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260.イルン供給電力増強計画2‗どうやって天然ガスを掘り出すか?

歓迎晩さん会でアシモフは…

260.イルン供給電力増強計画2‗どうやって天然ガスを掘り出すか?


今回の歓迎式典と訪問の目的説明の会議の後、歓迎の晩餐会(夕食の晩餐会)に突入した。


オムカル「今日は国王をお迎えし、我がフェーレン市は最大限の歓迎をいたします。

国王の今後の健康と発展を祈り、乾杯。」


『乾杯。』


歓迎晩餐会会場にいる50名ほどの者すべてが、シャンパングラスを持ち、

高らかにグラスを掲げ、乾杯する。


会も30分くらいした頃、オムカルが話をしてくる。


オムカル「国王、明日ガスが湧き出る沼地に案内しますが、そのガスをどうやって採掘するんですか?」


「今考えている方法はまずやぐらを立て、先端に回転するビットという刃のついた長いパイプを回転しながら、

地面に沈めていく方法を今考えている。」


アシモフ「ここからはわしが説明する。

長い刃のついたパイプじゃが、いわゆる地面に穴をあけていくドリルじゃな。

パイプは10mの長さごとにつぎ足すことができるような仕組みになっており、

何十mどころか何百mも掘り進めることができるのじゃ。

刃は交換できる構造で、普通の鋼鉄よりも硬く、

摩耗しづらいものを使う予定じゃ。実際は、ミスリルの刃に土魔法の硬鉄化の処理をしたものじゃな。」


アシモフは説明をしながら700mlの瓶入りワインを一気にあおる。

そして説明を続ける。


アシモフ「さて、ドリルを回転させながら掘っていくとするじゃろ、ただ掘るだけじゃない、

掘った泥は特殊な液に溶かし、泥水として地上に吸い上げて、ろ過をする。

泥の成分をとった後、再利用する。

この泥水は、刃が高速回転する時に発生した熱をとったり、

掘った後の穴の土の壁面が崩れないために、補強する役目もある。

ただ、完全に崩れないために掘った後はミスリルの鋼管を注入していく。

鉄を使った場合、土壌の塩分や水分による腐食を防ぐためにミスリルを使うのじゃ。」


ここでもう1本ワインの瓶が入り、一気に空ける。


アシモフ「そしてじゃな、ガスが良く出る土層に到達したら、火薬で層にヒビを作り、

ガスが出やすい様にするのじゃ、うまくいくとガスが噴き出す。」


ここでもう1本ワインの瓶が入り、一気に空ける。


アシモフ「ガスはガスだけ出てくるのではなく、水や油や砂が混じっておる。

まずは地面からこういったものが混じって吹き上がっていたものを分ける過程が必要なんじゃ。

これらからガスだけ分けたら、次は二酸化炭素を分離する。そして再度除去できなかった油や水分を取り除き、

初めてガスだけになる。」


ここでもう1本ワインの瓶が入り、一気に空ける。


アシモフ「ここで冷却して液体化してイルンの発電所に持ってくるか、

ここに天然ガスの発電所を作り、電力をイルンに送るか、ここは明日の現場視察を通し、

国王が決める予定らしいのじゃ。」


ここでもう1本ワインの瓶が入り、一気に空ける。


「…。アシモフ、もうお酒はやめといたほうがいいんじゃないか?もうワイン5本空けているようだが…」


アシモフ「ドワーフにとってこれくらい食前酒じゃ。問題ない。」


その後、アシモフは計12本のワインの瓶を空けた。


ーーーー


次の日、フェーレンの最高級ホテルの前。


アシモフ「おはようございます。国王。」


パウラ、イスナルドをはじめ、バスでこれから視察現場に向かおうとしているメンバー全員が引いている。

普通にすっきりした顔をしたアシモフがバスに乗り込んできた。


イスナルド「私の研究対象が1つ増えましたな。」


バスは30分近くかけ、フェーレン市郊外のガスが出る沼地に向かう。

現場は、大きな岩があちこちにあるすり鉢状になっている岩場で、すり鉢の底のところに沼がある。

民家はなく、高い木は生えておらず、所々に低木があるだけのところだった。


通り沿いに1か所、3台車が止まっている。

イスナルド「どうやら、長い間、20年でしたっけ?

吹き出るガスに引火して、燃え続けているところらしいですな。」


この世界の人は私が転生してくる前は、満足に食べるものがなく、前世の中世の環境とほぼ同じだったが、ここ数年で大きく、前世の近代の様に文化や産業が一気に進んだ。


その結果、車で観光をするという文化が生まれていた。


燃え続ける炎は50cmで、周りに観光客?が集まっている。


イスナルド「ここもすでに観光地化していますね、国王。」


ここから10分ほど走り、試掘予定現場に到着した。

岩場の緩やかな傾斜地である。


パウラ「ここには発電所まで無理ですね。

ここでガスを採掘して、高圧気体化したガスをパイプで送らないとダメですね。

ここは採掘基地のみで、この市の平らで広いところに発電所を作り、高圧線でイルンまで電力を送る、ですね。」


「そうだな。あと発電所だけでなく、雷の魔石に魔力(電力)を充電する工場も併設させよう。」


イルン供給電力増強のプランが少しづつはっきりしてきた。

この後、詳細なガス埋蔵量と試掘が正式に行われることになり、

一緒に来たエンジニアがこの市に残ることとなった。」

作者のうしねこです。

電力の足りないイルン市の電力増強計画が具体化した様です。

それにしても、身長が150㎝くらいの男性?のどこに12本分のワインが入るのだろう?

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