268.船の設計5‗リアの水生モンスター講座
船を航行するにあたり、危険なモンスターはどのようなものがいるのか、モンスター第一人者のリアに聞いてみることにした。
268.船の設計5‗リアの水生モンスター講座
次の日、船を作るにあたって、リアに危険な水生モンスターについて教えてもらうことになった。
なぜか、ディアンヌとクリスチーネも同席することになった。
まずは、クラーケンとグレートシャークについて。
クラーケンは予想通り、船の積み荷を触手で狙うモンスターで、
最長12mほどあり、危機に陥るとアルカリ性イカ墨の先例があるとか。
人にとって、この隅に触れると、失明や皮膚がただれる元となるそう。
ディアンヌ「ただ弱点は雷の魔法で、雷が当たるとすごい勢いで収縮をはじめ、
白く変わるのよ、あのモンスター。
クラーケンにかかわらず、海のモンスターや川のモンスターは雷系の魔法に弱いわ。
ただ、しびれくらげは雷系の魔法が好きね。」
リア「そうよね、自ら落雷のある海域に近づいて行ってるもの。
倒した時のドロップ品もほぼ1000%雷の魔石だし。」
「そんなモンスターいるのか?」
リア「電気を流し、敵をしびれさせる攻撃のほかにはパッとしないモンスターよ。」
「しびれくらげを養殖して、雷の魔石の量産化できるじゃないか!」
突然大きな声を出したので、3人のエルフは細長い耳をビクッとさせる。
ディアンヌ「あっ、そうよね。」
リア「エサはエビ系モンスターの幼生ね。確かに養殖できるかも。」
船の話から外れるので、話はここまでにするが、
しびれくらげ、別途養殖して、雷の魔石を安く量産できないか、研究してみよう。
リア「あと、ウズマイール川には電気ウナギがいるわね。
あれも雷の魔法を使うと逆効果。
元気に暴れだすわ。」
ディアンヌ「船に接触すると、レーダーなんかの電子機器が壊れるかもしれないですね。」
リア「船を絶縁処理すればいいのよ。陸上のサンダースライムの大軍を倒すとき、
ブニエビルプラントというモンスターの樹液を塗った防具を使うと、
ステータスがしびれ状態にならないわ。
この国の南部で大量に発生するモンスターだから、入手しやすいと思うわ。
よければ、試し用に討伐依頼出しておくわ。」
ああ、そうしてくれ。
となると、船に搭載する対水生モンスター用の武器として、
前世でマグロ漁師が使っていた電気槍が良いかな?
あとは電気網。
ほかに危険な水生モンスターがいないか確認しよう。
「リア、ほかに危険なモンスターはいないのか?」
リア「あとはダーツフィッシュかな、先端が鋭い槍上で、ねじりながら高速で飛んでくるの。」
「鉄の板は貫通するのか?」
リア「木造の船だったら貫通するわね。でも鉄の板はわからない。」
あとで試験が出来たら試してみよう。
リア「あっ、忘れていた。リバイアサンがいるわよ。」
話を聞くと、大きな竜のモンスターで、20mくらいあるらしい。
攻撃は体当たりとかみつき、ドラゴンブレスらしい。
容姿を聞くと、前世で言うリュウグウノツカイをもっと大きくし、素早く動き、
暴れ、ドラゴンブレスを吐くようなものか。
リア「これは…対策がないわ。手に負えないもの。
でも、若干電気に弱そう。」
ディアンヌ「そうね、高位のグランドサンダーボルトを一発撃つと、
半々の確率で逃げていくもの。」
絶対ではないのか?
リバイアサン対策、どうしたものか?
すぐには回答が出なかったので、課題の1つとして挙げることとする。
クリスチーネ「でも、クラーケンとか、レッドコニーフィッシュとか、
ベリーフィッシュとか、大きく強いモンスターでもおいしい海鮮食材になるものもたくさんいるのよ。
それらを捕獲する遠洋漁業船を作ってくれたら、もっと魚介類が庶民の口に入るのに。」
最後にクリスチーネに正論を言われた。
大型遠洋漁船も造船リストの1つに加えよう。
作者のうしねこです。
もし、遠洋大型漁船が作られるとなると、確かに身近にシーフードが食べられるようになるかもしれません。




