191. カセットレコーダの完成と、音響機器の試作完成、そしてラジオ
カセットレコーダと音響機器、そしてラジオ関連機器の試作が完成し、いよいよ発売となる。
191. カセットレコーダの完成と、音響機器の試作完成、そしてラジオ
以前カセットレコーダの試作検討をした時、電圧波形を音にしたり、
音を電圧波形にしたりする技術を説明したが、試作品が完成したとの連絡を受け、
設計事務所の会議室に向かった。
そこには、試作品テープレコーダの第一号となる機械が2種類置かれていた。
1種類目としては、大きさとしては、20cm x 30cm x15cmのもので、重さは10㎏弱。
ただカセットテープは前世のカセットテープとサイズが同じで、
駆動部分がこれだけの大きさにしている理由だった。
カセットデッキは、スピーカとマイクを内蔵しているが、外部につなげられる様、
スピーカは直径2.6㎜、マイクは2.2㎜のジャックポートを搭載している。
あとは、ほかのデッキと音声の波形データをやり取りできる様に、
左と右の電圧出力と入力の端子を搭載している。
そう、このカセットデッキはステレオで、カセットも左と右をA面とB面に記憶する方式をとっている。
カセットのA面とB面にそれぞれ磁気ヘッドがついている。
そしてカセットのドライブは2つある。
機能は再生、巻き戻し、早送り、録音、ダビングである。
そのほか、ステレオ/モノラル切り替えモード(A面とB面にそれぞれのモノラル音を記憶できる。)がある。
2種類目は、10㎝ x 15cm x 7cm。 重さは1.5kg。
持ち運びを意識している。
ただしカセットドライブは1基のみ。
機能は再生、早送り、巻き戻し、録音。モノラルのみ。
スピーカとマイク内蔵。
音声の入出力ポートとスピーカとマイク端子は内蔵している。
いずれのレコーダも雷の魔石でで動くほか、大きい方のデッキは外部電力でも動く。
会議室には外部スピーカとマイクの試作品もある。
スピーカは、80㎝ x 40cm x 50cmの大きさ。マイクは前世のスタンドマイクとあまり変わらない。
あとヘッドフォンもある。以前私が原理と概要設計を説明したものだ。
アシモフは使い方のデモンストレーションをしてくれる。
アシモフ「どうじゃ?」
「よくできている。これはこれで世の中に売り出すとして、
この延長上でラジオ機能を搭載したものも検討してほしい。」
アシモフ「ラジオ、以前説明してくれたものじゃな。」
「これらの機器は電圧を音声に変換する機器だが、
電圧信号を以前航空管制で開発した技術である電波によって、
音声の電圧信号を飛ばす、こういった機能を実現するため、
カセットレコーダに、ラジオ機能もつけてほしい。」
アシモフ「分かった、改良してみる。」
そして2か月後、ラジオ機能が付いたカセットレコーダが完成する。
スライド式のバリコンで電気容量を変え、電波周波数を変える機能付きである。
ラジオで使用する周波数として、AM帯(500KHz~1700KHz)とFM帯(70MHz~90MHz)を想定している。
LW帯(30~300KHz)は別の用途で使用予定があるので、あえてラジオでは使用しない。
現在ラジオ局開設のために試作している電波制御装置システムで電波を出し、
音の確認を行う。
具体的には以下の通り。
①マイク5台の入力を切り替えられ、アンプで増幅、増幅した音をヘッドフォンで確認する装置
➁大型カセットデッキ
➂、①の装置
➃電波塔から電波として送信する装置
➃の装置は試作段階なので出力が小さく、部屋に収まるくらいの大きさとなっている
マイクで拾った音を①から➃の装置と通し電波に出力され、
50m離れた別室にあるラジオ機能付きカセットデッキから音が聞こえる。
確認は成功。
カセットテープに記憶された音も➁から➃の装置を通し電波化され、
小型テープレコーダから音が聞こえる。
いよいよこれでラジオ局の開設にこぎつけられる。
後日、ラジオ局の解説を前に、以下の音響/ラジオ装置が売り出された。
-大型カセットレコーダ(ラジオ機能あり/なし両方の仕様)
-小型カセットレコーダ(ラジオ機能あり/なし両方の仕様)
-カセットテープ(片面10分、30分、60分、90分、120分、150分)
-スピーカ
-ヘッドフォン
-マイク
-アンプ
-超小型ラジオ再生機
作者のうしねこです。
音響機器とラジオ機器の試作が完成し、いよいよこの世界にもラジオが登場します。




