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188. 録音用テープとそのレコーダ開発

録音用テープとそのレコーダ開発の説明をアシモフ、イスナルド、シモーネに行うことになったのだが…

188. 録音用テープとそのレコーダ開発


いつもの第1執務棟会議室。

いつものメンバー、国王、アシモフ、イスナルド、シモーネが集まる。


石油から精製した樹脂原料でテープの原料が作り出され、テーブルの上に置かれている。


「今日はレコードではない、音が録音でき、自由に録音と再生ができるテープレコーダというシステムを作りたい。」


先日テープの原料となる樹脂フィルムを試作してもらったが、具体的に何に使うというのは、今日、初めて話をする。


「テープレコーダの仕組みとして、この樹脂フィルムに磁性体を塗り、磁性体の向きや方向をヘッドで操り、

そのパターンを記憶をすることで、音を記憶するんだ。

そもそも音というのは波形で波形の振幅やパターンによって、音の強弱や音色が構成されている。

波形ということは、これをマイクを通し、電気信号の電圧の波形に変換する。

この電圧の高さを磁気テープに記憶すれば、テープに音が記憶できる。

また再生するときは、テープに記憶した電圧の高さ情報を電圧復元し、スピーカを通し、音に復元する。

音量調整は、この電圧の幅を増幅・減衰させる機構だ。

あとは、細長くロール状に巻いてある磁性体テープに音を記憶しているため、

このテープを高速で巻き戻したり、早送りしたりする機能も必要。」


黒板に音と電圧変換、磁性体への記憶メカニズムを書きながら説明する。


アシモフ「つまりじゃ、

➀磁性体テープを正転や逆転、速度コントロールするモータ制御機構

➁音を電圧波形にするマイク

➂電圧波形を音に変換するスピーカ

➃電圧波形をその電圧高さに変換する機構

➄電圧高さを磁性体に記憶したり、読み取ったりする機構

➅電圧波形の大きさを増幅したり、減衰させる機構

が必要だということじゃな。」


「そうだ。」


アシモフ「あとは、磁性体テープが格納されているカセットの構造と、

ヘッドにセットしたり、外したりするメカ的な機構じゃな。」


イスナルド「あと磁性体の化学材料も問題ですよ。

ヘッドで磁性体の方向などを制御しやすい化学材料というと、

酸化鉄や酸化クロム、コバルト、フェライトといったところか。


アシモフ「おお、コバルトか。あの美しい青色の物質じゃな。」


イスナルド「これら材料で精製した磁性層の膜を塗布した後、

保護する必要があるな。」


アシモフ「保護膜のコーティング方法も考えるとしよう。」


アシモフ「あとは、先ほどの➀から➅の構造じゃが、

➀については、カセットの収納されているローラが、レコーダ側の回転駆動装置とかみ合い動かすが、

できれば、ベルトよりは多段ギア駆動のほうがいいな。

この部分劣化やたるみで、回転が一定化しない場合がある。

モータの回転数は、トリムできるようにしよう。


ボタンを押すと、この多段ギアの中断ギアを入れ替え、再生のほか、早送り、逆転できる設計にする。」


シモーネ「車のギアボックスと同じですね。」


アシモフ「そうじゃ。➁に関しては、音波で振動した膜にコイルがつながっており、

周りにある磁石を通し、電圧の変動を生み出す。」


シモーネ「発電用モータと原理は似ていますね。」


アシモフ「うむ。➂はその逆じゃ。」


アシモフ「➅は、抵抗を変えることにより調節する機構とするか。ボリュームて抵抗が変えられる方式がいいかな?」


アシモフ「あとは、➃と➄じゃが…」


「➃と➄の電圧の高さを電気信号に変え、磁性体に記憶する方法だが、テープ磁性体をヘッドで読み取り、

ヘッドに取り付けられているコイルを通し、電気信号にしたり、磁性体に記憶させたりする。」


国王は黒板でヘッドの仕組みの概念絵とそのA-A断面図を描く。


国王、前世で建築図面や設備のポンチ絵をかいていたので、

説明の絵が非常に分かりやすいと、公表である。


「つまりだ、ヘッドはコイルの部分と軟鉄性コアの部分で大まかには構成され、

軟鉄性コア先端のヘッドギャップの磁束で、テープ側の磁性体をコントロールするんだ。

この原理は電磁誘導という法則で…。」


この後、アシモフ、イスナルド、シモーネに前世の高校物理の授業をすることになるとは思わなかった。


今後時々ではあるが、国王は工学大学校、設計事務所、医療学校で『名誉講師』として、

時々教鞭をふるうことになった。

作者のうしねこです。

録音用テープとそのレコーダ開発の打ち合わせがいつの間にか、工学大学校、設計事務所、医療学校で『名誉講師』をやることになるとは思わなかった国王です。

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