281.ラッセルハイム視察12‗意外な名射撃手
いよいよアークグリフォンとその手下のグリフォンを倒す一同であった。
281.ラッセルハイム視察12‗意外な名射撃手
アークグリフォンは蛇行しながらこちらに向かってくると思いきや、
坑道の入口から50m離れたところを旋回し始めた。
どこから集まってきたのか通常のグリフォンも、数匹接近して、
アークグリフォンと一緒に旋回する。
シュミット「畜生、ただでさえ蛇行飛行して狙いづらいアークグリフォンなのに、
周りのやつが邪魔だ。しかも飛行系のモンスターなので俺は正直歯が立たない。
マーシャル、周りの邪魔な奴らを打ち落とせるか?」
マーシャル「やってみる。」
そういうとマーシャルは弓を周りを取り囲むグリフォンの1匹に焦点を充て狙う。
マーシャル「この間入手したミスリルの弓でお相手するわ。」
狙いを定め1匹に向け弓を射るが、かすり傷を与えた程度しかダメージが通らない。
グリフォンの群れはピキャーと奇声を出しながらこちらに向かってくる。
アーサー「では私がライフルで攻撃してみましょう。こう見えてもブラックゲートの中で、
私が一番射撃がうまいですのよ。」
そういってグリフォンに狙いを定めて打つ。
一発目、グリフォンの左翼根元に命中。
翼を打たれたグリフォンは体制を崩し、谷底に落ちていく。
アーサー「次!」
アーサーは2発3発連続で撃つ。
2匹目は額の中央に命中し、弾着部が飛び散った。
即死の様で谷底に落ちていく。
3匹目は首に当たり、これも即死級の傷となり、
谷底に落ちていく。
アリシア「いい腕ですわ。最高の狙撃手。」
と賛辞を贈る。
残るはあと4匹。
アーサー「このライフルに残りは5発。1発しか余裕がありませんが、大丈夫でしょ。」
そう独り言を言う。
続けて2発発射。
4匹目の翼の根元と5匹目は首に命中。
もちろん2匹とも谷底へ落ちていく。
アーサー「あと2匹。」
2匹はアーサー、いや我々のもう10mくらい近くまで迫っていたが、連射。
1匹は額に命中。そして最後の1匹は、ピギャーと叫んでいた口の中に命中。
2匹とも即死だった。
グリフォンの死体は我々のいる坑道入り口のすぐ下のがけに激突し、
谷底に落ちていく。
アーサー「あとはメインのアークグリフォンだけだから、よろしく、ルード。」
といい、カバンから薬莢を取り出し、ライフルに充填し始める。
ルード「あっさりとかたずけるな。分かった、任された。」
ルードはそういうと、手下のグリフォンをみんな撃破されひときわ大声を上げ、
近づいてきたグリフォンに狙いを定めてクリスタルをかざし、ドレインライフを詠唱し始める。
最後の一言発する前に、再度アークグリフォンにクリスタルの狙いを定めて、
一言。
ルード「バルフィン!」
クリスタルが一気に光を増し、緑の光がアークグリフォンに伸びていき、
やがて到達する。
狙いはうまくいった様で、アークグリフォンは緑の光に包まで、
最後の断末魔ともいえる奇声を出しながら、徐々に形が薄くなり、
やがて消える。
アークグリフォンが消えたところで、ルードはクリスタルを抱えながら、
その場にへたり込む。
ルード「さすがに年には勝てぬようじゃな。儂は疲れた。」
ミネア「みんなご苦労じゃったな。ホセ、このクリスタルを厳重に管理するんじゃ。
盗まれ、傷でもつけられたら、アークグリフォンの封印が解ける。」
ホセ「わかった。でもライフルと言う武器、すごい攻撃力のある武器ですね。
私も狙撃訓練でもしようかな。」
皆がホセの方を向き、「「「そこ?」」」という顔をする。
ルードの魔法と封印したクリスタルの方がすごくないか?
ミネア「確かにルードの魔法はすごかった。
しかし、あれだけのグリフォンを短時間で1発で倒す、これはとてもすごいことじゃな。」
一応ミネアはフォローを入れる。
一同はエンリケとミリアの待つ村に戻り、
アークグリフォンとその取り巻きのグリフォン複数匹を倒したことについて、
説明した。
エンリケ「そうですか。良ければ、その封印したクリスタル、
この噴水の下の祭壇に安置しましょうか?ガスで充満しているので、
盗賊に盗まれることもないですし、入り口には我々の村がありますから。」
と、申し出てくれる。
ホセはエンリケの提案に感謝し、クリスタルを幽霊の村の祭壇に預けることにした。
エンリケ「さて、アークグリフォンも封印したことですし、鉄鉱石や石炭の採掘の話でもしましょうか?」
作者のうしねこです。
マーシャルの弓による攻撃がほとんど聞かなかったことについて、
みんななるべく話題に出さないようにしていることがひしひしと分かり、
立場がないマーシャルでした。




