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229.試作戦闘機

かねてから研究していた試作戦闘機に、国王一同は乗り込むことになった。

229.試作戦闘機


昼食をはさんで、午後に一同はイルン空港へ向かうことになった。

バスは直接空港の格納庫の中に入り、3機ならぶ試作機の前に止まる。


この試作戦闘機は4人乗りで、前世のF16戦闘機とは違い、コックピットのガラス開閉式ではなく、

超小型ビジネスジェットの様な気体である。


オスマン「こちらに3機の試作機が止まっていますが、一通り説明します。」

と話をし、オスマンが一通り試作機の説明をする。


シモーネ「この機は午前中説明したとおり、レシプロエンジンで最高設計速度が480㎞/hで設計していますが、

今現在ターボプロップエンジンという新型のエンジンに置き換えられる様設計されています。


ターボプロップエンジンというのは、レシプロの機械式と違い、ガスタービンエンジンという新しい仕組みのエンジンです。

それは、従来のプロペラ方式に合わせ、プロペラ後部にある吸気口から取り入れた圧縮空気に、

気化した航空燃料を配合し、燃焼してより大きな混合気の流れを作り出し、その気体の流れによってタービンを回し、

それをプロペラ動力とするものです。


雷の魔石モータの動力に、流体から得られる回転助力機構を採用し、エンジンの出力を上げています。


今我々は研究で、空気と燃料の比率の内、空気の比率をできるだけ上げて安定した大きい出力と燃費を得る研究をしています。

それには、ガスタービン内の流体の流れが最も良い形状はどういう形状か?が、カギになります。


また、強度や熱に対して体制のある合成金属材料やプロペラシャフトを回転させるにあたり、摩擦ができるだけ少ない、

構造が必要なのです。


今回国王との間で研究をし、ベアリング機構というのを試作設計し、

軸受内に小さな摩耗と熱に強い真円に近い金属製のボールを干渉機構として採用、

試作設計しています。


そして金属材料なのですが、ミスリルだけだと軽くていいのですが、強度が無く特に繰り返し振動に弱い、

また摩耗性が高いので、すぐにガタが大きくなり、課題が多いので、

ミスリルとアダマンタイト、それに鋼系の合金を使用し、回転出力と振動、熱に強い、

エンジンに優れた金属材を開発しました。」


実際、ターボプロップエンジンの治金をシモーネは関係者に見せる。


?いまいちピーンと来てないようだが?


レイチェル「あのー言っていることが分かりません。」


国王やシモーネ、アシモフ等は、国王の脳内検索によって、

国王が常に現代日本の知識を調べ、教えることによって、急激な知識を身に着けつつある。

いまイルン工学大学校では、機械力学、流体力学、材料工学、振動工学、熱力学、電磁気工学等教えられ初めたが、

周りの国は…ほぼ中世のままである。


ヘッセン「今は何を言っているのかわからないが、この国の急激な技術発展は目を見張るものがある。

わしらは学ばなければならん。少しづつでも。」


アリシア「この国に来て半年以上、まだわからないことがほとんどだが、少しづつ言葉の意味と原理は分かる様に、

努力はしているわ。実際数年前まで、人間は空を飛べないもの、魔法の発達により、空を飛べるようになる、

と考えていましたが、誰でも魔法に関係なく快適に空を飛べるなんて。思いもよりませんでしたわ。」


私が転生し、国王の生まれ変わりとして存在することが本当に良いことなのか?

この様な知識を急激に広めてよかったのか?今も思う。


でも前世で、元々この世界と同じ文化レベルであった中世の時代は、生涯寿命の平均は50歳、

でも、私が転生するすぐ直前の日本は平均寿命が80歳を超えていた。


医療が発達し、おいしいものを何不自由なく食べられ、娯楽にあふれている。

前世の中世の人と現代の人、どちらが幸福だったのか?転生してきてからよく考える。


私の結論は現代の人が幸せである、長寿命で物にあふれ、

自分が幸せであるということを気づいていなかったのではないか?とときどき思う。


さて、シモーネの説明は続く。


シモーネ「このエンジンの開発によって、飛行高度が3500mから7500mに上がりました。」


イスナルド「人は窒素という気体物質が約80%、酸素という物質が約20%の気体を吸っており、

酸素をとりいれることにより、血液中の二酸化炭素を排出している。いわゆる呼吸です。

高度が高くなるということは、酸素量が減るということで、

飛行機の様に急激に上昇すると、酸素量の急激な減少に順応できず、

失神したりし問題があるのです。

今私は、スモールラットを使い、試作機を使って症状の研究を進めています。」


アリシア「今、急激な上昇は失神するって、話していたわね。

なぜテストパイロットは失神しないの?」


シモーネ「それはテスト機の操縦者のいる空間だけ、与圧する機構を採用しています。

金属製の密閉空間を期待の内部に作り、空気が漏れない様、

ドアの隙間のところはブニ(ゴム)機構で、覆っています。

与圧した金属の部屋は、エンジンからの圧縮空気と排気弁で圧力を調整できます。

この機構は今は試作戦闘機だけですが、ターボプロップエンジンを将来民間機に搭載した場合、

民間機にも客室は圧力がコントロールできる装置を採用予定です。」


その後、午前中に説明のあった、機関砲と機銃がシモーネから改めてあった。


オスマン「それでは実際に登場してみますか?

高度7500mの世界にお連れしますよ。」


関係者は3機の試作機に分乗し、滑走路を飛び立っていく。

作者のうしねこです。

周りが中世の時代なのに、私が治める国は、脳内検索の機能を使い、前世現代の技術レベルに近づきつつある。本当に良かったのか?時々そう思う転生国王。

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