26.上下水道と発電所建設
<新規技術>
変電所、変電所、交流と直流、周波数、三角関数、交流変圧、整流回路、平滑回路、沈殿槽
<新規場所>
レンネ池、西イルン湖
26.上下水道と発電所建設
町の東西と南北の街道に上水道管と下水道管を設置し、高圧電線も設置する工事が始まった。
東西街道はそれに加え、架線を張り、レールを敷設する工事も始まった。
上水道の供給施設と発電所、路面電車の変電所を水道橋駅付近に設置する。
発電所の建物の建築が始まり、高いところを流れる水路から低いところを流れるブルツブルグ川まで、
新たに水路と送水パイプを引き、水路の中に歯車を取り付け、モータ機構で発電する。
ただ、発電した電気を変圧安定化、そして被雷時の保護機構を整えた、変電所の開発は時間がかかり、
最初は雷の魔石を利用することとする。
シモーネとヒシーニ建設大臣、イリーナに、ボルトとアンペア、交流は周波数の概念を説明した。
「前にも少し説明したかもしれないが、電気はボルトとアンペアというものがある。
電気を水路に例えると、ボルトは水の流れる勢い、アンペアは水の量だ。
ここまでは前話した。電気は直流と交流というものがある。」
いつもの製鉄工所、所長室の黒板の前で力説する。
黒板にY軸電圧、X軸時間のグラフを描き、
「直流というものは、時間当たりの電圧の変動がないもので、交流は、時間あたりで電圧の変動があるものを指す。
この波形は正弦波と言って、算術でSinΘで表す。同じようなもので、cosΘ、tanΘというものがあるが、
このSinΘで表す電圧で、1秒間に何回の波があるかについて、Hzで表す。例えば50回の変動がある場合、50Hzとなる。」
「長距離に電気を流すとき、直流はロスが大きく、交流を使う。」
「交流と直流に対し、変換するすべはいくつかある。例えば、まず、トランスという電圧を変動する装置で電圧変換する。
真ん中に穴の開いた鉄心にワイヤ電線の巻き数を変える(これを1次巻き線、2次巻き線という。)ことにより、交流変圧する。」
黒板に絵を描く。
「その後、1方向にしか流さない電子部品をひし形につなぎ、
ブリッジ整流回路という回路(整流器)を作る。」
一方向にしか電流を流さない素子というと、ダイオードやサイリスタがあるが、真空管ダイオードがこの世界では作れるか?
「真空管ダイオードを作ってほしい。正電荷帯電の検電器が放電し、
この検電器を取り囲む熱を帯びた金属に放電する、逆に電流が流れない性質を使う。」
「これで、電圧が負圧になることはなくなる。
ただ、まだ電圧変動があるので、
コンデンサという電気を一時的に吸収した放出する部品で平滑化したりすれば、交流は直流になる。」
コンデンサは2枚の金属板を使ったシンプルなものがあるが、特定の周波で変動するので、
周波数特性を考えなければならない。
帯電膜とセパレータを交互に配置する積層型がいいか?
コンデンサの原理を説明する。
「コンデンサは電気を吸収したり放出したりする部品。コンデンサの形状によって、前述の時間や、
蓄えられる電気容量が変わってくる。この要領をファラッド(F)という。」
この様な機構を開発してくれないか。
建設大臣、一瞬「また国王の無茶ぶりを」という顔を一瞬したような気がした。
あとは、上下水道だな。
水路より下の部分には、沈殿槽を通し、上水道管で水を供給する。
水路より高いところは、城の裏山のレンネ池から沈殿槽を通し、給水する。
町の西側の地区は西イルン湖から沈殿槽を通し、給水する。
下水道は、ブルツブルグ川の東岸、西岸に貯水池を作り、スライムで浄化した後、
ブルツブルグ川に流すこととする。
早速、設計を始めてもらう。
作者のうしねこです。
ライフラインとなる、発電設備と水道設備を設計検討開始。
復興には重要なファクターです。




