275.ラッセルハイム視察6‗キノコの楽園
一行はキノコと苔の生える広場に出たのだが…
275.ラッセルハイム視察6‗キノコの楽園
??「…儂の1000年近い、長いエルフ生の中で、あのような国王は見たことがない。」
イリーナ「でも、国王は私たち国民1人1人を大事に思って、最善の対応をしてくれる国王だと思います。」
?「儂も今日初めて国王に会って、短い時間じゃがそう感じたが、国王自ら危険な冒険や知らない知識を、
損得なく民に披露する、それが信じられないのじゃ。なぜ周りは止めぬ?」
イリーナ「最初は止めようとする者もいました。しかし、何というか、国王ならどんな窮地でも乗り越え、
いろいろな知識で対応される、そのようなことが続き、
周りが国王を止めずに、理解して協力して物事を進めるようになったんです。
現に国王が行動を起こした後、国民にとって必ず良い結果が待っている、だから、
解体した貴族の生き残りが狙おうとも、モンスターに襲われようとも、
周りが最善を尽くし守る、いや国王の行動を止めずに、守りながら一緒に道を歩んでいかなければ、
この世界の大きな損失につながる、そう思えるんです。
ごめんなさい、言葉になっていなくて。」
???寝たふりを続ける。
ミネア「わかった。いや、わしも1000年近く生きてきた中で、
ここ数年、信じられないほど、新しいものや制度が目まぐるしく誕生している。
それは、国王が発信源だったんじゃな。
貴族の廃止に、自動車、医療というもの、話に聞いたが高層建築、そして誰もが空を飛べる乗り物、
なんでこの数年でこういったものが出てきたのか?
分かった。
儂もこの先そんなに長くないと思うが、国王にできるだけのことは協力しようと思う。」
イリーナ「国王もミネアさんほどの能力の持ち主が協力してくれたら、喜ぶと思います。」
しばらくこのような会話が続き、途切れたところを見計らって起きる。
さて、みんなが起きて、軽い朝食をとった後、旧坑道を進む。
通路は人二人が余裕でかがまずに通れるほどの大きさで平坦路。
難なく進む。
その間、私は脳内検索で大きな鉄鉱石と石炭層のある方向を確かめる。
1時間ほど進み、ぼんやりと明るい湿っぽい地底広場に到着する。
ミネア「旧坑道にはキノコの群生地があり、ここがそうじゃ。」
ミネアは指さす。
そこにはいろいろな種類のキノコと発光する苔でおおわれる空間が存在していた。
ミネアに説明を受けながら、以下のキノコを採取する。
アカテンタケ:回復ポーションの材料となる。
パープルプレーンタケ:解毒ポーションの材料となる。
イエローセンダケ:麻痺回復ポーションの材料となる。
ブルーストライプタケ:盲目解消ポーションの材料となる。
グリーンドットタケ:魔力回復ポーションの材料となる。
グレイサークルタケ:石化回復ポーションの材料となる。
ミネア「魔法が一時的に使えなくなる状態の回復や動きの鈍化する状態の回復は、これらキノコを複数調合して使えばいいのじゃ。
後は、エリクサーと致死寸前復活薬の材料となるキノコもわずかだがここで取れた。
エリクサーは体力と魔力が全快するポーションじゃな。シルバータケを使う。
そして致死寸前状態、どんな傷でも復活できる薬じゃが、ゴールドタケを使う。
あっ、そうじゃ。ホワイトストレートタケを忘れとった。
回復能力を強化する触媒となるキノコじゃな。
ここですべてそろえることができたのじゃ。」
村長「私はそんなところがあるなんて、何も聞いていませんよ~。そういうことは村長に早く教えてください。」
ミネアの説明のもと、それらキノコを探すと、すべて見つかった。
そして、私は1つのことに気づいた。
ホワイトストレートタケの生えている土壌、石炭の層に生えていたのである。
脳内検索をかけて石炭層の位置を検索すると、ここから西側に大きな石炭層となっていた。
ようやく石炭層を見つけた。
みんなにその旨説明する。
ヒシーニ「ここから石炭を採掘し、入り口まで直結し運ぶ坑道が必要ですね。」
ミネア「このキノコが採れる広場からは採掘しないでくれ。このキノコの採取場は今後も使い続けたいのじゃ。」
ヒシーニ「わかっています。」
ミネア「そういえば600年ほど昔、この広場で採取したキノコを入り口まで運ぶ通路があったな。どこじゃったか?」
と言いながら、広場の出口近くの通路をうろつく。
ミネア「ここじゃここじゃ。しかし崩落しているのう。」
私は脳内検索で調べてみる。
うっすらと一直線の通路?の様なものがここから伸びているが、薄い線のところはこのように崩落しているのだろう。
500mほどの緩やかな斜坑となっている。
「ミネア、悪いんだが、地底湖の前に使ったローリングドリルを使って、崩落した岩石や土砂をどかせないか?」
ミネア「儂もそう考えていたところじゃ。何とかなる。」
そういうと、崩れた坑道?と思われるところにローリングドリルを詠唱して、土砂や岩石を描き分けていく。
描き分けた土砂や岩石は周りの壁面に圧縮していくため、土砂を取り除く必要はない?そうだ。
1時間ほどで、ここキノコの広場と石層から入り口までの斜坑再開通した。
オスマン「ここにトロッコの基地を作り、ホッパーとベルトコンベアで石炭を積み込み斜坑の通路にレールを引き、
トロッコを電動ウインチで引き上げる。引き上げたトロッコの列車を村で大きな貨物に積み替え、運ぶ、このような流れですな。」
オスマンが簡単な測量を始める。
オスマン「今現状では8両のトロッコ編成を3本止められる基地ができますな。」
みんなが各々作業をしている中で、脳内検索を使い、鉄鉱石の位置を探る。
ここから500mいったところか。途中から50mほど掘らなければならないが。
私は鉄鉱石の層がある通路の先を眺める。
通路の先は暗く、何も見えなかった。
作者のうしねこです。
エリクサーや致死寸前復活薬の材料がとれるキノコ採取広場を今後どう使うか問題です。




