189. イルン西魔法パレス地域と西方線開業
イルン西魔法パレス地域の建物完成と、と西方線が暫定開業することになり、
国王が開業式のあいさつをすることになりました。
189. イルン西魔法パレス地域と西方線開業
現在工事を行っている西方線の一部が開業することとなった。
開業区間は以下の通り。
イルン西魔法パレス駅~(地下複々線2.2km)~イルン路面電車車庫駅~(地下複々線1.4km)
~イルン西公園駅~(地上複々線2.2km)~イルン西丘駅~(地上複々線45km)~オルテス~
(地上複々線26km)~アングレーム~(地上複線74km)~モンリュソン
魔法導力研究所の広い敷地の1/2ほどをターミナル駅となるイルン西魔法パレス駅(イルン西駅)として、
工事を行っているが、駅ビルも完成した。
<イルン西魔法パレス駅ビル>
地下7階:ビル管理設備
地下6階から4階:車庫
地下3階:イルン西魔法パレスのれん街(食品売り場、小売店街)
地下2階:改札、広場、小売店街
地下1階:小売店街、お好み食堂街(レストラン街)
1階:改札、バスターミナル、小売店街、イルン銀行
2階から6階:コカトリスデパート(コカトリススーパーグループのデパート)
7階~58階:オフィス
59階~72階:リールインペリアルホテル魔法パレス館
73階、74階:レストラン街(展望所)
当初この駅ビルに錬金魔法大学校等が入る予定だったが、
駅ビルに接続する形で60階建ての魔法錬金ビルが建てられ、
以下の魔法関連の施設が入ることとなった。
<魔法錬金ビル>
地下7階:ビル管理設備
地下6階から4階:車庫
地下3、2階:新魔法試験場
地下1階~4階:魔法用具市場
5階~16階:錬金魔法大学校
17階~20階:魔法訓練場
21階~32階:魔法導力研究所
33階~39階:スクロール、魔石製造所
40階~44階:錬金材料製造所
45階~52階:錬金材料研究所
53階~59階:魔法錬金営団事務所(59階:営団長室)
60階:レストラン「魔法パレスキッチン」「魔法錬金ビューパレス」、展望台
朝9時、これらイルン西魔法パレス駅とその駅ビル、魔法錬金ビル開業式のため、
イルン西魔法パレス駅前広場に向かう。
この広場は東西街道と駅ビルの間にあり、この下に駅のプラットフォームがある。
広場の端から、駅のホームが見える。
ディアンヌ「国王、こちらです。」
ディアンヌもうれしそうだ。
旧錬金魔法大学校の広い敷地の半分をこれら施設することになったが、
60階建ての魔法錬金ビルができ、以前の建物の10倍以上の床面積があり、
各部署も広々とスペースをとることができた。
ディアンヌ「錬金魔法大学校や研究所が60階建てのビルになり、
このような立派な施設になるなんて。感無量です。
特に59階に立派な私の部屋ができるなんて、思ってもいませんでした。」
朝9時になり、楽団のファンファーレの元、テープカットを行い挨拶を行う。
列席者はディアンヌ、オスマン、ハーヴェ、それにクリスチーネとリアもなぜかいる。
そのほか、魔道ローブを着た錬金魔法大学校や錬金/魔法研究所、それに魔法錬金営団関係者を見ると、
改めて、1年以上異世界にいるにもかかわらず『ああ、異世界だ。』と思うところがある。
とりあえず、お決まりの挨拶を行う。
前世の知事時代にこの様な『開所式等』のスピーチは嫌というほど行っており、
メモを見ずとも言葉が出てくる。
あいさつの後、大勢の人が駅ビルや新駅に押し寄せる。
そのような中で、ディアンヌ主導で魔法錬金ビルの案内をしてもらう。
ディアンヌ「国王、地下3階から案内します。まずは新魔法試験場です。
ここでは、新開発した魔法の効果を確認するのですが、
以前は屋外にあったのですが地下に移動し、水中の環境やダンジョンの環境、
降雨や降雪の設備など設置してあります。こちらが環境をコントロールする部屋です。」
実際に魔法パネルを操作し、その環境を再現させて見せてくれる。
新魔法実験の設備を見た後、エレベータで地下1階に向かう。
ディアンヌ「ここは魔法用具市場です。いわば、魔法に関する道具のデパートですね。
全国、いや周辺国も含め魔法の関係者もここに買い出しに来るでしょう。」
前世のデパートのような区画割がされているが、もちろん商品は、スクロールや魔導書、
魔石、マジックワンド、魔道ローブといった商品が並ぶ。
特にすごいと思ったのが、マジックローブが24色用意されており、
フードのところのデザインのバリエーションやサイズが、
3S, 2S, S, M, L, 2L, 3L, 4L, 5Lと豊富。
新商品として、樹脂コーティングした水系モンスターから攻撃を受けても、
効果を半減させるローブは目玉商品とのこと。撥水加工のローブ。
まるでユ〇クロである。
ここも一通り見学した後、5階の錬金魔法大学校に向かう。
広い教室や事務局、研究室などがあり、まさしく大学である。
変わったところは、やはり学生は魔道ローブ姿。
16階に学食がある模様。
17階は魔法訓練場。
学生が魔法の訓練を行う場所である。
ディアンヌ曰く、教官が学生の魔法をチェックして、A,B,C,Dをつけ、
Dは留年とのこと。
そのほか、魔導士ランク進級試験も行うとのこと。
ここも新魔法試験場と同じく、いろいろな環境を変えられる設備となっている。
21階からの魔法導力研究所は、大学校の研究室をもう少し発展させた形で、
前世の企業の研究所といった感じ。前世では魔法はなかったが。
魔力増幅装置や遠隔で雷の魔石充電器等が、研究されている。
33階のスクロール、魔石製造所は、文字通りこれらを作っていて、
『工場』である。ただ、スクロールを描き魔力を封入する魔導士が、
工場のラインに張り付き、魔道ローブを着て作業している姿は慣れない。
魔石は、魔石研磨や魔力封入といった作業や、
放電しきった雷の魔石をリサイクルし、充電という名の魔導士が魔力を込めたり、
業務用雷の魔石充電器を使い充電している光景は、やはり慣れない。
ここでの取扱量はやはり『雷の魔石』関連が多い。
前世でいう『大容量電池』の役目を果たしている。
ここで製造された魔道具は、大型専用エレベータで魔法用具市場や地下車庫へ運ばれる。
40階からの錬金材料製造所は文字通りで、
マジックワンドの魔道ミスリルの加工やローブ生地、製鉄工所に収める魔道材料
(パワーグローブグリップ等)の製造を行う。
45階からは錬金材料研究所でこれも文字通り材料研究を行っており、
化学式の構造解析から材料の配合、材料化学構造解析、魔道エネルギーの成分解析など行っている。
錬金材料の精製設計図もここで作られている。
53階からは魔法錬金営団事務所で、政府ビルの営団事務所と合わせ、
この国の魔法錬金営団組織を支えている。
具体的な業務は、高等魔道材料の管理、
新魔法材料や錬金材料の企画化(前世でいう魔法のJISやISO規格の制定)、
魔導士ランク管理や大学校の認証、魔石アセスメントなどである。
そして59階の営団長室を見せてくれる。
周辺に隣の駅ビル以外、このような高いビルはなく、景色はとても良い。
ディアンヌ「ほんとに景色がいいです。」
部屋の応接セットに座っている私に紅茶とハスカップケーキを持ってきてくれる。
ディアンヌ「歩き回って疲れているでしょうから、少しここで休んで行って下さい。」
30分ほど休ませてもらう。
その間に、ディアンヌが魔法錬金営団の事業計画を説明してくれる。
話を聞いたが、魔法のテクニカルな?詳細の部分はわからなかった。
その後、最上階、60階のレストランと展望室の案内をしてもらう。
魔法錬金ビルの見学が終わり、今度はイルン西魔法パレス駅の駅長室に向かい、
オスマンに会う。
今度は西方線について案内してもらう。
駅長室はイルン西魔法パレス駅ビルの地下一階、ちょうど改札の上にあり、
木目調の壁に囲まれた、緑色のモケットが張られた応接セットの椅子に腰かける。
オスマンと駅長が対面に腰かける。
駅長「ではまずイルン西魔法パレス駅について説明します。
この駅は今現在、西方線は緩行線2面4線と急行線3面6線の駅で終端駅ですが、
緩行線は今現在開業している中央市場駅までの地下鉄東西線と接続工事を行っています。
ホームは14両の電車が止まれる規模です。」
オスマン「西方線は今モンリュソン駅まで暫定開業していて、
複々線区間はこの駅から、オルテスまでです。
将来こちらも工事中の環状線がイルン西丘駅で接続予定です。
イルン西丘駅の急行線と緩行線の間に環状線が入る形で直通運転も予定しています。
それになりよりも、特急でイルン西魔法パレス駅~イルン西丘駅~オルテス~アングレーム~モンリュソン、
106kmを1時間半で移動できるようになりました。」
駅長室から、イルン西魔法パレスを見ることができ、
緩行線を走る14両の電車と14両の特急が同時に出ていくところが見えた。
作者のうしねこです。
いよいよイルン西魔法パレス地域が完成し、西方線が暫定開業することになり、
ディアンヌとオスマンは非常に喜んでいる様です。
特にディアンヌは高層ビルの59階に自分の執務室が完成し、
その景色に感動している様です。




