193. 初めての国際線飛行
ヴィウリの空港が完成したとのことで、初の国際線飛行を体験する国王一行。
193. 初めての国際線飛行
ヴィウリの空港が完成したという連絡があり、
ここイルンからヴィウリまで飛行機で試験飛行することとなった。
試験飛行の日、空港でアリシアとゼナを待ち合わせる。
できたばかりの空港のロビーで待ち合わせをし、
こちら側のメンバーであるホファー、アリドラ、オスマン、ディアンヌ、
ディディエと共に飛行機に乗り込んだ。
操縦士も含めた22人乗りのこの飛行機は、朝9:30にイルンの空港を飛び立つ。
15分くらいで水平飛行になると、シートベルトを外し、客室の椅子を離れ、
アリシア、オスマン、ホファーとともに、操縦室に向かう。
操縦士いわく、現在の高度は1200mとのこと。
この航空機、前世で使用していた様な与圧が確保できる機材ではないので、
あまり高い高度は飛べない。
現在機内の与圧を高める改良設計を行っているが。
ただし、窓から地上の景色が見え、景色はいい。
飛行機の対地速度は520㎞/h出ているとのことで、
1時間半でヴィウリ空港に到着する予定とのこと。
客室に戻ると、
ん?
通路側の席にディアンヌが座り、通路の床を見つめている。
大丈夫か?と声をかける。
話を聞くと、これほどの高いところが苦手で、しかも自分は宙を飛んでいる、
信じられないとのこと。
ついこのあいだ、魔法錬金ビルの最上階に自分のオフィスを構えることになったのだが、
この高さは大丈夫らしい。
宙を飛んでいるのと揺れているのがダメらしい。
しばらくすると地上にプロブディフの町がみえる。
ここから国境を越え、ギエフ民国になる。
国境を超え、ほぼ建設が終わっている鉄道の線路が見える。
アリシア「我が国を空から見るのは初めてですわ。」
客室に移動し自分の窓際に戻った席からアリシアは地上を眺めている。
客室後方にある魔法で冷却している冷蔵庫から、
簡単なサンドイッチとオレンジジュースを取り出し、
搭乗サービス員は搭乗者全員に配っている。
前世であれば、キャビンアテンダントといったところだが、
バトラーと呼ばれている執事である。
配られた食べ物をみんなが食べ終わり、しばらくしたころ、
着陸のために高度を下げる。
ほかに飛行機はいないので、旋回で着陸待ちする必要はなく、
スムーズに機体は降下していく。
それから10分して、無事ヴィウリ空港に着陸する。
作者のうしねこです。
今までイルン空港周辺で試験飛行を繰り返していたが、
ヴィウリ空港が完成し、試験飛行に参加した国王です。




