200.北部防衛計画3‗北の外交官登場
北のホスナブルック王国の外交官からコンタクトしたい旨情報があり、
真義を確認しようとする国王。
200.北部防衛計画3‗北の外交官登場
ある日北方教会イルン司祭長であるヴィンセントより、閉鎖している北のホスナブルック王国より、
外交官のアイヴァンが我が国にホスナブルック国王の書簡と面会を希望している旨話があった。
北方教会はいくつの国にまたがる組織であり、政治には中立を一貫している。
だが、国交がほとんど皆無の状態においては仲裁役を果たす事もある。
このことをホファーとサヴァリアントに話す。
サヴァリアント「疑わしいですね。」
ホファー「何が意図でしょうか?」
「わからない、ただ、理由が通らない方法で断ると状況を悪化させる可能性がある。」
サヴァリアント「やたらと国内を『視察』させたくはないですね。」
「その点は同感だ。」
ホファー「国王、何か考えがおありで?」
翌日、私はホファーとサヴァリアントと一緒にイルンにある北方教会に赴き、
ヴィンセント、イルン北方教会司祭長に会うことにした。
司祭長室はイルン北方教会礼拝堂に隣接する建物にあり、
話の秘匿性が高いため、建物の裏から車で入り、目立たぬよう司祭長室に向かう。
日が入らない狭い部屋で装飾されていなく、質素な部屋であった。
狭い質素な部屋ではあるが、木製の長いすとテーブルがある。
ヴィンセントは、ここへ座るよう促す。
ヴィンセント「あまりにも質素で驚いたでしょう。
宗教家たるもの、祈りと信仰が必要で、それ以外のものはいらない。
それが私の信条です。」
「ところで、今日は例の話をしに来ました。」
ヴィンセント「あの話ですか。私も教会組織を通しホスナブルック王国の王都、
ベルミの教会から通達があったのですが、詳しくは知らないのです。」
サヴァリアント「なぜこの時期にこのような通達があったのかもわからない?」
ヴィンセント「ええ。ただ…」
ホファー「ただ…?」
ヴィンセント「ベルミ教会のトラヴィス司祭が消息不明でして。」
サヴァリアント「消息不明?」
ヴィンセント「はい。外交官が我が国とコンタクトを要望している連絡の後、
現地の教会から失踪の連絡がありました。」
「わかった、とにかく外交官と会おう。
ただし、北砦近くのハリスレーで会うこととする。伝えてくれ。」
ヴィンセント「わかりました。」
後日、国王とホファーとサヴァリアント、そしてヴィンセントは、
ハリスレーに向け、出発した。
作者のうしねこです。
ホスナブルック王国からコンタクトがあり、国境近くの町で会うことを決めた国王であったが…。




