再生されるらしい。」


ディアンヌ「不足した人体を構成する物質を充填すれば、転送機が治るということですか?」


「そうだと思う。」


ほかの2人は???という状況のようだが、ディアンヌは話についてくることができているようだ。


ディアンヌ「転送魔法の原理と似ていますので、なんとなくですがわかるのです。」

とのこと。


一通りの話を3人とした後、転送機のコンソールがある部屋に冒険者チーム、

ブラックゲートの面々と、長老スライムが戻ってくる。


「早速戻ってきたところ、悪いんだが、探してもらいたいものがある。」


国王が転生のところは除いて、

転送地点に生成されるのに足りなくなった細胞物質の充填とエラー原因の話をする。


やはり、ブラックゲートの面々と、長老スライムは話についてこれない様だったが、

「タンクが組み込まれている様な機械を探せばいいんだろ。」

と言って、部屋を出て行ってしまった。


タンクとは限らないのだが…


我々も、それらしき細胞物質が充填されている装置を探すこととした。

作者のうしねこです。

国王は人体が細胞で構成され、遺伝子情報で構成されている、という説明をするのに躊躇した様です。

この場で一から説明するのは時間がかかる。

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