23.イルン北医療院、カテーテルと気管切開
<新しい技術>
カテーテル、気管切開、ドレナージ、カニューレ、胃ろう
23.イルン北医療院、カテーテルと気管切開
以前訪問した、下層階が倒壊したイルン北医療院の新鉄筋建屋建設開始されるというので、
医療衛生大臣、建設大臣と早速視察する。
旧病棟の隣の整地したところに建てられる予定とのこと。
久しぶりに仮のテントの事務テント棟の中にいたフランコ元薬療科長、現療院長にあう。
以前私が指摘したことは守てくれているようだ。
彼は薬事部出身ではあるが、日本で言う、内科と外科等、ほかの診療科も見ており、ベテランとのこと。
彼と診療処置の話を少しする。
先日説明した解毒ポーション(ペニシリン)と麻痺ポーション(リドカイン)で、切開や縫合処置を行う様になり、
患者の生存率が2倍以上に跳ね上がったとのこと。
今日はカテーテルと気管切開による処置を説明する。
「手術にて処置をするときの鉄則として、切開部分をできるだけ作らない方が患者の負担が少なく、治療時間が短くなる。」
「その場合、切削部分を最小にし、ブニ(ゴム)でできた、消毒された細い管で処置をすることができる。」
「例えば、心臓や血管等の閉塞がある場合、麻痺ポーションで局所麻酔をした後、細い管を入れ、閉塞部分を広く拡張し、
ステントなどの鉄の管を入れる。」
待て、造影剤などで、血管をスキャンしながら処置を施す必要があるな。
確か、魔法で透視するものがあったな。ディアンヌ魔法導力研究所所長に確認しよう。
ひょっとすると造影剤なしで、カテーテルの位置と患部をモニタリングできるかも。
「そのほか、人間の呼吸をつかさどる、というか、人間は血液中の二酸化炭素という小さい物質を空気中の酸素と、
肺という気管を通し、呼吸をしている。万が一、圧迫や肋骨骨折などによる肺にダメージを受けた場合、空気が漏れ出し、
動脈や心臓を圧迫する。そのため、漏れ出した空気をドレナージで体外に、カテーテルを使い、排出する必要がある。
カテーテルの一端は水を入れた瓶に差し込み、空気の泡が出ているかどうか、正しく処置ができているか、確認する。」
「あとは尿道カテーテルなど。
排尿が難しい患者などは、尿管にカテーテルを通す。
この時カテーテルの除菌処理がされていないと、血液中の不純物や調節した水分を尿として取り出す役目の腎臓という器官に菌が伝播し、
腎不全を起こすことがある。
この時、透析という、体の外で、不純物を取り除く処置や一端腎臓を切開で取り出し、洗浄する処置をしなければならなくなる。」
現代では、血液中のカリウム値が2.0を超えた段階で要注意なのだが、どうやって血液成分の調査をこの世界でするか?
課題である。
「確かにカテーテル処置は便利な物ですね。」
「後で、ディアンヌやイリーナに製造、提供のことで相談をしよう。」
「あと処置によっては食事を取れなかったり、痰を自分で飲み込めない程、弱ることがある。
その場合、のどの気管を切開し、穴をあけ、再閉塞を防ぐため、カニューレという、これまた短い管を入れる。
そして、カフという固定装置を使う。もし、痰を出せない患者はここからカテーテルで吸引する。
肺に酸素を取り込む力が弱い患者はここから酸素を投入する。」
「食事が長期にとれない場合、鼻の穴から胃、または胃の近くを切開し、胃までカテーテルを通し(胃ろう)、流動性の高い栄養を流し込む。食事をとれない嚥下障害等、(口から食事をとると、健康な人間は胃に流し込まれるが、それができず、肺に行ってしまい、誤嚥性肺炎を引き起こす障害。)処置を取れる。」
私のいた日本は平和で戦争もなく、高齢化が進み、年を取ると、この様なケースが多くなっていたが。
さてここまで話した段階で、課題は、
➀カテーテルやカニューレ、吸引装置の製造
➁スキャナと透視魔法の開発。
➂血液の成分検査方法。
➃純度の高い酸素の生成。
である。
医療衛生大臣とフランコ療院長に
「誰か研究をお願いできるものはいか?」
と聞く。
「それならベテランのイスナルド医師が適任です。」
今度計画をしている、医療大学校にこのような研究施設を設けることとした。
そこで働いてもらおう。
イスナルドに挨拶をし、療院長に話したことを説明した。
そのうえで、課題を解決するため、今度設立する医療大学校で研究を行ってほしい旨説明したところ、
了承してもらった。
設立を急がなければ。
治療と処置に関してはたくさん説明することがある。脳内検索で。
あと知事時代に、役所で医療課や福祉課等があり、地方組織として、
公立病院の運営もしていた。少しは知識がある。
最後に医療衛生大臣、建設大臣の2名、話についてこれなかったようだ。
作者のうしねこです。
国王、医療の知識をこの世界に広めようとしています。
医療大学校の研究施設設立、うまくいくといいのですが。




