251.VSドラゴン戦3
同僚機の援軍に向かうことになったレイチェルであったが…。
251.VSドラゴン戦3
ホワイトドラゴンを倒したところに無線ビーコンを透過し、
レイチェルは同僚機の援軍に回るため、同僚機からそれぞれ一定間隔で出力されるビーコンの強弱を確認し、
同僚機の位置を旋回しながら確認する。
レイチェル「どうやら北北西にいる様ね。」
レイチェルは電波の最も強くなる方角に自機を向け、エンジンのスラストレバーを最大にし、
急いで援軍に向かう。
およそ15分飛行したところで、グリーンドラゴンと同僚機2機が交戦中のところにでくわした。
レイチェル「私も応援に入るわ。」
そう交戦中の同僚機に伝える。
グリーンドラゴンは同僚機のうち1機を追跡中で、その後ろに自機をつける。
そして急いで照準を合わせる。
弾丸を電気魔道機関砲に設定、装填する。
レイチェルはグリーンドラゴンを追う形で弾丸を発射する形となり、
ドラゴンへの被弾速度が落ち、物理的な破壊力が無いと想定し、
麻痺効果のある電気弾にした。
グリーンドラゴンにロックし、距離を1000mに詰め、4発、電気魔道機関砲から電気弾を発射する。
電気弾は見事4発ともグリーンドラゴンに命中し、胴体に2発と左翼に2発、それぞれ被弾した。
電気による麻痺効果から、左翼が使えなくなり、空中でバランスを崩し、地面に向け落ちていく。
やがて15秒ほどで地面にグリーンドラゴンが激突したところを確認した。
レイチェル「撃墜したわ。」
同僚機に無線でそう伝える。
旋回し、土ぼこりが収まるのを待つ。
やがて、土ぼこりが収まり、グリーンドラゴンはホワイトドラゴンと同じく、
地面への衝突の勢いにより、片翼がもげ、もう一つの翼ももげかかっているところを確認した。
首も折れ曲がっており、ピクリとも動かない。
レイチェル「どうやら倒した様ね。」
レイチェルはそういい、後で回収するための無線ビーコンを落とす。
ドラゴンの死体は非常に貴重であり、勇者や強力な魔法を放つ魔導士が倒した時しか市場に出ず、
角や竜骨、肉、翼など、非常に高価で価値がある。
これらドラゴンの部材は、エリクサー、武器や防具、高級貴族や王族の衣服などに使われる。
後でビーコンの電波を頼りに死体を取りに来るのだ。
レイチェルは同僚機にそのほか3匹のグリーンドラゴンを倒したことを確認し、司令部に報告する。
レイチェル「司令部、グリーン4匹、ホワイト1匹、それとレッドが1匹、全てのドラゴンを倒しました。
すべて無線ビーコンを落としてきましたので、回収願います。
あと、1機ホワイトドラゴンに倒され、撃墜されました。」
レイチェルはその場所に投下したビーコンの番号と周波数を連絡する。
レイチェル「撃墜された機は、5号機、リール国所属機です。」
手短に状況を伝える。
レイチェルは無線越しに司令部からの歓声が聞こえ、司令部からの無線が聞こえずらくなっていた。。
レイチェル「えっ?よく聞き取れません。」
大きな声で言う。
司令部「みんな、静かにするように!各機のパイロット、そしてレイチェル、よくやった。
フィンデル空港にいったん寄港の後、イルン空港まで帰還するように。」
レイチェル「はい。」
司令部の歓声はまだ続いていた。
レイチェルの機及び同僚機6機は一路東に機体を向ける。
1時間と少しでフィンデル空港に到着する。
7機は順々に空港に着陸する。
レイチェルは指定された駐機場に止めると、デルフィン国王をはじめ、多くの王族が駐機場の周りに集まっており、
盛大に歓迎された。
デルフィン国王「よくやった!これでドラゴンの被害にあったフィンデルの民が報われる。
そなたは国のヒーローだ。司令部との無線のやり取りを、私もここフィンデルから聞いておったぞ。」
各戦闘機とイルンにある司令部との無線のやり取りについて、
ここフィンデルにある司令部とギエフ民国のヴィウリの司令部もつながっており、
各国で状況を確認でき、それで国王は状況を知っていた様だ。
この世の中時々勇者という存在が現れるが、勇者がドラゴンを仕留め、
国に帰還する気持ちを体験できるとはレイチェルは夢にも思っていなかった。
私は勇者ではない、国を守る一軍人だ。
なにか恥ずかしいような、心のどこかがむず痒くなるような…そのような心境となる。
2時間ほどで、機体の点検と動力源である雷の魔石の充電を済ませ、
再度フィンデルの空港を後にし、本部のあるイルン空港に向かう。
イルン空港でも、着陸し駐機スポットに着くと、レイチェル及び今回戦いに参加したパイロットは、
ローランド国王をはじめ、多くのリール国の政府関係者に熱烈な歓迎を受けた。
作者のうしねこです。
全てのドラゴンを倒し、勇者と同等の歓迎を受けるレイチェル及び、今回戦いに参加したパイロットであった。




