244.エージェント05Mポガロの推理
元警察組織にいたエージョント05Mポガロは、旧王城南西の塔の鑑識活動を行う。
244.エージェント05Mポガロの推理
サヴァリアントLCIA局長の命令を受け、エージェントコード、05Mのポガロは旧王城南西の塔に来ていた。
彼は140歳のドワーフであるが、LCIAが立ち上がる前は、
警察組織で捜査を第一線で行っていたベテランであった。
その経歴を生かされ彼はLCIAの局員となった。
状況の背景はサヴァリアントLCIA局長からおおむね聞いている。
ディアンヌ団長曰く、強力かつ正確な真空派の魔法の詠唱があり、3㎞先の国王の部屋を直撃したとのこと。
私が来たのは、その証拠固めとなる。
ここ、旧王城南西の塔はビルでいえば5階建てほどの高さがあり、
円形で4m直径ほどの円形構造となっている。
そしてこの場所は城の防御をなし、坂を上って攻めてくる敵を一望できる位置でもある。
ただ、弓矢の攻撃を避けるため、円形の塔の外周は凹凸のある石垣構造となっている。
今現在は旧王宮自体を博物館に改修していたが、一時中断をしており、
誰もいない状況となっている。
足場この塔の屋上床部についても、しばらく誰もここに来なかったのか、
水はけが悪いのか、一面苔が生えている。
一応、ディアンヌにも後ほど、この場に来てもらう。
観察を始めることとする。
まずは、苔の床部が3か所剥げているところがある。
三角形なので、何かの三脚を立てたようだが、
国王の状況を確認するため、望遠鏡の三脚か?
それぞれの距離を図り、苔の禿げ方もメモをする。
そして、ビルの国王の部屋の方向のでこぼこした石垣の1つに引っかき傷?が2か所ある。
他に気になるところといえば、階段入り口の一部に薄く泥が堆積しているが、
足跡が。
これは、石灰でとれそうもない。これの寸法と模様をノートに記入する。
大きく目立つのはこれくらいか?
その後、しゃがみ込み、苔むした床を凝視する。
すると、白髪で長さ30㎝弱の髪の毛が何か所からか見つかる。
これを採取する。
後は、あるところで円形に苔が少し押しつぶされたようになっている。
正確には、苔の上で何か円形に擦れたところがあり、
2か所、苔がすれている。
これもノートに形状と位置関係、大きさをメモをする。
あと階段を降り、塔の各階の確認を行っていく。
そうしたら、塔の3階から、アイテムの魔力補給薬瓶?
が見つかった。
後は党の入口だな。
塔の入口は3段くらいの石垣の後、泥の地面になっている。
その地面にはタイヤ痕も残っている。
これらの情報をすべてノートに未記入していく。
背景を推測すると、三脚を立てを立て国王の部屋を観察する。
国王が部屋にいると分かった時点で、真空波の魔法を詠唱する。風は詠唱者を中心に渦を巻き、
苔に傷をつける。
詠唱者は風に飛ばされない様、足を踏ん張る。
この時、三脚が倒れ石垣に傷をつける。
およそ5分の詠唱後、魔力が足りなくなり、
魔力回復のポーションを飲む。
その空き瓶(魔力補給薬瓶)を捨て、三脚と望遠レンズを持ちながら、
塔を降り、車にこれらを積み込み、去っていった。
塔に来てくれたディアンヌに、苔や石垣の傷、足跡、髪の毛が自分のものではないことを確認してもらう。
落ちていた髪から、20cmくらいのグレーのロングヘアーをしていると言える。
足跡は細く、26㎝の長さ。
ポガロはセクション3の技師であるエージェントコード30Eのナグレアに相談をし、
三脚のタイプとそれに装着可能な、望遠レンズを割り出すことに成功した。
後は、靴のタイプも。
そして落ちていた髪を顕微鏡などで分析して、エルフやドワーフの物ではなく、
高齢、50代以上の人間女性の物であることが分かった。
これら情報を後ほど、サヴァリアント局長と国王に報告する。
国王は、ここまで精密な鑑識技術があったことに感動をされていた。
作者のうしねこです。
国王の部屋めがけて真空波の魔法の詠唱を行った犯人の証拠固めを行って、
この人物像と行動を割り出すヒントを手に入れた様です。




