299.謎の機械
隠し扉?を発見した一行だが?
299.謎の機械
紫ドラゴンを倒し終えた国王一行は、広い地下空間をドラゴンが現れた方向へ進み始めた。
この地下空間は広く、10分くらい進むとやがて明らかに人工の台座?の様なものが現れる。
20m四方はあるだろうか。
その近くには、何かの機械がある。
「ダンジョンには似つかわしくない、明らかに何かの設備がここにはあるようだ。」
ディアンヌ「その台座からは強い残留魔力の反応があるわ。
それにこの機械と言っていいのかしら、機械なのにこれもまた強い残留魔力を感じるわ。」
一行は各々台座と機械を調べ始める。
機械は、ロッカーのような構造でドアがついており、人1人が入れる大きさはあるのだが、
ドアを開けると何か棒状のものが入るような、その棒を中で固定するような構造となっている。
そのロッカー内部の天板と床板部分に物々しい円筒形の厚み10cmくらいのものがついている。
ロッカー状の機械の隣には、何かの制御盤の様なものがあり、その隣にコンソール?、そして、
何かを置く台がある。
ディアンヌ「この台の部分、よく見ると魔石のかけらが落ちているわ。
魔力はほとんど感じられない。魔石の置き場ではないかしら?
魔力を過放出した魔石はよく欠けることがあるのだけれど、
まさしくここにあったAからSクラスの魔石が過放出して欠けたという感じかしら。」
「となると、この機械の動力源は魔石、魔道機械ということなのか?」
ディアンヌ「そんなところね。そしてこの制御盤を通し、ロッカー内部の何かに魔力を送るような機械、ということかしら。
とにかく、地上に送り調べてもらいましょう。」
そういうとディアンヌは魔力回復ポーションを飲み干し、メモとともにこの機械を地上に送る準備を始めた。
その間に、そのほかのメンバーはこの周辺をくまなく調べる。
しばらくして、
アリドラ「ここの床の部分、なんか変ですね。何か扇型に擦れた跡があります。」
岩の壁の部分を調べると、不自然なひび割れがある。隠しドア?
強く押してみるが開かない。
アリドラ「ちょっと待ってください。床の部分の石の様に見える、
この突起がドアストッパーになっているのではないですか?」
アリドラは剣先でこの石の出っ張りをどける。
アリドラ「これで押してみてください。」
隠しドア?を体重をかけ強く押してみると、10cmほど奥に向けてドア?が動く。
アリドラ「私も押します。」
国王とアリドラ、2人がかりでドア?を体重を掛け、強く押す。
するとゆっくりと動き出し、人1人が通れる空間が現れた。
新しく表れた空間は真っ暗である。
「ディアンヌが機械を地上に送るまで待とう。」
それから10分くらいし、魔力が回復したディアンヌは機械を地上に転送する。
機械を送り終えた後、隠しドアの件をディアンヌとリア、ヒシーニに話をする。
機械を送り終え、体制を整えた一行は隠しドアの内部を改めて除いてみる。
ただどうしたことか、ライトの魔法を使用しても、中は暗い。
長老スライム『いかなる魔力も無効になる空間ではないか?』
ディアンヌ「?!ありうるわね。先程送った機械、魔石の魔力を何かに使用すると話したの覚えている?
保持している魔力をどこかに転送する、ここの空間もそのような構造になっているんじゃないかしら。」
ヒシーニ「となると、ディアンヌさんの魔力も吸い出される?」
ディアンヌ「魔法を一切使わなければいいのよ。
それよりも、手紙を書いて雷の魔石の懐中電灯…ダメだわ。魔石のエネルギーもこの空間に吸い取られる。」
リア「では、昔ながらのたいまつを送ってもらいましょう。」
地上に手紙を書き、30分くらいで人数分プラス予備のたいまつを送ってもらう。
このような空間が実際にあるとは。なんでも雷の魔石に頼るのはよくない、と国王は思った。
たいまつを点灯させ、隠しドアの先の空間をのぞいてみる。
そこは人工のこれまでの、でこぼこした岩の壁と違い、
なめらかな人工の石の壁の通路だった。
奥の方に鉄のドアも見える。
リア「魔力を吸収する空間なので、特に罠などはないと思うわ。」
一同は中に入っていく。
そして最初の鉄のドアを5cmほど開け、中をのぞいてみる。
そこには、大量の書籍がある図書館の様な空間だった。
作者のうしねこです。
転送の魔法、大きいものを転送すればするほど、魔力を消費するようです。




