257.お米の栽培3_収穫
国王は念願の米を手に入れることになる。
257.お米の栽培3_収穫
自機は秋になり、イルンの市場では、いろいろな収穫物が並び、感謝祭が開かれている。
しかし私、国王として、最も楽しみな時がやってきた。
そう、今年の春にたまたまお米のもみ殻を入手し、農業営団の試験農場で水田を作っていたのだ。
ここイルンで調達できる水質として、硬水と軟水があり、ブルツブルグ川の水は硬水で、
イルン近隣の山からの湧き水やその水系の小さな川の水は軟水となっていることが分かった。
ここ農業営団の水も軟水で、水田に使う水としては適していた。
しかも、今回栽培しているお米はジャポニカ種の粘り気のあるお米である。
早速、私国王とクリスチーネ、そしてなぜかついてきたディアンヌとリアは、
ルーカス農業営団団長の事務所を訪れる。
ルーカス「ようこそいらっしゃいました、国王。
稲にはたくさんの実がつき、今が最高の刈り取りの時期です。
その恰好では汚れると思いますのでこちらに着替えてください。」
更衣室に割り当てられた会議室の机の上には、薄い黄色がかった麻の作業着が置かれている。
早速その衣装に着替え、水田の方へ歩いていく。
水田では、すでに水が抜かれ、実をいっぱいつけた稲穂が黄金色に輝いていた。
水田の近くには、麻ひもと鎌が置かれ、鎌で刈った稲穂を束ねて麻ひもで束ねられる様になっている。
まあ、稲をひも代わりに使って束ねてもいいのだが。
早速鎌を持って、田んぼに入っていく。
前世の子供のころ、実家は農業もしており、水田をいくつか持っており、
祖父によく連れだされて、稲の刈り取りを手伝っていた。
本当はコンバインが欲しいところだが、この世界にはない。
1束ずつ鎌で刈っていくが、規則的に間隔を空けて苗を植えていたので、
狩りやすい。
ルーカス「そうか、この苗の植え方は、草の処理をしやすくするだけではなく、
稲の束を狩る時、とても刈りやすいという利点があるためか。」
「そのほかに、風通しを良くし、病害虫を付けづらくしたり、
苗に栄養を吸収しやすくするなどの利点もある。」
ルーカスと農業営団職員数十名、クリスチーネ、ディアンヌとリア、そして私国王は、
8面ある水田の稲を刈っていく。
刈った稲は木の柵にかけていく。
ほぼ1日かけ、ようやく作業は終了した。
リア達の作業の感想として、
「その場で試食できると思ったのに…疲れ損だわ。」
とのこと。
3週間後、国王は再び農業営団を訪れた。
今日は先日稲狩りをし、天日干しをしている物を、脱穀するためである。
まずは、乾燥した稲の穂を大きな櫛状の道具に通し、実を落としていく。
落とした実を集める。
通常長期保存するとき、この状態で低温のところで保存をする。
すぐに食べる分に対しては、もみ殻を外す作業を行う。
ここで、私はある機械をアシモフに作ってもらっていた。
それは、2つのブニ(ゴム)を巻き付けたローラーの間に、
籾を通すことにより、もみ殻を外す装置である。
もみ殻はゴムローラの摩擦により、もみ殻だけ向けるという原理で、
ローラはモータで回すタイプである。
早速実験してみると、中の米が砕けず、かつほぼすべてのもみ殻をとることができた。
ほぼこれらの作業に1日かかったが、収穫は500㎏弱となった。
その内、もみ殻を外したコメは50kgほど。来年度の苗に回す分は200kgぐらい、
もみ殻を付けて長期保存しておく分は250kgと割り振る。
早速、帰ったら久しぶりの米の料理について、じっくりと味わうことにしよう。
作者のうしねこです。
前世で食べなれた米料理、この世界では麦飯のみで、食べていなかったため、
相当米の料理に飢えているようです。




