194. 国防のお話とデモ飛行
飛行機でテストフライトを兼ね、ヴィウリを訪問したっく王一同、日帰りで国防会談とデモ飛行を行った模様です。
194. 国防のお話とデモ飛行
飛行機が着陸し、滑走路の隅に駐機しドアが開くと、
タチアナ女王とドロシー第2王女、外務大臣のフェルナンド、
建設大臣のエリス、そして護衛の衛士が迎えに来てくれた。
飛行機のドアに取り付けられているステップを降りると、
軽い挨拶ののち、用意されていた車に分乗し、空港を離れ、
ヴィウリ城に向かう。
ただ、ディアンヌだけは空港に残り、1回、
700km程のフライトで20%放電してしまった雷の魔石の充電装置(魔道具)の視察を行うとのこと。
城に入ってからかねてより話をしていた軍事会議と北方ホスナブルック王国の最新状況の情報交換会を行う。
暗くなる前にイルン空港につかなけれならないので3時間で要点をまとめて話すが、
事前に電話会議でホファーとフェルナンドが調整をしていたので、
その調整内容の確認を行うにとどまる。
その内容は、
①互いに調査機関を使い得た、ホスナブルック王国の兵器とその配備状況。
②仮にホスナブルック王国が攻め込まれてきた場合の援軍支援詳細
③3国連合(リール国、ギエフ民国、フクセンブルク公国)の兵器相互協力の内容すりあわせ
であるが、特に③について、爆撃機や戦闘機の共同開発が話題のメインになった。
乗ってきた飛行機は民間機仕様であるが、この機体の軍事転用についての話と、
軍事仕様機のギエフ民国売却と所有、運用に関しての話を時間をかけてする。
これら打ち合わせは午後2時くらいに終わり、
タチアナ女王とアリシア第1王女、ドロシー第2王女、外務大臣のフェルナンド、
建設大臣のエリスを搭乗してきた機体に乗せ、試験飛行を行う。
打ち合わせが終わり、空港に戻ってきた我々を見てディアンヌは、
ディアンヌ「もう戻ってきたのですか?」と驚きつつも、
ディアンヌ「雷の魔石、充電しておきました。」
との回答。
皆、滑走路わきの飛行機に乗り込み、
オスマンと交通営団のパイロットに
「30分くらい、ヴィウリ上空をデモ飛行するように。」
と告げる。
ドアを閉め、プロペラのスロットルを旋回して滝寝具できるように調整しながらランディングを始める。
タチアナ女王とドロシーは、コックピットの予備椅子に座り、操縦の様子を眺めている。
飛行機の向きを変え、再び滑走路の端に一旦停止し、徐々にプロペラのスロットルを押し、
回転数を上げていくと徐々に飛行機は速度を上げ、離陸スピードに達すると、
ゆっくりと地上を離れる。
タチアナ女王「うわー、乗り物が斜めに。地上が離れていく。どうなっているの?」
ドロシー「キャー、体が変な感じー。」
2人とも飛行機はもちろん初めて。
恐怖と共に興奮しているようだ。
しばらくは機体が斜めになっていたが、高度1200mのところで水平になる。
2人は水平になってから、上空からヴィウリの町を眺める。
しばらく眺めているとアリシアもコックピットにやってくる。
3人は自分達が統治する国、自分たちが住んでいる町を上空から眺め、
言葉にならない感動をしているようだ。
タチアナ女王「2年前、私はこのようなものができ、
上空からヴィウリの町を見れる機会を得られるとは思いませんでした。
貴殿に感謝します。」
アリシア「私もこのような体験をできるとは考えてもいませんでした。
何よりも、イルンの町からヴィウリの町まで2時間弱で来れるなんて。
どんなに早い馬車でも20日かかっていたのに。
それも空を飛んでこれるなんて。」
ドロシー「姉がリール国でいろいろなものを見聞きし、体験できるなんて羨ましいです。」
10分くらいで再度下降し、ヴィウリ空港に再着陸する。
着陸後、タチアナ女王一行は飛行機を降り、別れの挨拶を交わす。
あいさつの後、飛行機は再度タキシングで向きを変え、
離陸する。
帰りの飛行機の中でアリシアが、
アリシア「まさか自分の国のヴィウリ城を日帰りできるとは思ってもみませんでした。」
帰り、地平線に太陽が沈む前に飛行機は降下し、
イルン空港に戻ってきた。
この後、イルンとヴィウリの空港を結ぶこの世界初めての旅客国際線が1日4便飛ぶことになった。
作者のうしねこです。
2年前まで馬車で20日かかっていたところを2時間弱でフライトし、
日帰りで国防会談を行い、帰国する。
周りの人間はこのような飛行機の搭乗に驚いているようです。




