279.ラッセルハイム視察10‗クリスタルの在処と修行
この世の者でない?アークグリフォンを封印するため、クリスタルを採掘しようとするが?
「村長。1つ質問があります。」
エンリケ「なんだ?」
「話によるとクリスタルを採掘するそうですが、どの辺で取れるのですか?」
エンリケ「どの辺というと?」
ちょっと待ってください、魔法を使います。
エンリケ「魔法?」
「周辺の地理を把握する魔法があり、この魔法で坑道の様子もわかるので、
ここに地図を描きます。」
と国王は言い、イリーナに小剣の鞘を借り、
地面に坑道の地図を描いていく。
「ここが現在地、つまり村の村長の家で、ここが村の入口、そしてここがキノコの栽培空間、
その脇から地上に鉱石を運ぶ通路があって、そして、この辺が石炭や鉄鉱石が埋まっているところ。」
という風に、次々と坑道地形を描き出していく。
エンリケ「其方がこの様な魔法を取得しているとは、おっ、この辺だ。」
そう言って霊体が細長い棒状になり、指し示していたところはちょうど村の噴水から斜め下に50mほど行ったところだった。
エンリケ「実は村の噴水に仕掛けがありまして、さらに奥に続く坑道があり、その途中にクリスタルの埋まっている層があるんです。」
村長の家を出て、噴水のところまでやってくる。
村長の霊体は噴水の脇にある石碑にとりつくと、周囲が微動し、水の無い噴水に螺旋階段が現れる。
エンリケは元の形状?の霊体に戻る。
エンリケ「実はこの下にクリスタルの層と封印の儀式の祭壇がありますが、
途中からガスの濃度が濃くなり、生物が進めない環境となっているのです。
このガスが500年以上前に私たちの生命を奪ったガスです。」
ヒシーニ「ガスがここまで流れてこないか、心配ですね。」
「話を聞くと、ガスは空気より重い気体ということで、大丈夫なのだろう。
それよりもガスがどのような気体なのか気になるが。」
「エンリケ村長、クリスタルを採掘することと、祭壇で封印の儀式をし、
クリスタルに封印力を与える、問題はこれらをするにあたって、我々はガスで何もできないということなのだが。」
エンリケ「クリスタルはこの子にローリングドリルを教えて下されれば取ってくることは可能です。
我々霊体は岩盤の層を通過することができるが、クリスタルは通過させることはできない。」
そうエンリケが言うと、ミリアの近くに霊体を移動させる。
ミネア「儂からミリアにローリングドリルを教えろということじゃな。」
ローリングドリルを教えるのに1日かかるとのことで、
国王一行は本日は村長の家に止めてもらうことになった。
夕食時、持ち込んだ食料を各自食べるが、
エンリケ「霊体になってから、500年以上、もう何も食べていないことになるのだな。
生きている時は食事をすることによって食べるという楽しみを得られたが、
その楽しみを失って、もうずいぶん長い時が経った。」
と話しかけてきた。
礼儀として、本日の携帯食料であるカップラーメンを差し出すが、
このカップラーメンという食料、ミネアはつい最近流通し始めたという情報を持つものの、
初めて見たということで進めてみる。
ミネア「儂は熱い食べ物が苦手でな。」
というので、鉄製の小皿にとりわけ、十分に冷ましてからミネアに渡す。
ミネア「複雑な味じゃな。スープは、コカトリスを煮込んだスープかな?
この細長いのは何かな?」
と聞かれる。
「スープはそうですね、鳥系の骨を煮込み作ったスープに、
細長いのは麺といって、小麦粉を練って細長くしたものです。」
と説明をする。
「携帯性と長期保存性に優れ、お湯を入れるだけでできるので、
最近の冒険者に重宝されているようです。」
と話をする。
ミネア「儂はもう長いこと生きてきたが、この様なものは初めてじゃ。
なんで今までこのようなものが生み出されなかったのか、疑問に思う。」
エンリケ「儂が死んでからいろいろなものが世の中に出てきたのですね。」
「まあ、いろいろな技術が生まれれば、この様な発明もありますよ。」
と、お茶を濁した発言をする。
まさか、私が前世からの知識を持ち込み、作りましたなんて言えない。
翌日もミネアとミリアのローリングドリルを取得する訓練が続き、
夕方ごろにはようやく使い物になるレベルの破壊力を持った技量を、
ミリアは身に着けることができた。
ミネア「これだけの技量が身につけば、あとは明日朝クリスタル可能じゃな。」
とミネアからお墨付きが出る。
そして翌日朝、いよいよミリアとエンリケはクリスタルを採掘しに、
噴水の階段を降り、ガスのあふれる坑道に向かうことになった。
我々生きている者はただただ、その様子を見守る。
「ところで、クリスタルをとってきたとして、祭壇が使えないので、
どこで儀式を行う予定なんですか?」
ミネア「考えがある。祭壇が使えなければここに作ればいい。」
と話をする。
そういうとミネアは立ち上がり、村の広場に杖で魔法陣を描き始める。
ミネア「こんなことがまたあると思い、クリスタルに封印力を持たせる魔法陣を研究してきたのじゃ。
問題ない。」
とミネアは杖を振り、魔法陣を描きながら話す。
作者のうしねこです。この世界では幽霊でも魔法を取得できるんですね。




